SSブログ

根っからの「下々」根性 [評論]



今日は、多くの国民が、特に、この8月に生まれた、漠然とした「もやもや感」について書きます。
「原則、自宅療養」を堂々と発表する総理大臣の姿を見て、国民は、どう感じたのでしょう。「なんか、ヤバイ」と感じたのではないでしょうか。しかし、日本の国民は、「いい人」ばかりですから、暴動を起こしません。でも、国民の直感は、「なんか、変だぞ」と感じています。庶民の直感は、理屈抜きで、いつの世でも、真実を見抜いていると思います。
残念ですが、「いい人」が、「大人しい人」が、「従順な人」が、「寛容な人」が幸せを掴めるという法則はありません。ここが、大変難しいところなんですが、危機的状態になっても、日本人の「下々」根性が、2000年かけて刷り込まれた「いい人」「大人しい人」「従順な人」「寛容な人」であらねばならないという意識が、自分に「動くな」と指示します。
結果的に、国民の皆さんのこの「下々」根性が、この国を壊します。コロナなんて大したことではありません。でも、コロナでさえ対峙できない皆さんが、これからやって来る国家崩壊に対峙できるとは思えません。いつでも、地獄へ堕ちるのは庶民だと決まっています。自分の身は自分で守るしかありません。「いい人」でいて、地獄に堕ちていたのでは間尺に合いません。でも、皆さんは、自分を守ろうとしていません。これを自業自得と言うのです。

8月に、政府のコロナ対策基本方針が変更になりました。
突然で、驚きました。
その変更主旨は。
感染爆発という局面を迎え、このままだと医療崩壊が起きるから、「入院を制限」しようというものです。いつもの結果を書き換える方式を、結果が出る前にやれば、何とかなると考えたのでしょうか。理解に苦しみます。この「原則、自宅療養」という方針は、国民には、「自宅療養で死んでください」と言っているように聞こえてしまいました。
これまでも、医療体制の拡充が議論されてきましたが、実現しませんでした。
そのことを、多くの国民が知っています。
医師も、政治家や学者と同じ、お偉い先生方という種族です。「お偉い先生方の利益を守るために、国民は、自宅で耐えてください」と言っているような方針変更なのですから、大人しい国民の間にも動揺が走りました。もっとも、走ったのは動揺だけです。
医療が崩壊する危険はありますが、自宅療養だって崩壊する危険があります。
だとすると、医療崩壊で医師会に恨まれるよりは、自宅療養崩壊で国民に恨まれることを選択したということなのでしょうが、国民には納得してもらえないと思います。
有事における医療システムの不備は、国と医療界の責任であり、国民に責任を取らせるのは少し筋が違うと思います。いつものことですが。
確かに、医師会は利権集団であり、自民党にとっては超強力な圧力団体ですが、今は、有事であり、平時よりも国民の協力が欠かせません。従来の常識を守るのは、いかがなものかと思います。
医療は、日米安保と同じような構図があります。
アメリカに守ってもらわなければ、日本は守れない。だから、アメリカの要求は呑むという構図はよく知られています。
医師会に守ってもらわなければ、国民は守れない。だから、医師会の要求は呑む。
どちらも、国民の命を人質に取られているのですから、要求は呑まざるをえないと思いますが、日本政府が外国政府を制御することは不可能ですが、有事に限定すれば、国内の医師会を制御することは可能なはずです。
どうして、そうしないのでしょう。
国の目的と国の責務が曖昧だから、利権集団の利益が優先されているから、「お上」優先の国だから、国民が「下々」のままだから、こうなっていると思います。
「国の責務は、国民生活を守ることです。これは、絶対命題です。そのために、医師会は犠牲を払ってください。それが、医師会の責務です」と言えば済むことです。
銀行や酒類卸問屋に圧力をかけて、飲食店をコントロールしたいという政府の対応も褒められた施策ではありませんでしたが、今回の基本方針の変更のほうが、国民を軽視しているという点では、はるかに悪質です。
この基本方針の変更は、衆議院選挙に大きな影響を与えると思います。
国民の皆さんは、確かに「いい人」ばかりですが、文句も言いませんし、デモも暴動も起こしませんが、それでも、自民党に投票しようという国民は減ると思います。医師会と心中するという菅さんの覚悟は裏目に出る可能性が高いと思います。自棄になった国民の、ストレスの発散場所が選挙になれば、自民党に厳しい結果になると思います。
4月の「大阪の悲劇」で実証されたような事態が次々に起き、自宅で死亡する人が多数出てくれば、その非難は政府に向かいます。これは、とても危険な賭けだと思います。
厚労省は「自宅療養死は把握していない」と言っていますが、すでに、「大阪の悲劇」を越えているものと思います。
本来であれば、医療崩壊が起きないように医療体制を変更することが先だと思うのですが、そうは、なりませんでした。
これは、医師会の力と国民の力の差が、影響したものと思います。
政府にとって、菅さんにとって、1億2000万人の国民の存在は、「下々」に過ぎず、数百万人の医療界の存在よりも低いということだと思います。
ただ、この国は、これまで、このやり方が当たり前なこととしてやってきました。
今回も、国民の健康と命よりも、医師会の利益を優先させるという判断をしたということは、菅政権が自分の利益を優先させたということです。今までも、「お上」の利益最優先という方程式で運営されてきた国ですから、何の不思議もありませんが、ここまで、自分達の利益をあからさまに前に出すやり方は、どこかで破綻すると思います。多分、官僚主導で決められた方針ではないと思います。官僚主導であれば、「お上」の利益最優先という基本理念は変わりませんが、国民にはそれが見えない形にする工夫がされていました。今回は、それが、丸見えになってしまったのです。菅さんの独り相撲のかもしれません。
菅さんの性格を知っているわけではありませんが、菅さんは、とても真面目な方なのだと思います。わざわざ「自宅療養」なんて宣言しなくても、勝手に自宅療養になりますし、「頑張ってます」と言っておけば責任転嫁もできます。これまでの総理大臣であれば、余計なことは言わなかったと思います。
「これは、ヤバイ」と思ったのは、選挙を間近に控える自民党の議員です。
自民党が、政府に撤回するように申し入れました。自民党の申し入れの主旨は、「選挙に不利にならないような文言に出来ないのであれば、撤回しろ」ということのようです。国民の代表だと胸を張っている国会議員の先生方にとっては、「自宅療養」が問題なのではなく、選挙に悪影響が出るのが問題なのです。自分の選挙のことしか考えていません。
自民党の議員は、今のままでも、美味しい国会議員という身分を失う人が数十人出るだろうと言われているのです。何とか当選するだろうと考えていた議員も、これは「ヤバイ」と思ったとしても不思議ではありません。
もしかすると、政権も失うかもしれません。
近年、ここまで国民を愚弄する政策を打った政権はありません。国民が、どれほど「いい人」だったとしても、いくら何でも、反抗する人は出てきます。自民党議員は「マジ、ヤバイ」です。引退表明をする自民党の老政治家が多くなったのも、風向きを見て、「晩節を汚したくない」という意識があったものと思います。
仮に、何とか当選しても、野党になれば、国民よりは恵まれた利権はありますが、与党の議員に比べれば、利権は「無い」に等しいものになってしまいます。
ところが、このような構図が、いつでも「お上」が得をするという構図が、間違っているのですが、国民は何も言いません。ほんとに、「いい人」です。
全体の構図を見てください。国民の姿が見えません。曖昧という空気に溶けていて、国民の姿は見えないのです。国民は、人間ですらないんでしょうか。デモや暴動が起きたというニュースもありません。国民の皆さんは「へら、へら」と笑うだけです。選挙で自民党への投票をやめた程度ではこの状況は変わりません。だって、政権交代をしたら、また、あの悪夢の旧民主党政権が誕生するのです。国民が、自分の生活を、健康を、命を守りたいのであれば、言葉の定義をして、新しい政治集団を誕生させる以外に選択肢はないと思います。

さて、国民の皆さん。
利権の力関係で運営されている国が、国民の利益になるのでしょうか。
私には、そうは思えません。
これまでも、「一事が万事」「氷山の一角」という言葉を何度も使いましたが、時々、このような現象が表に出てくることがあります。
それでも、国民の皆さんは「ダンマリ」です。
「ふむ、ふむ」と頷いている人がいます。
意味不明な笑顔を見せている人もいます。
「俺には関係ねぇ」と言っている人もいます。
「下々」は「お上」に逆らってはいけないと信じています。
国は、そんな国民を、自分の利益を犠牲にしてまで守らなければならない、とは思わないのではないでしょうか。
国民は、「へら、へら」と笑っている場合ではないと思いますが、どうなのでしょう。
野党の議員は、大騒ぎをするのでしょうが、それは、あくまでも、自分の利益のためであり、国民の利益を求めているのではありません。野党の議員も、自民党の議員のように、自分も美味しい果実を食べたいと思っているのです。もちろん、今の国家運営方式では、それが悪だとは思いません。私が同じ立場に立っていれば、同じことをしたと思います。つまり、システムそのものが間違っているのです。
野党が政権を取れば、この国の衰退速度は加速します。国民の皆さんは、意図せずに、「衰退」という悪魔に手を貸すことになるのです。それは、与党に頼っても、野党に頼っても、私達は地獄へ堕ちるということです。この窮地を救えるのは国民だけです。しかし、国民は、誰一人、そのことに気付いていません。
こんな国で、「なあ、なあ」「まあ、まあ」という曖昧で、自分で自分を誤魔化している国で、国民は頑張れるのでしょうか。
そうではないと思います。そのことが「国力衰退」を呼び込んでいるのだと思います。
この国は、定義がないために、見え難くなっていますが、未だに封建制度の国です。国民に主権はありません。「お上」と「下々」の世界のままです。まだ、お代官様と越後屋の世界なのです。泣きを見るのは百姓です。
残念ながら、「曖昧」を絵に描いたような民主主義風王政並立封建制度の国では、今のあり方は認められます。この国は、今でも、「お上」と利権集団のためにある国なのです。
国体を変えなければ、この状況は変わりません。
今のままでは、国民が頑張る動機は見つかりません。
だから、国が衰退しているのです。
私が、革命を推奨しているのは、そのためです。
民主主義風王政並立封建制度の国ではなく、民主主義国家になる必要があります。
そのためには、「国とは、国民とは、民主主義とは」という言葉の定義が必要です。
ところが、国民は、国体を変えるという意識を、全く、持っていません。
「へら、へら」と笑っているだけです。
たとえ、貧乏くじを引かされたとしても、どんな仕打ちを受けても、我慢することが優先します。根っからの「下々」根性が、そうさせるのです。
私は、国民の皆さんに意識を変えてくださいとお願いしています。
「お上に逆らうなんて、お前、馬鹿か」と言われると思いますが、それでもお願いします。
もちろん、私も、本音では、国民の皆さんの「下々」意識が変わるとは思っていません。
ですから、この国は崩壊すると信じています。いや、現に、崩壊し始めています。
それでも、何とか、一矢報いたいとは思いませんか。
無駄な抵抗かもしれませんが、皆さんに立ち上がって欲しいと思っています。
それは、子供達のために、未来の国民のために、私達は自分の責務を果たすべきだと思うからです。

今回のような方針変更は、「なあ、なあ」「まあ、まあ」というシステムでは、よく起きることです。国民が「いい人」の国では、政府は何をやっても許されます。
「なあ、なあ」「まあ、まあ」では、非常時の対応ができないことを、コロナが証明してしまったのです。ただ、そのことに、未だに、誰も、気付いていません。ただ、国民の皆さんには、何か得体のしれない不安があります。皆さんは、間違っていません。
多くの方が認めているコロナ対応のゴタゴタ感は、国家統治システムの不備によるものなのですが、そのことを指摘する方は、まだ、いません。何とか、枝葉の手直しで乗り切ろうとする空気しかないように見えます。でも、無理だと思います。これだけの犠牲を払ったのに、私達はまだ気付けないのです。
菅さんを擁護するつもりはありませんが、菅さん個人が悪いのではありません。国のシステムが間違っているのです。このシステムであれば、誰がやっても同じことです。そのことに、いい加減、気付くべきだと思います。

話題は変わりますが、恐ろしい記事を読みました。
コロナ後遺症の記事です。世界では、Long COVIDと呼ばれています。
まだ、医学的な検証はされていませんし、本格的な統計調査もできていないようですが、このコロナ後遺症が、もしも、最悪の想定に近づいた時には、気候変動問題を凌駕するような、世界的に大きな課題になる可能性があると思います。
世界のコロナ感染者は2億人を超えています。
コロナに罹患した人は、無症状の人、軽症の人、中等症の人、重症の人、死んだ人に分類されますが、死んだ人を除き、罹患した人は誰でも後遺症に苦しむ可能性があると言われています。データはありませんが、仮に、1割の人が後遺症で苦しむとすると、2000万人がコロナ後遺症という新たな病気に罹患することと同じ意味になります。
もっと厄介なのは、まだ、何も確定的なことは明らかではありませんが、今のところ、治療法がないことです。それは、コロナウィルスにより、細胞が破壊されるからです。人間の細胞には、一度破壊されると、生まれ変わらない細胞があります。もしも、治療法がないのであれば、コロナ後遺症は難病(不治の病)に指定される病気です。
京大の山中教授の再生医療が一般化するのを待つしかありません。
これは、この1年半で、2000万人が難病に罹患したということです。
何日、何年、後遺症の症状が出なければ安心だというデータもありません。
症状は出なくても、ウイルスは人間の体内で生き続けると言われています。それは、スピードは別にして、細胞が死滅していくということです。それ以前に、ワクチンに感染予防の効果は期待できないということは、実証され始めています。コロナとの闘いで負け続けている私達ですが、コロナとコロナ後遺症という2つの病気と闘う必要があるのです。
コロナは、一時的に症状は治まるのかもしれませんが、コロナ後遺症は、不治の病なのです。
もしかすると、必要なのはワクチンではないのかもしれません。コロナウイルスが人間の体内に入り込む前にウイルスを死滅させる何かが必要なのかもしれません。そんなことが可能なのかどうかはわかりませんが、コロナ対応を根底から変更する必要があります。
コロナから解放される日がいつなのかは、まだ、誰にもわかっていません。いや、解放される日は、永遠に来ないのかもしれません。
と言うことは、コロナ後遺症に罹患する人が感染者の何割になるのかも、今は見えていないのです。仮に1割としても、感染者が10億人になれば、後遺症患者は1億人です。
ウイルスは今後も変異を繰り返し生き残ります。それは、コロナウイルスと人間が共存するということです。だとすると、感染者がゼロになることはなく、コロナ後遺症という難病患者も増え続けるということです。
もしかすると、コロナウイルスは人類を絶滅させるウイルスなのかもしれません。既に、人類の生存を賭けた最終戦争が始まっているのかもしれません。


2021-09-01



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog