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今の日本の立ち位置 [評論]



SDGsという言葉があります。
言葉は知っていましたが、詳しい中身を知りませんでした。
中身を見て、吃驚しました。理想のたたき売りです。
実際の人間は、正しいことをするために生きてきたわけではありませんし、この先も、正しいことをするために生きるわけでもありません。それは、ロシアや中国やアメリカの行動を見れば、歴然としています。
普遍的な価値らしきものは存在します。ただ、それは「らしきもの」にすぎません。絶対に正しい価値なんてものは存在しないのではないでしょうか。
しかし、人間は、「らしきもの」さえ守らない歴史を積み重ねてきています。ですから、特定の個人、団体、国の価値が守られることはありません。
と言うことは、SDGsという価値が守られることはないということです。
こんなことを言えば、「身も蓋もない」とお叱りを受けるのでしょうが、だからと言って、現実を無視するわけにもいきません。

SDGsには、17の目標があるそうです。
ここに書き出すと文字数が多くなりますので、項目だけ書いておきます。貧困、飢餓、健康、教育、平等、水、エネルギー、経済成長、気候変動、平和と公正、等々です。
理想を語ることは気持ちいいものです。
でも、「気持ちいい」だけでは済まないのが現実です。

国連が掲げた目標は、どれも「なるほど」と思うようなことばかりです。
例えば、1番目の目標が「貧困をなくそう」です。「世界から」です。
「なるほど」とは思いますが、「それ、無理でしょ」とも思います。
ウクライナ戦争で、戦争当事国は、両国共、莫大な戦費を使っています。充分な生産活動も行えていません。これは、国民が貧しくなっているということです。そんな現実が、私達の目の前で起きているのです。ロシアとウクライナでは、SDGsなんて、何の価値もないのです。国連がやったことは、小麦の輸出プランに参加しただけです。
人類にとっての理想は、人類が誕生して以来、それほど大きくは変わっていないと思います。1万年前には気候変動が注目を浴びていなかったかもしれませんが、気候に関する理想は、今と同じだと思います。いや、昔のほうが、気候変動による凶作や飢饉が生存を脅かす最大の要素でしたから、気候変動に対する恐怖は大きかったと思います。天変地異を歓迎していた時代なんて存在しません。
この17の目標は、世界中の人々を幸せにすることが、目標です
確かに、この目標が実現すれば、世界中が幸せになります。
しかし、人間は、何千年も社会を形成して生きてきたのに、その結果が現状です。
なぜなのでしょう。
それは、理想を達成する手段がないからです。
手段がないのは、この理想が、大国の、強者の、利益に反するからです。いや、大国の人間の「欲」に反するからです。国益重視、利益重視、が世界常識になっている限り、大国が自分の利益を手放すことはありません。人間ですから、当たり前です。
国連が一声かければ、世界は幸せになるのでしょうか。
世界の紛争を止めることも出来ない国連の声を誰が真剣に聞いてくれるのでしょう。
もちろん、そんなことは百も承知で言っているのだと思います。言うほうも、聞くほうも、17の目標がお題目だということを承知でやっているのです。
ですから、この目標が達成されることはありません。
そんな奇跡は、これまでも、これからも、起きません。
それほど、理想と現実の乖離は、手の付けようがないほど、大きいということだと思います。
人間が行動する際の最大の原動力が「欲」です。
SDGsの目標は、人間に「欲を捨てなさい」と言っているようなものです。
そんなこと、できるのでしょうか。
無理だと思います。

最近、SDGsを強く主張する人が、以前に比べて増えてきた印象があります。若者も、SDGsには理解があります。私には、現実から逃げる口実に使われているように見えます。
この先、どんな展開が待っているのかはわかりませんが、戦後の「平和主義」の再燃にならなければ、と思っています。「戦争反対、平和、平和」と叫んでいれば平和が手に入ると勘違いをしてしまう人達は、必ずいます。
SDGsというお題目を唱えても、何も得られません。

昔、国連に期待する人達が、国連至上主義みたいなことを盛んに言う時代がありました。
世界秩序を守るのは、それが出来るのは国連しかない、というものです。
日本は、軍事力は持てないが、国連軍に参加するのであれば、軍隊を持っても許されるという人達がいました。
もちろん、当時も、国連軍なんて存在していませんでしたし、今も存在しません。しかし、彼等は、本気で、理想を実現したいと思っていたのです。
もう、そんな理想を語る人は、今は、いません。
拒否権を持つ、第二次世界大戦の戦勝国にすぎない常任理事国のアメリカやロシアが、自ら戦争を始めてしまったために、国連の権威は地に堕ちました。
国連は、今回のウクライナ戦争で、世界から軍隊を招集して、侵略国であるロシアと対峙する行動を、何1つ起こせませんでした。
侵略戦争を始めたロシアを、常任理事国から除外することでさえできませんでした。
ウクライナ人の人権は守らなくても、いいのですか。
拷問や処刑を許していて、いいのですか。
SDGsは、理想は、どこへ、消えてしまったのでしょう。
いやいや、これが現実なのです。
お題目では、世界秩序を守れないということです。
昔から、自分の国は、自分で守るしかないのです。
この鉄則は、人類誕生の時から変わっていません。この先も、変わりません。

では、国が滅びるのは、他国の侵略によるものだけでしょうか。
そうではありません。
「自壊」があります。
他国の侵略でも「自壊」でも、犠牲になるのは国民です。
国民も、自分の身は自分で守るしかないのです。
善意の誰かが、国連が、「お上」が、守ってくれるなんてことは起きないのです。
どうか、そのことに気付いて欲しいと思います。
SDGsも、ウクライナ戦争が始まる前であれば、それなりに、マスターベーションとしての価値はあったのかもしれませんが、時間をかけて、SDGsという理想は消えていく運命にあると思います。
「自分の身は自分で守る」という鉄則は、人類絶滅の日まで有効な鉄則です。

さて、「自分の身は自分で守る」という視点から見た時、日本では、他国の侵略による崩壊と、自壊と、どちらが先に来るのでしょう。
「一瞬で死ぬ」か「じわじわと死ぬ」かという2択は望ましい選択肢ではありませんが、今の日本が直面しているのは、そういう選択だと思います。今、皆さんは、「じわじわと死ぬ」過程にあります。
私の個人的な意見ですが、自壊を防ぐことが侵略を防ぐことに繋がるように感じています。保証は出来ませんが、そう感じます。
自壊の現象が始まっていることを示す数値が、多く、出てきています。今後、更に、多くの数値が出てくると思います。
先ずは、この自壊を何とかしなければならないと思います。
多くの方か警鐘を鳴らしています。
しかし、政府も国民も動こうとしません。
つまり、自壊は避けられないということのようです。
国家運営を担っている人達は、自分の「利」が優先しますので、口先だけで、先延ばしをしています。
国民の皆さんは、「自分は手を汚したくない」「俺には関係ねぇ」と思っています。
確かに、それも、選択肢の1つです。
でも、結果は甘んじて受けることになるのですが、それでいいのでしょうか。
「別に、構わない」
「だって、どうしようもないもん」
多分、これが、今の日本の立ち位置なのだと思います。
でも、もしも、子供達を地獄へ連れていきたくないという人がいたら、ぜひ、立ち上がって欲しいと思います。
国民の皆さんには、この国の自壊を防ぐ力があります。
いや、国民にしか、その力は無いのだと思います。


2023-03-05



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