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覆面作家企画7の一口感想 [文学系]


最初に、お願いです。
作者名を当てるイベントにも拘わらず、推理も出来ずに参加している私。異星人になった気分です。それも、他の惑星からやってきたのではなく、異星人でありながら土の中から這い出てきたもぐら怪獣です。せめて、感想を書いてすり抜けようとしているこの貧しい性根を、どうか、大目に見てやってくださるようにお願いします。
次に、謝罪です。
ファンタジー好きの皆さんが集まって開いたイベントなのに、「ファンタジー、よくわかりません」という人間が乱入していることを謝らねばなりません。「なんで、こんな奴がいるの ?」と思っているのでしょう。そうなんです。反省しております。次回は、よく考えます。
最後に、お断りです。
前回は1グループ4作品の感想を書きました。今回は、前回よりは多くの一口感想を書きましたが、全作品ではありません。皆さんは体験したことがないと思いますが、老齢になると持続力が失われます。突然、ポキンと折れるのです。年々、その間隔は短くなっていきます。その結果が飛び飛びの感想になってしまった原因です。ま、自信はありませんが、次回はもっと持続力が失われていると思いますが、次回参加できたら、全作品に挑戦したいと思っています。せめて、意気込みだけでも。
ファンタジーは、よくわかりませんので、感想がずれていると思います。
読者目線での感想ですから、文芸評論とは呼べません。
しかも、世間の非常識が私の常識ですから、参考にはなりません。
どうか、軽く読み飛ばしてください。

それと、私は鉄板ですから、Fの感想を公開してもいいようなものですが、ルールに従い、Fの感想は正解発表後にします。
あと、A~Eを1ページにしてしまいましたので、スクロールお願いします。


****** [ A ] ******

A01
どうなるの。
どうするの。
おい、おい、こんなに字数を使っていてもいいの。
しかし、最後の一文で救われました。
「結末は、まだずっと先」
ですよね。
この手があったか。
次回、参加するのであれば、これ使わせてもらおうかな。

A02
わけもわからず、読み進め、わからないまま、終わった。
それでも、二人が無事だったことは嬉しい。
でも、自分が、読むことを投げ出さなかったのは、なぜなのだろう。
きっと、わかる人が読めば、面白い小説なんだと思う。
わからない私でも、ワクワクしながら読んだのだから。

A04
含蓄という言葉があります。
こういう物語を指して言う言葉だと思います。
ウィルは、壺の中に残っていた「希望」が溺れてしまった、と言う。
船があったとしても、どこへ行くのだろう、と言う。
食べ物が汚染されていることを知っていても、食べるしかない、と言う。
今住んでいる島も、いつか沈むだろう、と言う。
それでも、大人になったら、テスと結婚したい、と思うウィル。
不条理。個人的には、大好きです。
もちろん、小説の中だけです。

A05
怖いけど、面白い。
何が怖いって、女ほど怖いものはない(覆面で言っちゃいけない言葉?)。
平然と男を刺し、平然として男の刃を受ける。
男に利用されることが当たり前だった時代に、自分を持ってしまった。
男の意のままに動いているが、心は別の場所にある。
救いは、姫の心が、他の男にあるのではなく、地中にあることだ。
これが、女の矜持なのか。
「お疲れ様」と褒めてあげたい。

A06
いいお話でした。
このまま、終わればいいのですが。
そうはいきません。
大人の、男たちの慾に翻弄される日が間近に迫っているのです。
愛よりも慾の方が強いのは、いつの時代でも同じです。
このままでは、終わりません。
でも、このままで終わって欲しい。


****** [ B ] ******

B01
もしもし、図書館のお姉さん。
あなた、心の罠に嵌っていますよ。
DV被害者の方に、特徴的にある勘違いです。
あなたは、愛していると思っているあなたを愛しているだけです。
目を覚ますべきです。暴力男なんて最低です。
暴力が愛情表現・・・・とんでもありません。
でも、主人公が光を見つけたのであれば、その光を信じようとしているのなら、お姉さんは誰かの光になれたのです。
今度は、自分の光を見つけてください。暴力ではない愛を。

B03
男の私が「ふむ、ふむ、わかる、わかる」と言っても、嘘っぽいけど、これがわかるんです。こういう関係、男同士ではないのかもしれませんが、男女の間ではあると思います。
だから、あさちゃんの気持ち、わかります。
そんなあさちゃんの心理描写が、リアルで素晴らしいです。
負けてたまるかと思いながら、また、負けるんじゃないかという不安がある。
負けちゃいけません。奈央は、あさちゃんがいなくても、平然と生きていけます。
別の太陽を見つけちゃいますから。
実は、奈央は悪魔の化身なんです。ほらっ、あなたの傍にもいますよ。

B04
この作者は、ゲームの世界で育った人なのだろう。
同世代であれば、情景が鮮やかに描けるのだろうが、私には無理。
それでも、わからないまま、ワクワクしながら読みました。
もちろん、1/10も理解しないままですが。
つまり、文章は心地よいということです。
これでいいのだ。

B05
これは、壮大な叙事詩です。
圧倒されました。
これは、私ごときが感想を書いてはいけない作品です。

B06
「わかる、わかる」という女子は多いのではないでしょうか。
普通の小売店では、仕入先と喧嘩なんてできません。
こっちの方が首になってしまいます。
でも、我慢できずにクレームを申し入れた店があって、オーギュストさんは首になってしまいます。クレームを申し入れた店の店員さんは無事だったのでしょうか。
でも、容易にギロチンの刃が想像できるところは、怖い。
文章は、安心して、読めました。

B07
なぜ、人間は神を生み出したのか。
なぜ、神話の世界でも神を必要とするのか。
この作品は、それを問うている。
ピジャヴィカは、更なる苦悩の世界へ堕ちてしまった。
光は影になれない。影も光にはなれない。永遠に。
それでも、心は自由でいたいと言う。
違うのだ。
心が自由だったことなど、一度もないのに。

B08
女流作家の作品で、この流れは読んだことがある。
男子には、なかなか、書けない。
この文章なら、男目線で書いたらどんな作品になるのだろうと思った。
もちろん、樽見さんが既婚者ではないという前提です。
不倫になるのであれば、女目線の方が面白い。

B09
おぉぉぉ 何という美しさだ。
これは、絶対に、絵にしてもらいたい。
心地よい文章、心躍る展開。
これなら、私でも、入っていける。
これが、ファンタジーなのか。
恐るべし、ファンタジー。
個人の趣味丸出しですが、ありがとう。


****** [ C ] ******

C02
宇宙物は読んだことがないので、よくわかりませんが、いちいち、ルビが格好いいと感じてしまうのは部外者だからでしょうか。こだわりがあるのは、いいことだと思います。きっと、コード番号にも作者なりの意味づけがあるのでしょう。もしかすると、作者にとって、コード番号を考えている時が至福の時だったりして。ただ、「これは絶対に外せない」というこだわりを捨てた時に、新しい道が始まることも、よくあることです。
プログラムが感情を持ってしまうことは、不幸でしかありませんが、その不幸がなければ物語にはなりません。困ったことです。

C03
これは、実体験を書いたのでしょうか。旦那との距離感が実に生々しいと感じてしまいました。女性店員という第三者が介在したことで、旦那が走りだし、汗をかいて戻ってくるのも、とても現実的に受け取れました。子どもが、いい子だから、お母さんも、お父さんも、いい人なのだと思います。色々ありますので、是非、末長くお幸せにと祈ります。今が一番幸せな時なのです。願わくば、旦那さんを大切に。

C04
哀しいお話でした。
私達は、人間に都合よく解釈していますから、天使は幸せを運んでくれると思いこんでいますが、もし、実際に天使がいたら、人間の餌食になる天使だっている筈。天使の司法解剖をしたという話は聞きませんので、きっと、跡形もなく消えてしまうのでしょうが、人間は、どう反応するのでしょう。余計なお世話かも。

C05
返還時の香港での出来事のようですが、多分、返還前の香港でも、返還後の香港でも同じような事件は頻発しているものと思います。香港の街では、大半の人が犯罪者に見えてしまうのは、日本の街に慣れてしまっているから、なのかもしれません。
主人公も敵役の警察も、疲れ切った様子で書かれていますが、アメリカ産の刑事物に似ていると思いました。日本の刑事物も疲れと二人連れのような刑事はいますが、アメリカほどではありません。アメリカの刑事はゾンビ状態です。実際の刑事が、どんな様子なのかは知りませんが、私のところへ事情聴取に来た刑事は、明るくて元気な人でした。今でも、あの人、ほんとに刑事だったのかと疑っています。

C06
少し怖いお話ですが、しっかりと書かれています。作者は言葉にこだわりを持っているのでしょう。それが随所に出てきます。「それが善きものであるはずがない」という言葉では、その言葉だけで読んだ甲斐があったと感じてしまいました。
実は、という後日談の方が物語になりそうな作品ですので、是非、続きをお願いしたいものです。

C08
理想の親なんてものは存在しない、という現実を説明することは不可能です。高校生で「さとり」を開いてしまえば夢がありませんし、悩みこそが、寂しさこそが、不条理こそが青春なんだよ、と言ってみても受け入れてもらえない。だから、こうやって文章にしてぶつけることは「あり」なんだと思う。いい子にしてると、疲れると思う。

C09
いやあ、面白かったです。
一番受けたのは名前です。「あれ」と「それ」と「どちら」。ハーレーまで出てきてしまいました。ところが、中身は濃い。飲み込まれてしまいました。
主人公が美形男子という部分で、抵抗はありましたが、それは認めることにしました。是非、ぜひ、現代物を書いてもらいたいものです。どんな作品になるのか、とても楽しみ。

C10
私は、この世界のことはわかっていないので、ネズミとお姫様と塔は、もしかすると三点セットなのかもしれない。でも、文章はしっかりしているし、引き込んでくれる。ただ、異世界に飛び込めない自分がいることも、確か。年齢のせいにしておこう。
この世界の作品の、読書量が少なすぎて自信は持てないが、質の高い作品だと思いました。


****** [ D ] ******

D01
やられた。
題材、構成、これぞ超短編の見本みたい。
こういうことが、出来るんだ、という驚き。
まだ、全作品は読んでいないけど、ベストスリーは間違いない。
4秒でもなく、5秒でもなく、4.5秒。
想像できそうにないけど、想像してみたくなる。
でも、きっと、つまらないことを考えているんだと思う。
目を開けていても、何か考えるのだろうか。
その景色に圧倒されて、頭、真っ白なのではないだろうか。
なんて、余計なことしか考えない。

D02
D01を読んで、当然、次はD02。
私がブロック分けの担当だったとしても、きっと、並べたと思う。
一人語りのホラー作品。
D01が男子的発想だとすると、D02は紛れもなく女子。
でも、これが書けるということは、凄いことだと思う。
作者も、結構、自信を持っていたりして。
大丈夫です。
自信を持ってください。折角、小説を書いているのですから、あなたには、その権利があります。
(※注)って、R-15ですよね。私には、未だに、R-15がわからない。

D03
不思議な作品でした。
童話だと思えれば、気が楽なのでしょうが、そうとも思えないし。
笑顔を食べて心が育ち、その心を食べて光が生まれるのであれば、どこにも犠牲がないように思うのだけど、でも、そんなに都合のよいことはないのであって、どこかに、何かが潜んでいるとしか思えない。続きを読んでみなければわからないが、なんか、宿題をもらったようで、ちょっと、落ち着かない。しかも、ここはDグループですから。
そんな、不思議がありました。

D04
これは、苦手です。
名前が苦手、地名が苦手、環境が苦手。
まるで、カラマーゾフを読んでいるような、不安感。
日本語って、その文字の骨格で覚えることができますが、カタカナを一列に並べられると、どれも同じ物に見えてしまう。
それでも、心は、伝わります。
故郷にいる大切な人を救うために、死の淵から這いあがってきたのを見て、とても安心しました。
きっと、○○○○さんに巡り合えます。
氷砂糖の介在しないキスも出来ます。
がんばれ、○○○君。
そこが、フィクションの素晴らしいところですから。

D05
愛です。
狂おしいほどの愛です。
愛は、大きければ大きいほど、すれ違うのです。
愛は、大きければ大きいほど、不条理を呼ぶのです。
その愛を見て、何でもない平穏が幸せなのだと、気付くのでしょうか。
そんな愛を書かなければならない作者は、救われるのでしょうか。
ハッピーエンドでなくってもいいのです。
うおぉぉぉぉぉと叫んでもいいのです。
きっと、それが、愛なんです。

D06
凄い。
いや、すごい。
頭の中が空白になってしまいました。
想い出すこともなかった、古文の授業。
でも、こんなに、古文って香り高かっただろうか。
いえ、いえ、これこそ、才能です。
うちひしがれた気分です。
才能のない私には、書くことのできないものです。
Dグループを読む気力がなくなりました。
これ以上、傷つきたくないです。
怖いです。

D07
ごめんなさい。
日本語でも目が回るのに、英語では、取り付く島もありませんでした。
ですから、感想は書けません。
でも、全員が英語で書いていたら、どうしたのだろう、と思いました。
その時は、私も英語で書いているわけですから、読んだのでしょう。
いや、いや、パスしていたと思います。
なぜ、こんなことで悩むのだろう。
細かいことが気になるのです。私の悪い癖。
おまえは、杉下右京か。

D08
R18-Gって ???????
スペクタクル大河ドラマ。
帝を示すアイテムは、いつの時代でも守られてきた。
アイテムに頼らなくてはならないのが人間の弱さだとも知らずに。
だか、文章には気品があります。
無理矢理書けば、書けるのかもしれないが、私が書けば気品は乗せられない。
これは、この方の文章です。
いや、この方にしか書けない文章です。
この方は、大化けするかもしれない。
書いて、書いて、書きまくれ。

D09
面白いです。
文章は、あまり気にしていないのかもしれませんが、読者の目を次へ次へと引っ張ります。これ、とても重要な要素だと思います。
プロットにも才能を感じますので、公募の鬼になることをお勧めします。
時流は探偵物のようですから、探偵物もいいと思いますが、個人的には時代物を書かれた方がいいように思います。歴史物ではなく、時代物。
「放っておいてくれ」
「ごめんなさい」

D10
予測した通りの結末になりました。
そもそも、人身御供に屈強な男子が選ばれたという話は聞きません。
非力な、若い女子が選ばれるのです。
その選考過程では、気の弱さも重要な要素なのでしょう。
この神は、村のことはあまり知らないようですから、きっと、黒幕がいるのです。
そう考えると、ハンナが可哀そう。
でも、この世は不条理で織りなされているのですから仕方ありません。

D11
文句なしに二重丸。素晴らしい。
マリナは、再び、光を見ることが出来る。
読者は、そう信じて、読む。
そして、光を背負ったマリナがいる。
おおお、神よ、何という奇跡だ。
文章も、テンポも申し分なく、作者の意のままにハッピーエンド。
セスの病が伏線になっていて、クライマックス。
何と素晴らしい。
褒め言葉が見つからずに、読者の方が慌ててしまう。
そんな作品でした。


****** [ E ] ******

E03
ダブルハッピーエンド。
よくあるパターンですが、なかなか、書けないものです。
ハッピーそのものが描けないのですから、私にとっては、ダブルは遠い存在です。
構想に10年かけても書けない私は、尊敬の眼差しで見るしかありません。
1年かけて、書いたわけではないでしょうから、ハッピーを書き慣れているのでしょう。
羨ましい限りです。
きっと、作者の生き様が影響していると思うと、ますます、自分が情けなくなります。

E04
よく、こんなこと考えましたね。
最初は、プロローグだと思っていたら、そのまま、続いて、びっくり。
心神耗弱で無罪判決。
刑法は何をしたいのか。よくわからない。
終わりにしてくれた方が、本人も幸せなのではないだろうかと考えてしまう。どんな狂気でも、安定したものではないと思うので、その斑模様の中で、素になった時、苦しくならないのだろうかと心配してしまうのです。もっとも、こんなこと考えてしまう人間には、殺人なんて大事業はできないのであって、私には、何が出来るのだろうと考えてしまう。

E05
主人公の「俺」には、名前があったっけ。
いや、名前のない「俺」が一番すっきりする。
これも、作者の意図なのか。
突っ込みたくなる部分はあったが、そこはスル―することにして、主人公の「俺」の不幸は自分が閉じ込められてしまった経緯を聞かされたことではないだろうか。
現在でも、自分が閉じ込められているのに、その経緯を知らないという幸運のおかげで、多くの人たちが生きている。
そう考えると、ぞっとします。

E06
確かに、現代語で「語り部」をするよりは、この方が似合っている。
ただ、読み方に注文をつけないと、人は理解してくれない。
ルビがないと伝わらないところが、残念な部分だ。
文字数は少ないので、エピソードを入れてもらいたかった。
面白い作品になりそうなのに、残念です。
前回、Aグループの「はに」さんが、同じことをやっていました。
でも、今回は不参加のようです。
これって、誰にでも同じような衝動があるということなのでしょうか。

E08
面白い。
面白い。
面白い。
何度でも、面白い。
最初から最後まで、ニヤニヤが止まりませんでした。
読み終わった時。
覆面に参加してよかった、と思った瞬間です。
このまま、出版する方法はないのだろうか。
脱帽です。

E09
これは、哲学です。
孤独の中で、これまで、どうして、生きてこれたのか、不思議です。
でも、文章は、とても、心地よいです。
もっと、もっと、読んでいたいと思いました。


2015-12-25



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