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復元力 [評論]



公表されている世界のコロナ死亡者数は、約700万人、過去2000年の人類史上7番目の数になりました。3年前にコロナが発生した時の私の予測は、ベスト10入りでしたが、ベスト7にまで順位を上げてしまいました。予測が甘かったと反省しています。
ただ、発生メカニズムについては、まだ、確定していません。
それは、中国が協力しない、いや、協力できない事情を抱えているからだと思います。
中国とアフリカは細菌の宝庫です。細菌はコロナウイルスだけではありません。疫病対策には事実解明が欠かせませんが、それが出来ないとなると、今後も、別の疫病に脆弱なまま対峙しなければなりません。
コロナウイルスは、感染力は強いが、毒性の点では、それほど強毒なウイルスではなかったと言われています。それでも、700万人も死亡しているのです。次にやってくる疫病が弱毒性とは限りません。死亡者が、7000万人や7億人の可能性だってあります。そういう意味では、人類の未来は決して明るいものではありません。
ここは、人類が力を合わせて対処する場面だと思います。
中国共産党には、もう少し、人類全体のことを考えて欲しいと思います。
もちろん。無理なお願いですが。
疫病の視点だけではなく、世界の国々は、中国が厄介な国だと思っています。ロシアやイランや北朝鮮だって、そう思っているでしょう。しかし、カネを積まれたら、誰でも「よいしょ」します。人間は「欲」のためなら何でもします。フランスのマクロンを見れば、よくわかります。私でも、カネを積まれたら、こんな文章は書きません。
でも、人間から「欲」はなくなりません。
CO2が原因だと言われている地球温暖化も、ブレーキがかかりません。
最近は、自然災害が、世界的な傾向として増えているように感じます。
人類が「心を入れ替えて」なんて行動を取るとは思えません。
ですから、時期は未定ですが、人類絶滅は必然だと思います。
せめて、生存している間は、先延ばしの努力をしたいものです。
その鍵を握るのが中国だと思います。
しかし、中国共産党は、地球や人類のことではなく、14億人の人民を統制することを最優先事項と考えているようです。
今でも自由とは程遠い中国の言論ですが、今後は、更に大幅に制限されることになります。
「反スパイ法」は、外国人の取り締まり以上に、中国人民の言論や行動を大きく制限することになると思います。
ただ、中国人民は、日本人と違ってヤワではありません。表面的には従順そうに見えますが、そんなことはありません。実に厄介な人達なのです。
私達は、日本国民が世界標準だと考えていますが、それは間違っています。日本国民は、統治者にとって御し易い「いい人」ばかりで、模範生であり、世界の異端だと思います。
この先、中国人民の不満が、どこまで膨らむかが中国の将来を大きく左右します。
人民の不満は、最終的に、内乱まで行くと思います。それが、中国です。
習近平は、その事を知っているから、弾圧のステージを上げているのです。
習近平にとって、怖いのは、アメリカではありません。14億人の中国人民です。
不条理の質と量を、中国と日本で比べて見ると、天と地ほどの差があります。日本では、マイナカードで揉めていますが、中国人から見れば、揉める理由がわからないと思います。
中国人民を苛立たせる不条理の質と量が、最近、更に、増えています。
高度経済成長で覆い隠されていた不条理が、人民の前に立ち塞がり始めました。
中国共産党とすれば、今の経済減速を何とかしなければなりません。
ただ、それは、そんなに簡単なことではありません。
それは、これまで中国経済を牽引してきた不動産投資とインフラ投資という手法が限界にきているからです。先進国並みの経済政策が必要になりますが、即効性という観点から、これは、大変難しいことです。
経済規模が大きくなっていますので、全面崩壊にはならないと思いますが、今の状態が続けば、人民の不満は膨らみます。それを弾圧という手段で乗り切ろうとしている中国共産党の手法が、上手く行くかどうかは未知数です。
ただ、人民の不満が大きくなって人民統制に支障が生じた場合、対外的な紛争を惹き起こす誘惑は強くなると思います。南シナ海や東シナ海の係争地や台湾での武力行使が現実のものになる可能性は否定できません。
中国は、実に、厄介です。

それに比べて、日本国民は、ほんとに、従順です。
ほんとに、日本は平和です。
内乱の危険なんて想像もできません。
中国では、内乱が数々の帝国を滅亡させてきました。
日本には、そういう歴史はありません。
これは、中国人民の持っている復元力だと思っています。
復元力は、自然の力であり、人類にとっては伝家の宝刀なのかもしれません。
船は、簡単には転覆しません。それは、重心と浮力という力が働き、復元力になっているからです。もしも、地球に重力がなければ、いや、弱い重力しかなければ、人間の力では海は征服できなかったと思います。地球がそんな惑星であったら、今の文明は存在しなかったのではないかと思います。
人類にとって、復元力は不可欠の物なのだと思います。
その点では、日本は復元力の弱い国のように見えます。
それは、皆さんが「いい人」で、従順で、忍耐強いからだと思います。
確かに、「欲」に忠実な中国人民は、私達にとって異質の存在なのかもしれませんが、中国人から見れば、私達が異質に見えているのではないでしょうか。いや、地球全体から見た場合、多分、異質なのは中国ではなく、日本なのだと思います。
日本ほど、性善説が当たり前のように存在している国は、珍しいのかもしれません。
性善説を信奉している人も、性善説を主張する人も、大勢います。
でも、世界は性善説とは真逆の論理で動いています。
これが、世界の現実です。
常識は時代で変わります。しかし、日本人は、あまり変わりません。昔から、ずっと、「いい人」です。その根底にあるのが、性善説なのかもしれません。
今の日本に住んでいる私達には、自由の束縛という感覚はありません。もちろん、日本でも、江戸時代だけではなく、20世紀の敗戦までは、自由は束縛されていました。「お上」の批判をすると牢屋にぶち込まれたものです。
今でも、人間の自由を束縛している国は、数多く存在しています。
その代表的な国が、中国、ロシア、イラン、北朝鮮です。これらの国では、性善説が通用しません。正しいのは、独裁者だけです。
では、自由が保障されている国では性善説が有効なのかというと、それは違います。
なぜなら、私達が人間だからです。人間にとって、「欲」は最強の本能です。「欲」の前では性善説なんて何の役にも立ちません。
人間は、どれほど清廉潔白な人だと言われていても、必ず、悪しき面を持っています。ましてや、俗人である私などは、良き面よりも悪しき面のほうが多いかもしれません。ですから、そもそも、性善説は成り立たないのです。自分で自分のことを観察すれば、性善説なんて成り立たないことは一目瞭然だと思うのですが、なぜか、日本人は、性善説を欲しがります。それは、「こうでありたい」という願いがあるのだと思います。もちろん。「ないものねだり」に過ぎませんが、性善説という理想論は精神安定剤の役割を持っていますので、自分を誤魔化すのには役に立つのです。
そんなことは、多くの方が「何となく」理解しています。ですから、性善説一択という人は多くありません。それでも、中には、性善説一択という人もいます。理想論ですから、声高に叫んでも反対する人はいません。そこで、つい、自分が正しいと勘違いしてしまう人がいるのです。こういう人は、どんな社会にも一定数存在しますので、そのことを四の五の言っても仕方ありません。
問題は、「ぶりっ子」です。
人は、いや、特に、日本人は、「いい人、ぶりっ子」をしたがります。日本人は、歴史と伝統の中で培われた「いい人、ぶりっ子」をすることが習性になっていますので、ほぼ全員が、無意識で「いい人」を演じます。変人と言われる私でも「いい人」を演じています。
「いい人」を演じることが悪いとは思いません。そのことで、社会の軋轢が緩和されているという利点もあります。
ただ、国が、自分の生活が、破滅に向かっている時は別です。
地獄が見えていると、人間には、それに反発する復元力が働くのですが、「いい人、ぶりっ子」をやっていると、その復元力が働きません。
本音では「ヤバイ」と思っていても、つい、「いい人、ぶりっ子」を演じていれば、事態は悪化するものです。
今、この国が、じわじわと、ずるずると、劣化しているのは、国民の皆さんが「いい人、ぶりっ子」を演じていることが大きな要因になっています。もっとも、誰も、そんなことは言いません。だって、皆さん「いい人、ぶりっ子」ですから、そんなことを言えば村八分になることを知っています。村八分は、21世紀の今でも怖いです。
誰もが「このままではヤバイ」と思いながら、何も言えない。だから、じわじわ、ずるずるという状態が続いているのです。
もしも、目的と責務がオーソライズされていれば、根拠さえあれば、多くの方が「ヤバイ」という声を出すことができます。そうすれば、復元力は正常に働きます。
人民が弾圧されている国では、生命の危険を承知の上で、真実を表に出す勇気が持てるという現実を見ると、国民生活という視点に立つと、どちらに優位性があるのか、よくわからなくなりますが、自由が保障されていて、復元力が保持できることが最善の道なのかもしれません。
やはり、私達に必要なのは、目的と責務の明確化なのだと思います。


2023-08-05



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