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じわりじわり [日記]



最初に、このブログの常連になっているギリシャの話題です。
財政改革をしていたギリシャですが、結果が得られることなく、再び資金不足に陥っています。EU加盟国、特にユーロ圏に加入している国々にとっては頭の痛い問題です。
このままでは、際限なくギリシャに資金を投入しなければなりませんが、各国の国内で反対が多く、ギリシャ支援を続ければ政権を失う可能性もあります。
そこで、今、自発的ロールオーバーという奇策が検討されています。
ロールオーバーとは、簡単に言えば、国債の償還期限の延長です。
100億ユーロのギリシャ国債が2011年7月10日に満期日を迎え、債権者に対してお金を支払わねばならないとします。ギリシャにはその資金がありません。そこで、100億ユーロの借換え国債を発行することになります。満期を迎えた国債を持っている債権者が、借換え国債を同額購入してくれれば、ギリシャは資金がなくても国債を支払ったことになります。でも、ギリシャ国債は危ないと言われていますので、債権者は償還だけを受けて借換え国債は買いたくないと思うでしょう。
そこで、各国の政府が自国の銀行等の債権者に、ロールオーバーしてもらいたいと、暗に圧力をかけようというものです。その上で、表面上は民間会社の自発的な意志で決めたようにして欲しいという圧力も同時にかけます。
日本人には、馴染み深い、いつものことですが、世界でこれが通用するのでしょうか。
いいえ、通用しません。
格付け会社は、その自発的の部分に疑義があれば、ギリシャをデフォルトと判定するそうです。デフォルトと判定された国の国債は誰も買ってくれなくなります。いえ、買えなくなると言った方が適切です。どこの金融機関でも社内規定があって、一定ランク以下の債権は購入できなくなっています。政治的な意図がある場合は別でしょうが、民間企業が社内規定を無視して投資行動を起こすことはありません。
ギリシャの通貨はユーロですから、ギリシャのデフォルトは、ユーロのデフォルトであり、EUのデフォルトでもあります。その結果、EU全域に資金調達の壁が立ち塞がることになります。EU内の銀行は、不良債権の山を抱え、資金不足になり、経営破綻に追い込まれる銀行も出るかもしれません。アイルランドやポルトガル、更に、スペインやイタリアは持ちこたえられるでしょうか。欧州発の金融危機が世界を危険に晒すことになります。
アメリカのオバマ大統領は「欧州でデフォルトが起これば、世界経済は破綻する」とEUにプレッシャーをかけています。景気減速が表面化してきたアメリカにとっては、EUの破綻はアメリカの利益にとって看過できないものになります。
世界の金融市場は厳しいものです。日本はまだこの荒波に揉まれていませんが、近い将来、世界の金融市場に頼らなくてはならない日が来ます。ただでさえ世界常識から外れている日本が、この未体験の金融市場でやっていけるとは思えません。
日本は、法的根拠もなく、中部電力に浜岡原発の停止をお願いし、中部電力の自発的な判断で停止してくれたと嘯いている国であり、世論は浜岡原発停止に大喝采を送っているのです。この日本の常識が世界に通用するとは思えません。
更に、事故調査委員会や東電調査会等のチェック機関を仲間内で構成して、デッチあげ結論を「良し」とするやり方も、世界には通用しませんし、認められることもありません。
いつまでも、日本村の論理を押し通すことは出来なくなるのです。

話は変わります。
震災前には、東京電力の株価は2150円でした。今の株価を150円とすると、2000円の下落です。10,000株持っていた人は2000万円の損失になります。震災前は税込みで60万円の配当がありましたが、その配当もゼロになりました。100年安心株と言われた東京電力ですが、株主だった人の中には人生設計が狂ってしまった人が大勢いるでしょう。国有化すれば株券は紙くずになりますが、ここまで株価が下がれば株主にとっては同じ事です。では、国有化しなかったことで誰が助かったのか。それは、利権集団の優等生である銀行です。社債や貸付金は数兆円ではきかないかもしれません。官僚とグルになって私腹を肥やした東京電力が窮地に立つのは自業自得ですが、一般株主は貧乏籤を引いたことになります。いつも、貧乏籤は庶民という結果になるのは、どうして。
原子力安全委員会は、今回の事故を人災だと言っています。「おい、おい、お前達がそれを言うか」と言いたいですが、斑目さんは平然としたものです。アンフェアが堂々と、そして平然と行われる日本。長続きするとは思えませんが。
医療機器のメーカーでニプロという会社があります。海外生産の比率を上げると発表して株価が上昇しました。会社説明は為替対策だそうですが、それだけではないと思います。日本国内から海外生産へシフトする会社が評価されるということは怖い事です。株式投資の世界では、産業の空洞化が「良い」ことだと評価されてしまうのです。
サプライチェーンの世界再編も進んでいます。震災で部品供給に問題があると判定された日本の部品メーカーは、この先、韓国等に奪われた注文を取り戻すために大変な努力が必要ですし、取り戻せないかもしれません。
「高齢社会白書」が発表され、65歳以上の高齢者が約3000万人となり、4人に1人がお年寄りの社会になりました。この先の展望は、40年後に2人に1人が65歳以上の高齢者という社会が待っています。年金制度が機能するとは思えません。経済成長など、夢のまた夢なのではありませんか。
「子ども・若者白書」が発表され、17歳以下の子供は7人に1人が貧困。母子家庭では2人に1人が貧困層になるそうです。失業率では、15-19歳で9.6%、20-24歳で9.0%、25-29歳で7.1%だそうです。全体の失業率は5.1%です。フリーターは172万人、引きこもりは70万人になるそうです。この若者の雇用不安は、若者に結婚を躊躇させ、少子高齢化に拍車をかけます。
13年連続で、自殺者は3万人を超えたままです。
このような崩壊への兆候を捜せば、まだまだ、山のようにあるでしょう。
一つ一つの事象は、その事だけで社会を崩壊させるほどの大きさではありませんが、一粒の雨水は集まることで大河になります。
いずれ、日本経済に否定しようのない暗雲がたれこめる日がやってきます。
それなのに、国には、何の対策もありません。
国民も、何もしません。
いつか、きっと、と。
日本人は、今、何の根拠もない希望に、自らの全人生を託しているのです。
でも、いつかは、現実に直面せざるをえません。

日本は、一歩、一歩、着実に、崩壊へと歩みを進めています。
日本人の性格なのでしょうか、実に几帳面な前進といえるでしょう。
何度も、何度も書きましたが、この崩壊は避けることができません。
この崩壊は、復興へと繋がる崩壊ではなく、終焉へと向かう崩壊だと書きました。
でも、私には何もできません。
このブログを読んでくれているあなたにも、できることはないでしょう。
そこで、視点を少し変えてみましょう。
崩壊が避けられないのであれば、その崩壊を復興という未来に繋がる崩壊にする方法はないのか、という視点です。
この20年間、日本は「じわりじわり」と壊れ続けてきました。この先の10年間も、同じ歩みになることが想定されます。
この「じわりじわり」が曲者です。
平成2年以降の財政収支の落差に、最初は危機感を持っていましたが、今では慣れてしまいました。小泉改革後、格差社会が問題になりましたが、それにも慣れてしまいました。
問題は、何も解決せずに、ジワジワ、ズルズルと悪化しています。このことは、人間社会では別に珍しいことではありません。
急激な変化には防衛本能が働きますが、緩慢な変化には、人間は慣れてしまうのです。そして、気がついた時には全ての手段を失っている現実に直面します。
投資の世界に「谷深ければ、山高し」という格言があるそうです。急激に下落した株価は反発する力も強いそうです。ダラダラと下落している株には手を出してはいけないと言われます。このことが、日本の現状に合致するものかどうか、確信はありませんが、参考にはなるかもしれません。
我々国民を鏡に映した姿が、政治家や官僚の姿なのでしょう。
虎ノ門や霞が関で行われているように、現実に直面することをせず、ごまかしや騙しや隠蔽や嘘で塗り固めた現実を白日のもとに晒すには急激な変化が必要になります。
人間が誰でも持っている防衛本能という野性を呼び覚ますには、激変が必要なのではないでしょうか。
では、その激変とは何なのか。
人間社会での激変と言えば、革命しかないように思います。
革命というものは、大勢の人が参加し、同じ目的を持たねばなりません。
そのためには、大義が必要とされます。
財政破綻の危険や、利権集団の強欲では大衆の大義には不向きです。
「格差社会をぶっ壊せ」であれば大衆の大義になれるかもしれません。
年収300万円の人、200万円の人、100万円の人、フリーターの人、仕事がない人と比べて、公務員の年収600万円は破格の待遇です。プロ野球選手やアイドル歌手は数が少ないですから許せますが、400万人もの公務員は貧しい若者の敵になれるのではないでしょうか。
農業や漁業や林業に従事している人の年収も200万円以下だと思います。
なぜ、税金で生活している公務員が、こんなに優遇されているのか。
「公務員の給料を半分にしろ」というキャッチフレーズにすれば、大勢の人が街頭でデモに参加してくれるのではないでしょうか。

日本で革命が起きれば、即座に日本は崩壊します。
勿論、人命も失われるでしょう。
日本の場合、政治不安は常ですが、社会不安が大きくなれば世界は日本から手を引きます。
日本製品は販路を失い、その経済失速は雇用も税収もズタズタに切り裂くでしょう。
エネルギーと食糧の枯渇により、国民は追いつめられます。
更に、多くの人命が失われます。
その結果、社会不安はさらに大きくなり、日本は崩壊するのです。
これは、激震になります。
運が悪ければ、種の絶滅の可能性は否定できません。
運が良ければ、それよりも少ない犠牲者で済むかもしれません。
そして、価値観さえ変えれば、日本人は生き残れるかもしれません。
とは言え、これは「賭け」に等しい革命です。
とても、こんなこと出来ませんよね。
でも、放置すればもっと悲惨な結果になるのですから、今は「賭け」に出る時かもしれません。
とは言え、これは、怖いですよね。
こういう状態をドン詰まりと言うのでしょう。
もっとも、この石田の主張には、重大で、致命的な、欠陥があります。
それは、この主張が絵に描いた餅に過ぎないということです。
私には実行力がありません。
革命戦士になってくれる若者は、このブログには来てくれません。
実現の可能性がないと言うことは、はっきりしています。
石田のマスターベーションに過ぎないのです。
結局、座して崩壊を待つことしかできません。
いつも同じ結論しか出ないのに、懲りずに書いているということは、誰よりも石田が馬鹿だということの証明でもあります。
どうすれば、悟りの境地に辿りつけるのでしょう。


2011-6-11



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