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戦わずに降伏しますか [評論]



今日は、日本の安全保障の話を書きます。
尚、この文章はウクライナで戦争が始まる前に書いた文章に手を加えたものです。
私の独断と偏見に基づく話ですから、いつものように、眉に唾をお願いします。

新体制になった立憲民主党が、本格的な論戦の場になる今の通常国会で、どんな働きをするのか期待をしていました。
結論を先に書くと、「やっぱり、駄目か」というものです。
立憲民主党の弱点は、安全保障・外交だと、世間では言われています。
私は、そうは思っていません。
立憲民主党は、寄って立つ理念を持っていないことが、弱点であり、それが安全保障・外交で、顕著に表れているだけだと思います。
立憲民主党は、「かくかくしかじかの理念」に基づき、この国を、「かくかくしかじかの国」にしたいというものを提示して欲しいと思います。
一方の自民党も、既得権益に執着するだけの、役立たず、です。
与党第一党と野党第一党が、これでは、国民は救われません。

岸田総理が「敵基地攻撃能力」という言葉を使い続けています。
私の中で、私が勝手に抱いている岸田さんのイメージ(ぺこぺこ、いじいじ、まあまあ)と「敵基地攻撃能力」という言葉が、合体しません。とても、不自然に見えるのです。多分、これは、私個人の問題なのでしょう。
公明党は、「敵基地攻撃能力」という言葉が気に入らないと言っています。マイルドな言葉にすれば、問題は解決するのでしょうか。相変わらず、「なあ、なあ」「まあ、まあ」で、何とかなると思っているようです。
共産党は「憲法9条が日本を守ってくれる」と言っています。
立憲民主党の泉さんが、国会で敵基地攻撃能力について質問し、「中途半端な敵基地攻撃能力を持って、総理は、何をしたいのですか」と言っています。
岸田さんの答は、「憲法、国際法、日米の防衛分担の中で、適切に考えていきたい」というものです。いつものことですが、議論が嚙み合っていません。それでも、時間は過ぎていきます。岸田総理は、数は数えていませんが、何度も同じ言葉を使っています。
国家運営を担う人達が、こんな茶番をしていて、国民生活は守れるのでしょうか。
岸田さんも、泉さんも、お二人とも、「れば、たら、もし」の質疑応答をして、責務を果たしていると思っているのでしょうか。お二人とも、「国家・国民を守る」と言いますが、「れば、たら、もし」で、どうやって守るのでしょう。お二人とも、足が地についていません。
しかも、お二人とも、日米安保を前提にして話していますが、日米安保が砂上の楼閣ではないという保障はどこにあるのでしょう。
岸田さんが言う日米の防衛分担って、何ですか。「鉾と盾」ですか。
何度も書いていますが、アメリカがアジアで何をするのかは、アメリカがアメリカの国益を基に決めるのであって、日本が決めることではありません。勝手に「鉾と盾」なんて決めていていいのですか。暗黙の了解や阿吽の呼吸は、機能するのですか。日本の文化とアメリカの文化は同じなのですか。
そもそも、日米安保は、どうして生まれたのですか。
アメリカの都合で生まれた条約です。
試しに、太平洋と大西洋が無いと仮定してください。
アメリカの隣国は、日本であり、イギリスであり、欧州大陸の国々です。
アメリカ本土の防衛のために、日本と欧州にアメリカ軍の基地を持つために生まれた条約が、日米同盟でありNATOです。
もしも、日本と欧州が敵対勢力に潰されたら、アメリカは自国の西海岸と東海岸で自国を守ればいいのです。
もちろん、アメリカ軍は、日本にも欧州にも駐留しています。それらの軍は守らなければなりません。でも、危ないと思えば、本国へ撤退すればいいだけです。
アメリカ軍兵士の血を流す価値があるかどうかは、アメリカの国益次第です。
「きっと、アメリカさまが、守ってくれる」なんて思っていて、いいのですか。

アフガニスタンの失態で、バイデン政権は世界に嘗められてしまいました。
あの撤退失敗で、世界は大きく変わりました。
ロシアも、イランも、中国も、北朝鮮も、強気になったのです。
ロシアは軍事侵攻までやってしまいました。
ウクライナ危機が始まった時、バイデンは、早々に、軍事対応というオプションを外すと公言し、プーチンを喜ばせてしまいました。プーチンは「押せ、押せ」です。その後、アメリカは、周辺国へ数千人の部隊を派兵しましたが、「私、やってます」という言い訳にしか見えません。「実は、私、弱腰なんです」と言っているようなものです。中国に対峙できないだけではなく、ロシアにもイランにも北朝鮮にも、胸を張りません。どうやって責任逃れをしようか、としているようにしか見えません。
プーチンの自信に満ちた態度が、バイデン政権の弱腰を象徴しています。
イランの核合意問題でも、イランは息を吹き返しました。イスラエルを攻撃できる国産ミサイルを完成させ、発表していますので、イスラエルの先制攻撃を誘発させる意図でもあるのでしょうか。イランも強気です。
北朝鮮も、ミサイル発射を、堂々とやっています。グゥワムを標的にした中距離ミサイルを発射しても、アメリカは国連で騒ぐだけです。安保理決議もできません。
中国はまだ動いていませんが、バイデンの足元を見ながら、脅しの度合いを強くしていくと思います。台湾の正面にある福建省の軍備増大は着々と行われていますが、プーチンに習って、一気に20万人規模の軍を移動させるかもしれません。海を挟んでいますので、1000隻の船舶を配置するかもしれません。福建省では、空軍基地も増強していますので、2000機の戦闘機を集結させるかもしれません。別に、台湾に侵攻する必要はありません。今、中国空軍は、台湾の防空識別圏の端っこを侵犯しているだけですが、台湾本土に大量の空軍機を送り込むかもしれません。500機の中国軍機が横一列になって領空侵犯をすれば、力の差は歴然としているのですから、台湾のスクランブルは役に立ちません。さて、アメリカは、どんな対応をするのでしょう。多分、口先介入しかしないのではないかと思います。
軍事力の圧力は強大です。台湾が膝を折ったとしても不思議ではないと思います。
アメリカの弱体化が見えるようになったのは、バイデンの資質だけではなないと思います。アメリカという国が弱体化しているからです。アメリカ国内が一枚岩ではなくなったことも大きく影響していると思います。
これは、時代が変わったということだと思います。
日本だけではなく、アメリカの同盟国は、自分の国の安全は自分で確保しなければなりません。ただ、アメリカから離反することはできません。中国やロシアに世界を支配されてしまうと、もっと、大幅に国益を損なうからです。
世界は、風雲急を告げているのです。
もう、第三次世界大戦は、いつ、始まってもいい状態を迎えていると思います。

アメリカは、昔のアメリカではありません。日本も、本気で自国の安全保障を確立する必要があります。
ただ、国内では、寝ぼけた議論しかありません。
立憲民主党の泉さんと岸田総理の議論(議論にもなっていませんが)を見れば、どちらも、本気でこの国の安全保障を考えているとは思えません。
ここで、架空の質疑応答を想像してみましょう。
岸田さんは、「では、泉さんは、どうやって、国土と国民を守るのですか。立憲民主党は提案型の政党なのですよね」と質問しなければなりません。
泉さんは、当事者意識はなく、外交交渉をするのは自民党であり外務省なのですから、「外交交渉で、戦争を防ぎます」と言うでしょう。
「では、外交交渉が成功しない場合は、どうしますか」
「そりゃあ、何としても、成功させるのです」
「どうやって」
「そりゃあ、成功させるのです」
「外交交渉は、あくまでも交渉です。それはご存知ですよね。では、交渉で、沖縄と沖縄の島々を譲ってくれるのなら、と言われたら、泉さんは、その条件を呑むのですか」
「そんなことは、できません」
「では、どうやって、成功させるのですか、交渉では妥協が必要なことくらいわかってますよね。泉さんは、どんな条件を提示するのですか」
「質問するのは、私です」
「いや、ご提案をお願いしているのです。中途半端な敵基地攻撃能力すらなければ、日本は敵のミサイル攻撃を受け続けるのです。沖縄が駄目なら、九州を差し出すのですか、それとも、金銭で解決するのですか。どうか、教えてください」
「そのために、日米安保があるでしょう」
「アメリカが、在日米軍を撤退させたら、どうするのですか。日米安保は永遠の条約ではなく、いつでも破棄できるのです」
「そんなことは、しないでしょう」
「どうして、ですか」
「何度も言いますが、質問者は私です」
「泉さんには、何の提案もない、ということで、よろしいですか」
「そんな話をしているのではありません」
「では、何の話、でしょう。国民を、どうやって、守るのかという話ですよね」
「私の質問に答えてください」
「憲法、国際法、日米の防衛分担の中で、適切に考えていくと言っています」
議論というのは、どちらかが一方的に質問をして、一方が答えるだけのものなのでしょうか。これで、議論と呼べるのですか。今は、事前に質問事項を知らせ、事前に回答を用意し、馴れ合いの茶番をやっているだけなのではありませんか。皆で「やってるふり」をしているだけに見えます。あの予算委員会の席に、出席者数分の7000万円の現金を置いてみてください。予算委員会は札束の山です。議員は、「なあ、なあ」「まあ、まあ」で「やってるふり」をしていればいいだけです。本気で、国民を守ってもらいたいものです。

立憲民主党には、まだ、共産党との選挙協力を熱望している議員もいます。
去年の衆議院選挙の総括も、玉虫色になってしまいました。もともと、民主党は、総括が下手ですが、形だけの総括をして、一件落着でいいのでしょうか。ま、昔の民主党は、総括すらしなかったのですから、進歩したのかもしれません。
泉代表の手腕が問われます。
とは言え、泉さんは、党の最高顧問の暴走老人を止めることもできませんし、幹事長は枝野さんの子分ですし、政調会長や国対委員長は空回りをしています。泉さんに、立憲の党内を纏められるとは思えません。
「なあ、なあ」「まあ、まあ」の自民党の独壇場では困ります。

さて、国民の皆さんは、立憲民主党の泉代表が、皆さんの生活を守ってくれると思いますか。「戦争反対、平和、平和」と言っていたら平和は守れると思いますか。
与党の皆さんも、野党の皆さんも、日本がウクライナ状態になった時、どうやって戦争を回避するのか、その方法を教えてください。
軍事力というものは、問答無用の凶器なのです。理屈も、願いも、言葉も、通用しません。それが、軍事力です。
第三次世界大戦の相手は、専制主義連合軍であり、中国、ロシア、イラン、北朝鮮です。中国もロシアも北朝鮮も、私達の隣国です。4カ国の中の3カ国が、私達の隣国なのです。世界で一番危険な場所にあるのが日本なのではありませんか。
皆さんの選択肢は2つあります。
戦って、自分を守る。
戦わずに、降伏する。
戦うこともしない、降伏もしない、という選択肢はありません。なぜなら、それを決めるのは私達ではなく、敵国だからです。
野党の皆さんが大切にしている憲法に「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われわれの安全と生存を保持しようと決意した。われわれは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う」と書いてあります。
中国、ロシア、イラン、北朝鮮は、平和を愛する諸国なのですか。
国際社会は、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めているのでしょうか。チベット、ウイグル、香港、台湾、ウクライナ、中東の国々では、平和が実現しているのでしょうか。
何という空疎、何という虚構なのでしょう。これを平和憲法と崇めている私達は、一体、何者なのですか。日本は、現実離れした桃源郷にあるのですか。
先程の選択肢のどちらを選ぶのかは、国民の皆さんです。勝手に政府に決めさせてはいけません。主権者は国民なのですから、政府に、そんな権限はありません。
なんてことは、建前です。皆さんは、「お上」に丸投げしていますから、日本に限っては、政府が決めてもいいのです。国民の皆さんは、何も決めなくていいのですから、楽でいいとは思いますが、文句は言えません。もっとも、忍従には慣れているでしょうから、私が心配することではないのかもしれません。
政府が、戦うと言えば、戦ってください。
政府が、降伏すると言えば、強制収容所に行ってください。
ウイグルでは、数百万人と言われていますが、日本の人口規模であれば、数千万人が強制収容所に連行されることになります。
ウクライナもイエメンも台湾も韓半島も他人事だと思っていませんか。
それは、勘違いです。明日は我が身なのです。
ご主人様が、アメリカ様が、守ってくれるなんて幻想は、捨てる必要があります。
こんな文章を書くと「お前は右翼か」と言われるでしょうが、私は、右翼でも左翼でもありません。現実を見ているだけです。


2022-03-02



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