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動乱の時代 [評論]



1989年、中国で民主化を求める抗議運動が起きました。
天安門事件として、世界的に認知されている事件です。
あれから33年、今、中国では、再び、抗議活動が起きています。
ゼロコロナ政策に対する抗議活動です。
今回は、民主化運動になる前に弾圧されることになると思いますが、陰ながらエールを送りたいと思います。
中国人民は、白紙を掲げて抗議しています。
それは、中国では、「岸田政権を打倒せよ」とか「安倍晋三を殺せ」というプラカードを掲げることが出来ないからです。
都市封鎖、行動制限、検査の義務化により、物理的に自由が制限されていることで、中国人民も自由の意味を再確認したようです。
大学でも、単発的に抗議集会は開かれていますが、まだ、本格的な学生運動にはなっていません。大学生が活躍した天安門事件の教訓がありますので、政府も大学も、学生の行動には注意を払っているようです。
プラカードは証拠品になりますから持てませんが、デモ参加者の一部には、「習近平は退陣しろ」とか「自由を」とか「共産党はいらない」という声をあげる者もいて、ゼロコロナ政策に抗議するだけではなく、反政府運動の一面も見せています。
警察の取り締まりも強くなりました。逮捕者も出ています。それでも、消されても、消されても、ネット上にはデモの話題が出て来ます。
この抗議活動の発端は、ウルムチでの火災事故だそうです。
ウルムチ市は北京や上海から遠く離れた新疆ウイグル自治区の都市です。夏以降、100日を越える都市封鎖が行われていて、外部から施錠されたマンションで火災が発生して、逃げ遅れて、10人の犠牲者が出たのです。もちろん、10人という数字は政府の言い分であり、現地では40人とも50人とも言われています。高層マンションでの火災だったようですから、そこに住んでいたのはウイグル人ではなく、中国人だったのでしょう。
上海のウルムチ火災の追悼集会が、ゼロコロナ反対集会へと変わりました。
習近平政権にとっては、ウイグル人は「虫けら」に過ぎないのかもしれませんが、犠牲者が漢人だとすると、上海の中国人にとっても他人事ではありません。ウルムチで起きた事件であれば、上海で起きても不思議ではないと思っているのでしょう。
中国全土で20,000ヶ所、北京でも、ビルやマンションが、5,000ヶ所以上、外部から鎖で封鎖されています。出入りが出来ません。
先月、北京の歩道橋に抗議の垂れ幕を掲げて逮捕された人の話を書きましたが、今度は、一人ではなく、上海だけでも数百人の規模になっています。上海だけではなく、北京でも武漢でも、その他の都市でも抗議活動は起きていますので、1カ月で数万人規模の抗議活動へと変化したようです。
中国共産党は、危険を察知して、取り締まりを強化したようです。海外のニュースでは、人民軍の動員もあり得ると報じています。
ゼロコロナ政策で行動制限をされている人民が何人いるのかは知りませんが、数百万人、或いは、数千万人かもしれません。そのほぼ100%の人達が不満を持っています。数百万人が、数千万人が、抗議活動に参加されたのでは体制維持が難しくなりますので、取り締まりの強化は不可欠だったのでしょう。
ただ、そう簡単にゼロコロナ政策はやめるわけにはいきません。
中国の人口は14億人です。
人口1億人の日本でも、20万人から30万人の感染者が出たことを考えると、毎日400万人の感染者が出ても不思議ではありません。シンガポールの報道では、1000万人の感染者が出るという予測もあると報じています。
そんなことになれば、平時でも脆弱だと言われている医療体制がもちません。オミクロン株が弱毒化したとは言え、重症者は出ますし、死者もるのです。医療提供が出来ない場合は、致死率が上がる可能性が高くなります。
仮に、毎日400万人の感染者が出て、医療崩壊が起きて、致死率が1%になったとすると、毎日、4万人が死にます。5%になれば、毎日、20万人が死ぬのです。もちろん、政府発表の死者数は違うのでしょうが、噂は大きく膨れ上がるものです。「毎日、100万人死んでいるらしい」という噂が出るかもしれません。人民が、パニックになっても不思議ではありません。パニックが暴動になることなんて、普通に起きることです。
それは、国家的な危機です。ですから、ゼロコロナはやめられません。
習王朝が始まったばかりなのに、皇帝は窮地に立たされています。
コロナだけなら、乗り越えられるかもしれませんが、もしも、不幸が不幸を呼ぶような事態が生まれれば、それは厄介なことになります。
不動産バブルは、今のところ、大崩壊を迎えていませんが、これも、大きな地雷原です。
経済成長の鈍化で、倒産や失業が増えているのも、地雷です。
プーチンも地雷の一つかもしれません。
対外的にも、いくつもの地雷を抱えています。
「あれ」も「これ」も「ブルータス、お前もか」は起きうるのです。
習皇帝の手腕が問われることになりました。いや、手腕の問題ではなく、運の問題だと思います。習近平が、どれほどの幸運の持ち主なのかで決まることだと思います。これは、誰にもわかりません。習近平本人にも分からないことだと思います。
さて、習近平が窮地に立つということは、権力闘争が激しくなるということであり、その争いが表面化するということです、
人民暴動が最悪の展開ですから、習近平は、先ず、人民を抑えなければなりません。
ゼロコロナがやめられないのであれば、人民の関心を別のものに向ける必要があります。
丁度、台湾の地方選挙で与党が敗北したところです。
いや、選挙介入をし、中国政府の戦略が功を奏したところです。
台湾侵攻のチャンスでもあります。
米中戦争を始めれば、「コロナで騒いている時ではない、アメリカに占領されてもいいのか」と言えます。
米中開戦が、習皇帝の幸運になるのか不運になるのかはわかりませんが、国内の事態打開にはなります。
どんな展開になるのか、誰にもわかりません。
もしも、最悪の展開になった場合。
全く、準備のできていない日本は、どうするのでしょう。
いや、アメリカだって、準備は出来ていないと思います。
習皇帝が幸運の持ち主であれば、「雨降って地固まる」のかもしれません。
そうこうしている内に、コロナも下火になります。
しかし、米中戦争は泥沼へと向かいます。
さあ、中国で商売をしている海外企業は、どうするのでしょう。
本格的な世界動乱の時代を迎えることだってあり得ます。
これは、神様だって、知らないのではないでしょうか。
北京にとっても、世界にとっても、辺境の地である新疆ウイグル自治区のウルムチという町で起きた一軒の火災が世界動乱の引き金になる可能性があるのです。
ほんとに、人間とは厄介な生き物です。その根っ子にあるのは、「欲」です。もちろん、「欲」は中国だけにあるのではありません。確率は低いかもしれませんが、不幸の神様が、地球全土を覆う可能性だってあると思います。

デモの話題ではありませんが、中国という国を知る記事がありましたので、転記しておきます。スパイ容疑で有罪判決を受けた日本人の証言です。チベットやウイグルや香港とは違い、まだ、日本には気を使っていると思える内容です。彼等は、紳士的に対応したつもりなのかもしれません。
{ 中国で「スパイ活動」を行ったとして実刑判決を受け、10月に解放され帰国した日中青年交流協会の元理事長、鈴木英司氏(65)が拘束から解放までの状況を語った。
鈴木氏は2016年まで200回以上訪中し、日中交流を推進したが、同年7月、帰国直前に北京の空港で拘束。逮捕前に隔離部屋で尋問される「居住監視」が約7カ月間続き、17年に起訴され、19年に懲役6年の実刑判決を受けた。
空港では男6人に車に押し込まれ、アイマスクをつけられ暗い隔離施設に連行された。「弁護士にも会えず本すら読めない。7カ月間で太陽を見たのは15分だけだった」と厳しい居住監視の実態を語った。
起訴理由には、日本の情報機関の代理人として活動し、朝鮮問題を中国外務省に聞いたとする〝違法行為〟が挙げられた。裁判では当局が10年から鈴木氏を監視し、「友好人士のお面をかぶったスパイ」とみていたことも分かった。無実を訴えたが審理は非公開、開廷されたのも一度だけ。孤立無援だったという。}
さて。
この中国の対応は、日本が、独立国であることによるものと思います。もしも、中国領日本自治区になれば、こんな対応はしません。精神的な、肉体的な、暴力に晒されます。特に、女性の皆さんには、隠れるか、逃げるかの方法を見つけてもらう必要があります。チベットでもウイグルでも、レイプは日常的に行われています。実情は明らかになっていませんが、多分、手あたり次第、なのだと思います。特に、若くて、美しい女性は、間違いなく犠牲になると思います。ですから、女性の皆さんこそ、日本の独立を守る必要があるのです。

選択肢がある訳ではありませんが、私は、国民を鎖で封鎖する中国のような国に住みたいとは思いません。女を守れない、子供だって守れない、いや、自分さえも守れない国になりたいとは思いませんが、国民の皆さんは、どう、思っているのでしょう。
物理的に鎖で人民を閉じ込めるのです。確かに、足首ではないとしても、これでは、奴隷時代のようです。
でも、従順な日本の皆さんは、この国が中国領日本自治区になれば、「大人の対応」で、粛々と従うのでしょう。私には、無理です。


2022-12-06



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