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記事紹介 17 [記事紹介]



今日は小さな記事を三つ紹介します。
読売新聞のスペインに関する記事と、ロイターの中国関連の記事と、ロイターの日本国債に関する記事です。



[読売新聞 10/4]
債務危機が深刻なスペインで、ラホイ政権の緊縮政策に対する地方の反発が強まっている。
 南部アンダルシア州では、住民の先頭に立って略奪を指揮する村長まで現れた。
 州都セビリアから100キロ。人口約3000のマリナレダはオリーブ畑の真ん中にある。フアンマヌエル・ゴルディーヨ村長(60)は8月、失業者ら十数人を率いて州内のスーパーを襲撃し、略奪したコメや缶詰をセビリアで貧困家庭に配った。
 この事件について村長は「悲惨な現状を告発するための非常手段だった」と強調し、「不動産バブルに踊った銀行のツケを庶民が払わされているのだ」と訴えた。
 スペインの失業率は欧州連合(EU)で最悪の25%だが、アンダルシアでは実に34%に達する。
 村長は事件で全国的な注目を集め、貴族から奪った物を貧者に分け与えた中世イングランドの伝説にちなんで「現代のロビン・フッド」(エル・パイス紙)とも呼ばれた。事件後も毎週、州内を仲間とデモ行進し、銀行で座り込みを行った。
 村の主婦カルメン・プラダさん(63)は「子供7人は全員失業し、夫(農業)の月収420ユーロ(約4万2500円)で家族が食べている。泥棒は犯罪だが、村長は現状を変えようとした英雄」とたたえる。警察も、州議員を兼ねる村長の訴追には慎重だ。



[北京 11日 ロイター] 国際人権非政府組織(NGO)のアムネスティ・インターナショナルは11日、中国で社会不安の主な要因となっている土地収用のための強制立ち退きが過去2年間に急増したと報告書で指摘。
背景には、債務返済を急ぐ地方政府が土地を差し押さえ、売却する動きがある。中国では基本的に土地は公有地。不動産をめぐる争いはしばしば暴力的となり、社会不安にもつながっている。習近平氏が率いるとみられている次期共産党指導部が直面する課題の一つだ。
アムネスティの報告書は2010年2月から2012年1月までの期間が対象。強制立ち退き時の暴力行為で住民が死亡したり、逮捕投獄、自殺するケースもあったとしている。
アムネスティの調査担当責任者はロイターに「中国では、潜在的にこうした違法な強制立ち退きをさせられるリスクにさらされている人が何百万人もいる。強制立ち退きに関する抗議は、大衆の不満として最大の問題」と指摘。長らく続いている問題であるうえ、ここにきて規模も大きくなっており、歯止めをかけるべき時にきているとの認識を示した。
地方政府の土地売却は、2008年に中央政府が打ち出した4兆元の景気刺激策を機に加速した。この景気刺激策は、地方政府向けにインフラ(社会資本)建設目標を設定。地方政府は目標達成のため資本調達を急ぎ、それが不動産バブルにつながった。結果的に、地方政府は巨額の債務を抱えた。債務残高は2010年末時点で10兆7000億元(1兆7000億ドル)。地方政府は債務返済のための土地売却を迫られた。
中国政府は2011年に暴力的な強制立ち退きを非合法とする規則を発表した。
アムネスティはこの規則を歓迎したが、適用対象が都市の住民に限られていることから、満足できる内容でないとしている。
アムネスティが調査した40件の強制立ち退きのうち、立ち退きを拒否したり抗議した住民が死亡したケースが9件あった。2010年3月に湖北省武漢市であったケースでは、取り壊し対象の家に住む70歳の女性が掘削機で生きながらにして埋められたという。
アムネスティはこれまでも、中国政府が強制立ち退きを防ぐ策を講じていないと繰り返し批判していた。



[東京 15日 ロイター] スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)は15日、日本の信用力について、消費増税関連法の成立など最近の措置は万能薬ではないと指摘した上で、政治的な混乱が長引けば政府の追加措置が遅れ、日本の財政・構造問題の解決を一層困難にするとの見解を示した。日本の長期信用力に関するリポートの中で指摘した。
S&Pでは、消費増税関連法が成立したが、日本(ソブリン格付け「AA─/ネガティブ/A─1+)の信用力は徐々に低下し続けるとみている。同法成立は、日本が抱える主要な問題のひとつに重点的に取り組む政府の行動を示したという点で重要だが、消費税率引き上げだけでは政府の財政赤字を削減し、より持続可能な歳入・歳出構造を形成する体制を作り上げるのに十分な財源は生み出せないと指摘。さらに、S&Pでは、今回の消費増税は日本の財政問題に対する対症療法にすぎず、国内経済の成長見通しの改善や社会保障制度の改革に向けた抜本的な解決手段ではないとの考えを示した。
S&Pによると、すでに政府の財源調達手段に圧力がかかる兆候がある。日本銀行の国債保有高は現在、銀行券の発行額以下に収めるという自主ルールの上限に接近しており、今後は日銀が日本国債を買い増すことがより困難になるという。
日本国債の発行残高のかなりの部分は、日本に本拠を置く金融機関が保有している。S&Pは今のところ邦銀が国債を買い増すことは可能だが、それにも限界があると指摘。国債発行残高に占める非居住者保有比率はまだ低水準だが、海外投資家による国債買い入れは増加しており、海外投資家が日本国債を購入し続ければ、日本の債券市場の外的ショックに対するぜい弱性が増大するという。一方、過去2年間、与野党の政治的な駆け引きが繰り返され、赤字国債の発行に必要な特例公債法案成立の遅れや妨げにつながっている。
現時点で、S&Pはこうした財源調達面での兆候が日本の信用力に直接的な影響を及ぼすとは考えていない。また、市場も静観しているもよう。しかし、政局によってさらに政策の決定・実施が遅れれば、日本の財政・構造問題の解決はより困難となる。S&Pではこうした状況下で、政府が低コストの財源調達手段を無制限に利用することはできないとみている。





余談です。
ギリシャもスペインも失業率は25%を越えています。若年層に限れば、失業率は両国とも50%を越えています。失業していない人達も、年々、収入が減少しています。それがどんな現実なのかということについては、4%か5%の失業率しか体験のない私達には正しい想像はできないのではないのではないかと思います。そんな国で起きた事件ですから、私達には笑い話に見えてしまうのかもしれません。
では、15年後の崩壊した日本を世界のメディアは、どのように伝えるのでしょうか。そして、ギリシャ人やスペイン人は、どう感じるのでしょう。やはり、他人事だと思うのでしょうか。どうなのでしょう。よく、わかりません。
ヒットラーやスターリンやポルポトのいない国でも数千万人の人が死ぬという事実は、空前絶後の事態ですから、それなりのインパクトはあるのでしょうか。日本が変わるだけではなく、世界のあり様も大きく変わるような歴史的転換点になる可能性もあります。
でも、きっと、日本人はお馬鹿さんに見えるのだと思います。
ま、正真正銘、お馬鹿ですから、正しい評価なのでしょう。
馬鹿は、自分が馬鹿だということを知らない訳ですから、地獄が来るまでは幸せだと思い込むことができます。日本人の馬鹿さ加減には、ほんとに辛いものがあります。

中国の利権確保構造と日本の利権確保構造の違いは、野蛮な方法か、合法的なものかの違いだと思います。野蛮であれ合法であれ、絞りとられているのは馬鹿な国民です。中国では老婆を生き埋めにしているのだから、日本の方がましなのだと思っていませんか。とんでもありません。日本は、いずれ、束にして地獄へ突き落されるのですから、中国よりも遥かに重症なのです。

S&Pは大手格付け会社の一つです。あれだけゴリ押しをして成立させた消費税増税法案の効果は、もう消滅しようとしています。格下げに向かって確実に前進しています。S&Pが日本に対して敵対的な評価をしているわけではありません。日本の経済人だって、百も承知していることばかりです。日本では、このニュースを取り上げて問題にするメディアはありません。そんなことをすれば、辛い立場に立たされるからです。
国民が知らない間に事態はどんどん悪化しているのです。



いつ書いたのか憶えていませんが、復興予算にシロアリがたかることは何度か書きました。きっと、読まれた方は、あの時、「また、こいつは下らんことを書いている」と思われたことでしょう。「被災地のために」や「きづな」などという言葉が飛び交い、国民は増税に賛成しました。それなのに、今は復興予算の流用が伝えられています。被災地の復興は遅々として進んでいません。東北の方は、もっと怒らなければならないと書きましたが、東北人は我慢をし、諦めに向かっています。東北の人達は、諦め顔で「見捨てられてる」と感じているのです。でも、強欲豚は復興予算であっても食い荒らしています。これが現実なのです。その上、表に出てこない裏金がどれほどあるのか、私達には見えていません。
復興予算の流用について驚いている方が大半でしょうが、こうなることは、最初から決まっていたことですから、驚くのであればあの時に驚かなければ意味がありません。なぜならば、流用された予算は既にどんどん消化されているからです。
また、消費税増税法案が成立し、国民は社会保障や財政再建のためには必要な事だと思っていますが、これも、何度も、そうではないと書いてきました。利権集団の懐を温めるための増税であったことが、後日、判明することになります。この先、増税と社会保障の削減が波のように連続してやってくるでしょう。それも、利権集団の利益を確保するためであり、決して、社会保障や財政再建のためではありません。
こんな簡単なことなのに、なぜ、国民は「ころり」と騙されてしまうのか。「お馬鹿さん」だと言う以外に、どんな表現があるのでしょうか。
でも、現実に馬鹿なのですから、手の打ちようがありません。
金儲けは、弱者から絞りとるという秘訣があるようですが、私は、少し違うと思います。
金儲けは、馬鹿から絞りとるのです。だって、弱者より馬鹿の方が遥かに多いのですから、利益が大きくなるのは道理というものです。

法的に、納税は国民の義務です。
でも、税金を国民のために使うという法律は存在していません。
一部の利権集団のために税金を使っても法律違反にはならないのです。
逆に、納税拒否をすれば国民は犯罪者になります。
これって、おかしくないですか。
法律に触れなければ何をやってもいいのです。そして、法律は利権集団にとって都合の良い法律になっているのです。
ここにも、国とは、国民とは、民主主義とはという定義が欠落している弊害が出ています。
現行法は、利権集団が自分達の利益を損なわないように作り上げてきたのですから、法律そのものが違法なのです。どんな法律にでも、官僚だけが使える抜け穴が用意されています。善良な国民は、こんなカラクリには気付きません。合法的という言葉は、法律が正しい法律だという前提の上に成り立っている言葉です。
例えば、税金の使途に疑義があるとして、納税拒否訴訟を起こす法的根拠はあるのでしょうか。そんな訴訟を起こしても勝てる根拠はどこにもありません。
自分達の都合に合わせて作った法律ですから、彼等が法律に違反することはありえないのです。つまり、彼等はやりたい放題できるのです。
非難の声が挙がっても、75日ほど辛抱すればいいだけのことです。
利権集団に属してもいないのに、馬鹿な国民は、それを受け入れるのです。なぜならば、馬鹿だからです。どこにも、救いはありません。これを自業自得と言うのです。
やはり、私達には地獄を受け入れることしか、選択肢はないのだと思います。
それって、誰のせいですか。
そうです。私達国民の無知によるものです。

先日「強いられる死」という本を読みました。自殺者の周辺取材をしたルポルタージュのようなものです。自殺者の数でも日本は世界のトップを走っているようです。ただ、ノンフィクションの限界なのか、現象を捉えることしか出来なかったようです。多すぎる自殺という問題の本質には迫っていませんので、解決策は提示されません。電話相談やカウンセリングや自殺防止のNPO活動では、この問題は解決しません。個々の環境が歪んでいるのは全体が歪んでいることに端を発しているのですから、個別対策では解決しないのです。この自殺の問題に限らず、あらゆる問題点が表層的な捉え方で伝えられますので、問題は何も解決しません。辛い取材をして、苦労して書いたのだと思いますが、残念ながら何の役にも立ちません。
今、植民地支配を目指すなどと言えば笑われますが、世界が植民地支配で富を得ることが当然だと思われた時代がありました。日本も植民地になるのではなく、植民地支配の列強の一員になろうとしたことがあります。結果的には大失敗でした。
この世界の潮流に逆らえるかどうかは難易度の高い問題ではありますが、きっと、それを見つける必要があるように感じます。
今、世界の潮流は「自分さえよければ」です。その潮流に押し流されているために、この国は変形しているのです。人間の叡智が、世界を破滅から救うことができるかどうかわかりませんが、このまま世界が「自分さえよければ」を追求していけば、人類の未来もそれほど希望の持てるものではないのかもしれません。
新しい哲学と思想が必要だと言い続けてきましたが、まだ何も見つかっていません。
多分、いろいろな大きな出来事が世界を揺るがせることで生まれてくるのかもしれません。アメリカのサブプライムローンに代表される金融経済の「自分さえよければ」が現在の世界の苦境に繋がっています。欧州で国家破綻候補が続出し、四苦八苦しているのも「自分さえよければ」の結果です。「自分さえよければ」が当たり前になった日本が崩壊すれば、世界中に影響が出ます。
日本は、次のステップのための捨て石になろうとしているのかもしれません。
ギリシャやスペインの苦境は大したことではありません。国民が貧しくなることで折り合いはつけられます。日本の国家破綻とは質が違います。日本崩壊で、世界は本物の破綻を経験することになります。そして、世界は潮流を変える必要に迫られることになるのではないかと思うのです。と言うことは、今、一番、潮流を変える必要があるのは日本なのではありませんか。日本という捨て石を見て、舵を切る人達はいいかもしれませんが、捨て石になった日本人は捨て石のままなのです。
しかし、こんな話は馬鹿の耳には届きません。新しい哲学と思想を提示できないのですから、私も馬鹿なのです。馬鹿が馬鹿に馬鹿と言っているのですから、こんな馬鹿な話もありません。嗚呼、どうしたらいいのでしょう。


2012-10-16



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