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記事紹介 31 [記事紹介]



記事を二つ紹介します。


ウォールストリート・ジャーナル紙からの抜粋です。

船橋洋一氏という人が、「日本最悪のシナリオ」という報告書を出すそうです。
尖閣諸島をめぐる軍事衝突、北朝鮮崩壊、ホルムズ海峡閉鎖といった3つの地政学リスク、それから核テロ、サイバーテロ、首都圏直下型地震による中枢機能のまひ、パンデミック(感染症の世界的流行)、人口衰弱、国債の暴落。以上の9つを挙げています。


余談です。
石田の私見では、東日本大震災を通常の厄災だと考えれば、これら9つのシナリオの内、最後の国債暴落を除く8つは通常シナリオだと考えています。東日本大震災を通常の厄災だと決めつけるのは、心苦しいのですが、厄災の規模が違いすぎますので仕方がありません。国債暴落以外のシナリオでは、犠牲者は多くても数万人から数十万人だと思います。しかし、国債暴落だけは数千万人の犠牲者が出ます。でも、最悪のシナリオに挑戦するということは大切なことです。間口が広いので、船橋氏が、どれだけ深く掘り下げることができるのか、心配ですが、見守りたいと思います。船橋氏だけではなく、これをきっかけとして、多くの方が最悪のシナリオに挑戦して欲しいと願っています。
また、どんな報告書になるのか不明ですが、シナリオですから起承転結は書いて欲しいと思います。そうすれば、起承転結の「結」で、最悪の事態を迎えた後の国民生活が想定されるという期待が持てるかもしれません。
とは言っても、余り期待はしていません。でも方向性は正しいのですから、時間をかけて挑戦するしかないのでしょう。
どちらにしても手遅れですから、無理を言うつもりはありません。



スウェーデン在住のジャーナリストの[みゆきポアチャ]氏の記事で「欧州に吹き荒れる大量解雇の嵐」という記事を抜粋して紹介します。

[前略]
過去最悪を記録する失業率
最悪はギリシャの27%で、次いでスペイン26.2%、ポルトガル17.6%となっている。特に深刻なのは若年層の失業だ。EU全体での25歳以下の失業率は23.6%。ギリシャの若年失業率は59.4%、スペインでは55.5%、イタリアでは38.7%となっている。
[中略]
 政府の財政緊縮策が貧困と大量失業を生み出している諸悪の根源だ。少なくとも、ギリシャやスペインをはじめとする南欧の人たちはそう考えている。
 これらの国々では、現在何百万、何千万もの人が極度の貧困状態に陥っている。
 ギリシャ銀行(中央銀行)が2月25日発表した年次リポートによると、2012年には人口の23%が貧困ライン以下で生活をしている。2011年には16%だった。子供の貧困も増え、貧困のリスクにさらされている家計は人口全体の31%に達したという。2010年から2012年にかけて、ギリシャ人の給与は平均で20.6%カットされている。
 現在ギリシャでは465万人が失業しているか、収入が何ら得られない状態にある。家族の誰一人として職に就いていない家庭は45万世帯に上る。2010年には民間企業全体で260万人が雇用されていたが、現在までに、そのうちの90万人が解雇されている。
 ギリシャのホームレスは公式発表で4万人に上っている。キリスト教会の炊き出しには長い行列ができ、栄養不足により子供が学校で失神するという報告が増えている。政府市庁舎の前で、抗議の焼身自殺をする失業者のニュースも報道される。
 が、このリポートを発表する際にギリシャ銀行総裁で欧州中央銀行(ECB)政策理事会のメンバーでもあるジョージ・プロボポラス氏が放った発言は、こうだ。「(緊縮財政措置により)金融崩壊の危機を克服し、信頼は着実に回復している」「(危機の)終わりが見えてきた。より一層の厳しい措置が必要だ。不況を言い訳にしてはいけない」
[中略]
 緊縮財政策に反対する公務員や民間企業の労働者、農民も含めた大規模なストは続いている。これに対しギリシャでは、軍隊を投入して大規模反対運動を弾圧する用意をしている。
[後略]


余談です。
このブログは、ギリシャと長い付き合いになりました。私も、久しぶりに、ギリシャの話題を読むことが出来ました。筆者のみゆきポアチャ氏は、多分、スウェーデン人の男性と結婚してスウェーデンに住んでいるのだと思います。
ここで、私達日本人が勘違いしてはいけないことがあります。
欧州各国は、国家崩壊には至らないだろうという予測があるということです。これは、石田の予測ですから、余り信用しないでください。
つまり、バケツの底は抜けていませんので、どこかで貧しさが安定し、時間をかければ再生が可能な状況にあるということです。
これを、石田流で言えば、ギリシャはレベル5へ向かっているのです。それでも、ギリシャ政府は軍隊で国民を押さえつける必要があると考えています。
ニュースにはなっていませんが、貧困にあえいでいるのは一般庶民であり、権力者グループの人々は、それなりに豊かな生活をしているものと思います。それは、どこの国でも行われていることです。ギリシャ銀行総裁の発言が載っていましたが、彼が貧しさの中に沈み込んでいたら、あのような発言はしないと思うのです。
ギリシャのGDPの減少は、6年目になるそうです。ユーロ危機以前のGDPの3/4になったそうです。あと何年我慢すれば、失業率が何パーセントになれば、収入減が何パーセントになればギリシャのバケツの底が見えるのか、まだわかりません。でも、いつかは底が見えます。頑張ってほしいと思います。
しかし。
日本の場合は、バケツの底がありません。
日本では、貧しさが安定することはありません。ですから、ギリシャが辿っている道は、私達日本人が辿る道とは別のものです。ギリシャは、どこかで貧しさの安定に出会うことが出来る。今は、その途上にありますが、日本は、ずっと途中経過が続きます。それは、貧しさがどんどん深くなっていくということです。ギリシャの比ではありません。
底なしの貧しさ。
これが、レベル9です。


2013-03-13



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