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世界は新しいフェーズに入りました [評論]



今回のウクライナ戦争で、新しい国際常識が生まれました。
それは、「核兵器には、誰も、逆らえない」という常識です。
この新常識を作ったのは、1952年生まれのプーチンと1942年生まれのバイデンです。若者の暴走を諭す年齢の2人が、暴走してしまったのです。国際的な老害です。
世界秩序は、新しいフェーズに入ったということです。
次の台湾戦争では、更に、新しい常識が生まれると思います。
核の傘の「傘」は絵に描いた餅にすぎない、という常識です。
台湾の世論調査によると、ウクライナ戦争前、台湾有事にアメリカが参戦してくれると思っていた人は65%でしたが、今は、35%だそうです。日本の自衛隊が参戦してくれると思っている台湾人は43%ですから、驚きです。アメリカが参戦せずに日本が参戦することはありませんが、台湾の人は、日本へ期待しています。
中国が、アメリカに「手を出すな。手を出したら核攻撃をするぞ」と言えば、アメリカは台湾に「武器を送るから、あと、頑張って」と言うでしょう。アメリカ経済は中国に依存していますので、ロシアに課したような経済制裁は、中国には出せません。
アメリカ大統領は「台湾で、アジアで、第三次世界大戦を起こすわけにはいかない」「欧州やアジアの戦争に関与して、アメリカに核ミサイルを撃たせるわけにはいかない。私にはアメリカ国民を守る責務がある」と言えばいいのです。アメリカ大統領の言い分は、正しいと思います。バイデンには、台湾の国民や日本の国民を守る責務はありません。
この新しい常識の下で、日米同盟が、何かの役に立つのでしょうか。
今回のウクライナ戦争は、世界秩序のガラガラポンの始まりです。正解のない世界が始まるのです。

今日は、このブログに相応しい絶望的なシナリオを書いてみたいと思います。
ご承知の通り、私は悲観論者ですから、話半分だと思って読んでください。
荒唐無稽なシナリオですが、西側諸国の政府、専門家の皆さんは、口には出しませんが、想定の中には入っているものと思います。
それは、最終戦争と言われていた戦争が現実になるというシナリオです。
最終戦争とは核戦争です。
お花畑と言われる日本でも、核兵器の話題が賑わいを見せています。
「世界で唯一の被爆国である日本は、核戦争には反対します」という意見があります。プーチンに「だから、なに」と言われたら答えようがありません。「核シェアリングが必要だ」という意見もあります。「非核三原則を無視するのか」と声高に主張する方もいます。いつの時代の話をしているのでしょう。「非核三原則」を持っている国には核ミサイルは飛んで来ないと言う原則でもあるのでしょうか。
正解はありません。あるのは、潮流という現実です。
核の恫喝こそが世界最強であるという潮流です。
いつものように、日本は潮流に流されることになります。
今となっては、北朝鮮の非核化なんて、笑い話でしかありません。
追い詰められたロシアが、核兵器を使用したら、何が起きるのでしょう。

今の時点では、ウクライナ戦争は終わっていませんが、ロシア軍は苦戦しています。
もしも、このまま、膠着状態が続くとすると、ロシアもウクライナも限界を迎えます。
限界の先にあるものは、当然のことですが、膠着状態を打破するための新戦術です。それが核攻撃です。それ以外に、事態を変える方法はないと思います。
もしも、ロシアが核兵器を使ったとして、NATOとアメリカは、「見て見ぬふり」ができるのでしょうか。
その公算は、決して低くないと思いますが、ウクライナを見捨てることはできても、核の恫喝には、核使用には、毅然と対応しなければ、国際秩序が破壊され、失うものが大きすぎますが、どうするのでしょう。
私達は、世界の未来を左右する分岐点に立っています。
NATOは、ロシアが使用した同程度の核兵器を、使うのでしょうか。
「見て見ぬふり」はできないとしても、核兵器を使うというハードルは、かなり高いハードルだと思います。アメリカのバイデン大統領は「第三次世界大戦(=核戦争)を始めることはできない」と言っています。一部で、ロシアが核兵器を使用したら、NATOが、アメリカが、ウクライナ戦争に参戦すると言われていますが、ほんとに、そうなのでしょうか。
アメリカ政府も、NATO主要国の首脳も、決めかねているのではないでしょうか。
ウクライナを見殺しにする公算は、決して低くないと思います。

先ず、NATOが何もしなかった場合を想定してみます。
仮に、キエフの大統領府に核ミサイルが着弾したら、キエフは全滅するでしょう。
ゼレンスキー大統領の肉体は蒸発し、肉片すら見つからないと思います。
地下に避難していた市民は、爆発や熱風は逃れることが出来るかもしれませんが、地下から出ることが出来ません。核兵器の場合は、一次被害は免れても、二次被害、三次被害があります。放射性物質の威力は、広島で証明されています。
地上に出れば放射性物質に晒され死にますし、地下に閉じこもれば、食糧と水が枯渇して餓死します。しかも、ウクライナ市民が避難しているのは地下シェルターではなく、単なる地下室や地下鉄の構内ですから、放射性物質の侵入は防げません。
キエフに、阿鼻叫喚、死屍累々という世界がやって来るのです。広島の再現です。
リーダーを失い、キエフ市民を失ったウクライナに、組織的な反撃が出来るとは思えません。キエフ核攻撃で、この戦争は終わります。ゲリラ戦は続くかもしれませんが、ロシアが作った新政権が国家統治をすることになり、内戦状態になるしかありません。それよりも、被爆地で、どうやって生きていくのでしょう。
では、ウクライナ戦争が終結したことで、世界は平穏になるのでしょうか。
いいえ、そうはいきません。
ロシアは、「経済制裁を解除しろ」と要求します。「経済制裁で生じたロシアの損害を賠償しろ」と要求します。
「要求を受け入れなければ、NATO各国を核攻撃する」と言うかもしれません。
仮に、経済制裁を解除し、賠償金を支払ったとしましょう。
ロシアは、それで満足するのでしょうか。
いいえ、満足しません。
次から次へと要求をエスカレートしていきます。
世界がロシアの植民地になり、プーチン帝国が完成するまで、要求は続きます。
ま、100年ほど辛抱すれば、プーチン帝国も衰えるでしょうから、時代は変わると思いますが、当面は、辛抱しなければなりません。
西側諸国の皆さんは、こんな世界を容認するのでしょうか。

では、次に、NATOが核による報復攻撃をしたとします。
モスクワに、キエフに投下されたものと同程度の核兵器を命中させたとします。
「お互い様だから」と言って、笑って済むことではないと思います。
瞬時に、ロンドン、パリ、ベルリンに核攻撃が行われるかもしれません。
全面戦争の始まりです。
これは、もう、押しも押されぬ、第三次世界大戦の開戦です。
ここでは、世界最大の変数である中国が、どう動くのかは、除外しておきます。
厄介なのが、ロシアには、核攻撃自動システムというものがあることです。
それが、「ペリメトル」と呼ばれている自動制御システムです。これは、人間が核の発射ボタンを押すのではなく、システムが自動で核兵器を次々と発射するのです。仮に、プーチンが死んでも、ロシアの核弾頭は世界へ飛び出していくのです。その数は数百発と言われていますが、正確な数はわかりません。東京にも1発くらいは来るのかもしれません。
ロシアの核兵器だけではなく、世界は、自国を守るために核兵器を使います。
世界で、数百発、数千発の核兵器が飛び交うのですから、核爆発による犠牲者の数は、数百万人なのか、数千万人なのか、数億人なのかわかりません。
核爆発による被害よりも、圧倒的に大きな被害は放射性物質による被害です。
風が放射性物質を運びますから、地球の北半球は、放射性物質で汚染されます。
ロシアの自動制御システムの信頼性が、どのくらいあるのかは、素人の私にはわかりません。
冷戦時代は、核戦争の恐ろしさが世界の共通認識になり、核兵器は、敵国だけではなく、自国も被害に遭うのだから使えない武器と言われるようになりましたが、自分の国が滅んでも、核兵器を使うという指導者が出てきました。それが、プーチンです。「ロシアなき地球など、ロシアにとっては何の価値もない」と言っています。NATOは東方拡大し、ロシアを滅ぼそうとしている。だから、「NATOに滅ぼされる前に、俺が核兵器を使って、何が悪い」と思っているのではないでしょうか。
こうなってしまうと、どんな言葉も、どんな願いも、どんな経済制裁も、意味を持ちません。

ウラジミール・プーチンという一人の男が、世界滅亡の引き金を引いたのです。
私達は、その歴史的瞬間を生きています。
世界が、ロシア帝国を認めれば、人類がプーチン大王の下僕になれば、とりあえず、世界滅亡は回避できます。もちろん、奴隷として生きるのは大変だと思います。でも、人間には環境適応能力がありますので、奴隷の生活にも慣れます。
私には、どちらがいいのか、わかりません。
皆さんは、どうしたいですか。
アメリカのどこかの部署で、プーチン暗殺計画が真剣に検討されていると思います。
プーチンを排除できれば、第3の選択肢が浮上するかもしれません。
いや、西側の国にとっては、この選択肢しかないように思います。
ただ、歴史を見てみても、敵の大将の暗殺に成功した例はありません。
もしも、幸運にも、プーチン暗殺に成功したとしても、「ペリメトル」がある限り、それで世界が平和になるわけではありません。たとえ、「ペリメトル」が役立たずのシステムだったとしても、習近平がいます。
習近平も皇帝になることを望んでいます。
今、習近平は、全力で核弾頭を増産しています。
ロシアの核攻撃自動システムよりも優秀なシステムを完成させるかもしれません。
仮に、プーチンと習近平を排除できたとしても、更に恐ろしい権力者が出現するかもしれません。いや、必ず、出現します。
世界の公正と信義など、何の役にも立たないということです。仮に、9,999,999,999人が公正と信義を重んじたとしても、1人が公正と信義を無視すれば、全てが崩れるのです。
いや、公正と信義を無視する人間はプーチンだけではありません。私達の国にも「死刑になりたいから、無差別殺人をした」と言う犯罪者がいます。もしも、この犯罪者が権力を持っていれば、プーチンになれるのです。

禄でもないシナリオを2つ書きました。
第3の選択肢は、役に立たないと思います。
皆さんは、どちらを選びますか。
プーチン帝国の植民地になるか、汚染された地球で生きていくかの二択です。
ただ、日本の場合は、少し環境が違います。
この時期の世界大戦は、大きな負担になります。
それは、時期的に、日本単独の国家崩壊の時期と重なるからです。
国際秩序も、国際経済も、国際金融も、大きく変わります。それは、日本崩壊の背中を押すことになります。
国は潰れ、世界大戦が始まり、核ミサイルが飛んでくるのです。
さあ、皆さんは、どうしますか。
どうすることも出来ませんよね。

確かに、極論にすぎません。
でも、可能性がゼロではありません。
だからと言って、今更、どうすることも出来ません。
「これは、宿命だ」と諦めてもらうことが現実的な対応なのかもしれません。
やはり、「わび、さび、諦念」の世界が、私達の住処なのかもしれません。
不確定要素が多すぎて、多分、誰にも、未来予測は出来ないのだと思います。
しかし、楽観的な未来予測の幅は狭まっているように見えます。
今は、まだ、プーチンの脅しは口先だけですが、これが、このまま10年続くわけではありません。ごく近い将来、プーチンは結論を迫られます。それは、明日かもしれませんし、1年後かもしれません。恫喝だけでも、世界は変わりましたが、プーチンがボタンを押した時から、世界秩序は物理的に変わります。
私達には、対応する手段がありません。考えても、議論しても、答はありません。


2022-04-03



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