SSブログ

弁慶 [日記]



フィナンシャルタイムズ紙の記事から。
欧米諸国が示す「日本化」の兆候、という記事です。
フィナンシャルタイムズ紙は、アメリカもドイツもイギリスも、日本の後追いをしているのではないかと心配しています。
心配 ?
どういうこと。
日本という国が世界から、どう見られているかを知らなければ、世界が何を心配しているのかもわかりません。そこで、日本の立ち位置を考えてみますと、世界は日本を国家運営の失敗例として、その雛型として見ているということのようです。
つまり、日本化するということは、最悪のパターンだと論じているのです。
このような日本評価は、海外メディアでは常識になっていると思います。
その記事の中で、日本の衰退に貢献したと思われる8つの特徴が挙げられています。
株式市場の崩壊。
不動産市場の崩壊。
ゾンビ銀行。
デフレ。
ゼロ金利。
政治の停滞。
よろしくない人口動態。
高い対GDP債務比率。
これが、世界の日本評価なのです。駄目になった日本。いつか崩壊する日本。
欧米諸国にとっての「日本化」は危険信号なのです。
日本のメディアも、そろそろ正気に戻る時ではありませんか。

ザ・エコノミストも。
表紙に着物を着たオバマ大統領とメルケル首相の似顔絵を並べ、日本になろうとしている欧米諸国に対して、20年もデフレを放置して来た日本を見習う価値がどこにあるのだ、と大々的な警鐘を鳴らしています。

ロイターの記事です。
ソシエテ・ジェネラルのアルバート・エドワード氏がアメリカの長期金利の将来予測をしていますが、直近では1.5%まで低下し、その後10年単位でみれば2桁になると言っています。このエドワード氏は景気弱気派として世界的に有名なアナリストで、その発言はいつも注目を集めています。
長期金利の話になると、どうもややこしいのですが、2桁の長期金利というのは、かなり危ない状態を指しています。例えば、15%の金利を乗せなくては10年物国債が売れないということは、人気がない、危ない国債だと市場から見られていることになります。
アメリカの長期金利なんて、関係ないと思いますよね。
しかし、その原因が日本にあると言われると、無関心ではいられません。
そのアメリカの長期金利の急騰は、日本発のハイパーインフレによってもたらされると言うのです。エドワード氏は、そのコメントの中で、日本に言及し、日本の破綻は時間の問題であり、避けようがない、行き着くところまで行くだろうと言っています。
日本が破綻し、続いてアメリカも破綻する可能性があると言っているのです。これは、日本に対する警告ではありません。アメリカの将来を心配しているのです。アメリカが破綻すれば世界経済は間違いなく破綻します。日本崩壊は阻止できないが、アメリカの崩壊は阻止しなければならない、と言っているのです。
弱気派の発言とはいえ、日本の破綻は既成事実のように捉えられています。私のような素人が見ても、破綻は当然の結果だと思いますので、世界の常識では既成事実と思われていても不思議ではありません。
日本国内で、私の主張が異端に見えるということは、国内事情の方が歪められていると思わなければ整合性がとれません。このグローバル化した時代に、海外メディアにとっての常識が、なぜ、日本国内では、ここまで無視されるのか。これは、利権集団による言論統制が行われていると判断せざるをえないのです。
国民にとっては、蓋を開けて吃驚という事態が必ず起きるということです。直近の事件で言えば原発事故があります。経産省の利権のために隠蔽と騙しを続けてきた原子力行政の結果があの事故であり、今では国民の大多数が原発依存をやめたいと思っています。
財務省の隠蔽と騙しの結果、ハイパーインフレが起きた時には、手の施しようがありませんので、地獄へと一直線になります。原発事故程度では終わりません。
世界は日本崩壊を予測する段階を終えて、確信の段階になっているのでしょう。財務省が焦るのも無理はありません。
何度も言いますが、日本のメディアの罪は重いです。

先日、民主党代表選挙に立候補した5人の議員の記者会見を見ました。
ご覧になった方も多いと思いますが、私の感想は「ひどい」というものでした。
あの5人の中から、次の総理大臣が選ばれることになるのです。日本は、また大きな不運を背負うことになるのだなと感じました。資質の欠如という点では海江田さんが突出していたように思います。あの五人であれば、うちの町内の自治会長の木村さんの方が総理にふさわしいと思いましたが、皆さんはどう感じたでしょう。
鳩山の次は菅、続いてXXX。これでもか、これでもか、これでもかという危険信号の行列で、挙党一致で日本を壊そうとしている民主党。破滅へと向かう時代にふさわしいと考えれば、人間の出る幕はないのでしょうが、唖然としました。

8/20公開の「上海」という映画に出演した俳優の渡辺健さんがゲスト出演した8/17の報道番組を見ました。関西限定の報道番組ですから、見ておられない方も多いと思いますが、国が何も決めることができない今の日本は危ない、と発言していました。以前にも「硫黄島からの手紙」で戦争映画に出演し、今度の「上海」も第二次大戦の前の列強の情報戦です。俳優として、脚本を読むだけではなく自分独自の調査もして役作りをするそうですが、日米開戦は避けられたかもしれないと感じたそうです。その時も政治主導ではなく軍部主導で戦争にのめり込んでいった時期でした。今も政治主導ではなく、官僚主導で政治が何も決めない時期にあります。彼は被災地に3回行き、世界の俳優に応援メッセージを依頼し、被災者を助ける活動をしています。そんな現実の中で、第二次大戦前夜のような危険な臭いを感じての発言だったようです。

日本にも格付け会社があるのをご存知でしょうか。R&Iという会社です。そのR&Iが日本の格付けを下げる方向だと発表しました。現在の格付けはAAAだそうです。世界的な格付けランキングでは、日本は4番目くらいの場所にいたと思いますが、R&Iの格付けでは最上級のランクにあります。どう考えても日本のAAAはありえないと思います。政府の圧力を受けて、アメリカの格付けをAAAに据え置いたムーディーズやフィッチよりも、何らかの思惑が優先しているように思われます。アメリカの格付け会社が政治的に利用されてきたのは周知の事実ですが、日本の格付け会社も権力と無関係とはいかないようです。
R&Iは日本経済新聞が65%出資する子会社だそうですから、財務省の意向が充分に反映していると見ることが正しいのでしょう。財務省とこのR&Iは仲間内なのです。財務省は政治家の危機感を煽るために、格付けにも手を出したのではないかと思います。何が何でも増税するつもりのようです。

世界の三大格付け会社の一つであるムーディーズが日本の格付けをAA2からAA3へ下げました。専門家の意見では、問題はないという結論です。どう問題ないのかと言うと、ただちには株価の暴落や長期金利の急騰には繋がらないという意味において、問題がないということのようです。専門家のコメントには、どこかホッとしたニュアンスがあります。でも、格上げではなく格下げなのですから問題がない訳がありません。壊滅的な打撃は回避出来たという安堵感なのでしょう。
ただし、これはあくまでも短期的な評価です。中長期的には、破滅へと一歩進んだことになります。事前予測では、二段階の引き下げもありうると言われていました。近い将来に、再び引き下げが行われるかもしれません。いや、間違いなくそうなるでしょう。日本が財政再建の実行を放置すれば、更なる格下げに通じることはムーディーズの文面に現れています。政治の停滞はまだまだ続きます。今の日本に財政再建を実施する力はありません。
もし、次に格下げをされたら、金融機関の中には社内規定に抵触する銀行があるそうです。今回のAA3が投資適格の最低ラインで、AA3の一つ下のA1という債権には投資できないという社内規定だそうです。
社内規定を変更するか、特例で乗り切るのか。それが出来ない場合は、日本国債を売却しなくてはなりません。国債を買う側の銀行が売る側に回るということは、国債が売れなくなるということです。そうなれば、金利を上げざるをえませんし、海外資金に頼らなくてはならなくなるかもしれません。これは、長期金利の上昇に繋がります。
銀行に対する財務省の圧力は強いものになるでしょう。ただし、昔と違って財務省の命令だけを聞いていれば安全という時代ではありません。国際的な評価が銀行の経営を圧迫する時代です。金融機関にとっては、どこよりも早く正念場が来ることになりそうです。銀行の日本国債保有高は半端ではありませんから、その影響は大きくなります。金融機関が金融機関独自の判断で行動すれば、財政破綻はすぐにでも起こりえます。例え、銀行の行動が財政破綻の引き金を引くことになっても、個々の金融機関は自分を守る権利は有しています。少しでも怪我を小さくしたいと考えるのが普通です。
財務省は、何が何でも増税をして、次の格付け引き下げを阻止しなくてはなりません。財務省の尻には、もう火がついているのです。
もしも、ムーディーズが二段階の引き下げをしていたら、2011年8月が、日本の財政破綻のスタートになっていた可能性もあるのです。
ムーディーズが、今回一段階の引き下げにしたのは、これが最後の警告ですよという意味が含まれていると考えるべきでしょう。

電力供給不安だけではなく、円高の影響も無視できない状況になり、海外へと生産シフトする企業が増えています。産業の空洞化が心配されている日本で、政府の経済対策は無に等しいと言われています。法人税率の引き下げを宣伝しただけで、それも取り消しました。取り消しや訂正ばかりで、日本丸は後ろ向きに進むばかり。国民の貧困化だけではなく、国そのものが痩せ細る方向に向かっています。東北の被災地の方は、国に見放されたと実感しているそうです。それなのに、民主党政権は頭のすげ替えで右往左往するばかりです。自民党の政権末期に日替わり総理という時代がありましたが、同じ事をやっています。その根本原因は経済成長の問題です。経済を放置したままで国の運営などできません。これほど経済成長に無関心な国も珍しいと思います。日本の政治は三流だと言われていましたが、今ではジャンク級という評価になっているのでしょう。
経済問題で、今の日本に活路があるとすれば、規制緩和しかないと言われて、時間だけが過ぎました。規制緩和は官僚の利権に直結していますので、何もできない状態です。

与謝野大臣が、経済成長では財政再建などできない、それはただの俗論です、と言っています。俗論って何なのでしょうか。私には、とても苦しい表現に聞こえました。
彼の結論によれば、増税でしか財政再建はできないと言うのです。どうやら、このことが言いたかったようです。
一国の経済を預かる大臣の発言とは思えません。彼の卑怯なところは、経済成長か増税かという論点を前面に押し出している事です。これは、マスコミも同じです。
痛みを伴わずに財政再建をしようとすれば、経済成長でしか財政再建ができないことは世界の常識です。ただし、先進国がそんな経済成長をする余地はありません。現実的には、どこの国も歳出の削減をせざるをえないのです。
利権を温存したままで、財政再建をするためには、10%以上という大幅な経済成長が必要なのです。大幅な経済成長がなければ財政再建ができないという文言の「大幅な」という部分を削り取った結果、経済成長では財政再建などできないのだと結論したのです。つまり、彼の思考の中に、利権の温存が前提条件として存在しているのです。
今、本当に議論しなくてはならないことは、利権の解体か、財政破綻かという論点であり、そこに増税の出番はないのです。もしも、増税の議論が出るとすれば、利権の全廃が完了した次の段階です。私が推定した50兆円の利権が、実は30兆円しかなかった場合、増税の議論は始めなければならないかもしれません。
彼は、利権の温存か増税かという論点にしたくないのです。うろ覚えですが、彼は財務省の出身だと聞いたことがあります。言葉のマジックが得意なのかもしれませんし、官僚の代弁者として政治家をやっているのかもしれません。日本の政界には、至る所に官僚の手先がいますので注意が必要です。

日本は、利権と規制を手放さない官僚機構のために、デッドロックに乗り上げています。前にも、後ろにも、右にも、左へも、動けません。この20年間、日本は弁慶の立ち往生状態です。国家機能が麻痺しているということでは、軍部の独走で戦争へと突入していった日本と、今の日本は大変似た状態になっています。第二次大戦での死者は300万人ですが、今度の日本崩壊の死者は桁が違います。少なくても6000万人、多ければ1億2000万人の死者が出るでしょう。そうなれば、日本が再生する可能性は失われます。
世界の食料価格は前年度に比べて33%上昇しているそうです。中でもとうもろこしは84%、砂糖は62%の上昇です。世界の食糧事情は年々逼迫しているように感じます。日本が崩壊する10年後か20年後に世界食糧事情がどうなっているのかは想像もできません。
とんでもない状況が、我々の目の前にあることを理解すべきです。

私達は、もっと歴史に学ぶ必要があります。歴史上の事ですから、全く同じ状況は生まれません。その時代の環境という意味では、同じものが何一つないと言った方が適切です。ただ、一点、全く変わらないものがあります。それは、人間です。歴史を作っているのが人間であり、人間は少なくとも2000年前から進化していませんので、人間は同じ間違いを何度でも犯します。それは、全て人間の本能から発しています。そして、その最強の本能が、人間の欲望です。お釈迦様が解脱を説いた時代でも、人間社会を歪めるものは欲望だと認識されていました。それは、今も変わりません。
人間社会を地獄にしないようにするためには、人間の欲望をいかにコントロールするかにかかっています。去勢しろ、と言っているのではありません。行き過ぎた欲望を是正する方法を持つ必要があるのです。私は、それが民の力だと思うのです。
国を滅ぼすほどの官僚達の強欲を是正するのは、民の力しかないと思うのです。
私の日記は予言で始まりました。
その後、環境分析になり、今は、民の決起を提案しています。
日本崩壊を回避する決定打がないことは何度も分析してきました。
私達庶民が何をするかが、日本の方向を決めることになります。
私達が力不足であれば、地獄が来ます。
私一人が増税反対と宣言したところで、世の中は何も変わらないと誰でも思います。
でも、国民の半数が宣言すれば、何かが変わる可能性は生まれます。
そして、8割の国民が増税反対を宣言すれば、国は変わらざるをえません。
何故、そんなことをするのだ。
この時代に生きている大人の責任です。
私は、子供達を地獄へ送りこみたくないのです。
小学校の近くや、公園の近くで子供達の歓声を聞くと、私は生きる元気が貰えます。あの元気な子供達の声が聞けなくなるのは、溜まりません。
食料がなくなり、痩せ細った子供が声も出せずに「どうして」という眼差しを向けた時、私は答える言葉を持っていません。私に出来ることは、山ほどの後悔の中でもがくことだけしかないように思うのです。
あなたなら、子供にどんな言葉を言ってあげますか。
「死ね。その方が楽だから」と言えますか。

最近、私は自分が本物の奇人変人だったらいいのに、と思います。
この日本崩壊を妄想にしてしまえたら、どれほど楽かと思います。


2011-8-29



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0