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昭和の残骸 [評論]



少し長期的な視野で見ると、政治とカネ問題が繰り返される度に、政治に対する国民の信頼が失われ、自民党という看板が痛み、そのことが今後の選挙を難しくし、選挙に勝つためには、更に、カネが必要になるという悪循環が生まれています。
中でも、自民党議員にとって一番厄介なのが、地方議員の不満です。次の統一地方選挙までは、まだ数年ありますが、国会議員の不始末で、自民党の看板を背負っている地方議員は困惑しています。自民党の国会議員は、地元の地方議員の力がなければ当選できません。国会議員が一番弱い立場にいると言われています。それは、地方議員のほうが365日地元にいて、有権者と近い関係にあるからです。国会議員は、自分が当選するためには地方議員にカネを渡す必要があります。そのために、裏金が必要なのです。国会議員の一番の目的は「当選」ですから、仕方ありません。派手にやり過ぎて立件され、議員辞職した広島の議員がいましたが、あれは、皆がやっていることです。国会議員が報告書に「不明」と書くのは、地方議員に渡しているカネを表に出せないからです。
しかし、誰だって、自分が一番大事です。国会議員の当落よりも、地方議員だって選挙で当選しなければなりませんので、自分の当落が優先するのは当たり前です。自民党というブランドが地に堕ちれば、自分が損をすることになるのですから、地方議員は怒っていると思います。これまでも、国会議員のほうが弱い立場にありましたが、更に力関係が変わり、地方議員が強くなれば、自民党本部も個々の国会議員も、これまでよりも多くのカネを用意しなければならなくなります。それは、更なる裏金が必要になるということです。カネ集めが出来なくなれば、自民党は内部崩壊します。
国政、県政、市政まで利権という名の1本の黒い糸で結ばれています。それは、自民党が公金を自由に使える予算権という利権を持っているからです。皆さんが納めた税金は、全てが国民生活を守るために使われているのではありません。自民党を守るためにも使われています。もっとも、自民党だけが悪いわけではありません。権力者は、常に、太古の昔から、そうやって権力の維持をしてきたのです。
それでも、「腐っても鯛」の自民党が第一党を維持するのは、まだ当分続きそうです。
岸田さんが焦って、解散総選挙をすれば、自民党は大敗することになるでしょうが、自民、公明、維新、国民の連立政権を組めばいいだけです。カネのためなら、何でもやります。
一方、代表の地位が危ぶまれていた立憲民主党の泉代表が、「政権を取る」ために240人の候補者を立てると宣言しています。急に、元気になりました。敵失につけ込むしか戦略のない政党ですから致し方ないのかもしれません。もちろん、票読みにしか興味のない小沢さんも、「国民生活を守る」方策がありませんので同じです。与党も野党も選挙にしか関心がありません。国民生活よりも、先ず、自分の選挙です。
ほんと、碌な政党がありません。
ここで、大まかな、各政党の支持率を見てみましょう。
自民党    25%
立憲民主党   5%
維新の会    5%
共産党     5%
公明党     4%
国民民主党   1%
支持政党なし 50%
維新と公明が野党共闘に参加しないとすれば、立憲は、無党派層の大半の票を獲得しなければなりませんが、そんな異変は起きません。裏金事件で、ここまで評価を落とした自民党ですが、支持率は立憲の5倍もあるのです。野党は、どの野党も、国民の信頼を得られていないことに、なぜ、着目しないのでしょう。
あの民主党政権誕生は、奇跡だったと思います。
立憲民主党も泉代表も立憲の国会議員も候補予定者も、再びの奇跡を夢見ているのだと思いますが、そう簡単に奇跡が再現することはありません。国民は、今でも、民主党がやった裏切りを忘れていません。

今、政治について書けば、どうしても、政局になってしまいます。
でも、一寸待ってください。
政治とは、選挙と政局だと政治家は思っているようですが、それは違います。政治とは「国民生活を守る」ための方策を考え、実行することです。
今、国会でやっているのは権力闘争です。
権力闘争が国民生活の向上につながるとは思えません。
国民不在です。
自民党の目的は「政権の維持」であり、立憲共産党の目的は「政権の奪取」です。
どこに「国民生活」があるのでしょう。
各政党の目的が、民主国家の目的と合致していないだけではなく、何よりも、どの政党にも、「国民生活を守る」ための構想がありません。
このお粗末な権力闘争は、ますます、国民生活を衰退させます。
国民の皆さんに、自民党に対する不満があることは、よく理解できます。
国民の皆さんが、既存の野党に期待していないことも、よく理解できます。
だったら、「国民生活を守る」ことを目的とした政治集団を作るしかないと思います。
そのためには、国民の皆さんが、行動するしかありません。
自民党に文句を言ったって、野党候補に一票入れたって、皆さんの生活は悪くなる一方なのです。今の政治構造では、明るい光は見えません。国民の半数が無党派層だということは、国民の皆さんだって、そんなことはわかっているということです。自分の生活は、自分で守らなければ、誰かが善意で守ってくれるなんてことは、人間社会では起きません。
日本社会を全体として豊かにしなければ、皆さんの個々の生活も豊かにはなりません。ましてや、権力闘争に明け暮れる国に未来などありません。
自民党が正念場に立っているのではありません。
この国の国民の皆さんが、正念場に立っているのです。
全ての既存政党を否定し、新しい政党を作るしか道はないと思います。
まさに、ここにあるのは、昭和の残骸だと思います。いや、日本歴史の残骸です。
この昭和の残骸は、今や、この国にとって毒でしかないと思います。
この毒は、国民の皆さんの生活を、一人の例外もなく、壊します。
どうか、そのことに、気付いてください。

ここで、左翼の方のツイッターハッシュタグを見てみます。
#自民党に殺される
#自民党は国民の敵
#自民党は組織犯罪集団
#自民党に投票するから、こうなる
#自民党に投票したら、増税
#自民党は日本を滅ぼす
「その通り」です。どれも間違ってはいません。
でも。
非難しても、文句を言っても、何も変わりません。
左翼の皆さんは、自民党にケチをつけていれば、何かをやった気になるのでしょうが、これも、昭和の残骸です。
ほんとに、お粗末だと思います。
自民党が日本を滅ぼすのであれば、左翼の皆さんは、どうやって日本を豊かにして、国民生活を守るのですか。その青写真を示さずに、非難しても、何も変わりません。
左翼の皆さんも、票が欲しいだけです。自民党と同じです。
いや、左翼政権になったら、もっと、悲惨なことになります。
韓国で左翼政権が5年続いただけで、韓国はガタガタになってしまいました。多分、取り返しがつかない状況になっていると思います。韓国国民も今日起きていることを想像できなかったのだと思います。「あちゃー」です。
日本でも、立憲・共産・れいわ・社民連立政権が誕生すれば、韓国と同じ状況になります。
自民党のほうが、他の野党よりも、ほんの少しだけ、ほんとに、ほんの少しだけですが、「まし」なのです。その点では、国民の皆さんの判断は正しいと思います。
でも、自民党に国家運営を任せていれば、左翼の皆さんが言う通りになるのも事実です。
国民にとって新しい選択肢を作る必要がありますが、それを作れるのは国民だけです。

左翼の皆さんは、大きな勘違いをしています。
左翼の皆さんは、「格差を無くせ」「弱者にカネをばら蒔け」と言います。
それを100年、続けるのですか。
続けられません。
それは、「ばら撒き」では国力衰退が止まらないからです。
国が、どんどん、貧しくなれば、ばら撒くカネも減ります。
そして、富める者も貧しき者も、皆で、貧しくなるだけです。
国として、豊かな国になるしか方法はありません。
その青写真なくして、この国の将来はありません。
左翼の皆さんが非難しているように、この国は滅びます。
それは、自民党が日本を滅ぼすのではありません。自民党と野党と国民が一致協力(誰も自覚していませんが)して、この国を潰そうとしているのです。
しかし、自民党にも、左翼の政党にも、国民にも、この国が必要としている青写真がありません。私達は、自然に壊れるのを、指を咥えて見ているだけでいいのでしょうか。
国民の皆さんが意識を変えなければ、この国は潰れるのです。
どうして、こんな簡単なことが理解されないのでしょう。
もっとも、私も大口は叩けません。数年前までは、私も左翼の皆さんと同じような非難しかしてこなかったからです。
こんな日本になってしまった原因に、原因の原因に、いや、原因の原因の原因に気付くことでしか乗り越えられないのだと思います。

いろいろな批判、非難、文句は、これまでもありました。
でも、日本人は馬鹿ではありません。多くの方が「何とかしなくては」と思い、実際に、いろいろな方が、いろいろな改革をやりました。
でも、何度でも、同じようなことが繰り返されます。
この「何度でも」に気付く必要があります。
どんな改革をやっても、「欲」の前では無力だと言うことです。それは、必ず、「なあ、なあ、まあ、まあ」で元の木阿弥になってしまうからです。
何事も曖昧でいいのですから、元の木阿弥になるのは、必然的な結果だと思います。曖昧の中では、強いものが生き残ります。「欲」が最強です。
「曖昧、イズ、ベスト」の社会では仕方のないことなのだと思います。
私達の社会に、私達の国に、今、必要とされているのは、原理原則なのだと思います。
それが、私が提唱している「目的と責務」です。
「国民生活を守る」ために、それぞれの立場の国民が、それぞれの責務を果たせば、この国が直面している国力衰退を止めることができると思います。
国民に「目的と責務」が共有されれば、「欲」に流されそうになった時に、復元力が働くと思います。「欲」の権化である政治家の自分勝手な言い訳も通用しなくなります。「国会議員の責務」が明確になっていれば、「記憶にありません」「秘書がやりました」「反省して、これからは真摯に向き合います」なんて言い訳は通用しません。
もちろん、国民も自分の責務を果たさなければなりません。
そのためには、文化を変えなくてはなりません。
「曖昧、イズ、ベスト」文化を、「言葉の定義」をする文化にする必要があります。
右翼とか左翼の時代ではないと思います。「お上」と「下々」の時代でもないと思います。右翼も左翼も「お上」も「下々」も不要です。
国民のための国家を作る時代にしなければなりません。
そんな国を、社会を、作ることが出来るのは、国民の皆さんしかいません。そのためには、国民の皆さんの行動が必要です。その行動を、革命と呼ぶのだと思います。もちろん、国家を運営するためにはシステムと、システムを運用する人が必要です。政治家が頼りにならないのであれば、国民が自ら運用しなければならなくなります。そんなことは不可能です。ですから、原理原則を守ってくれる政治家が必要なのです。


2024-03-03



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