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真の軍事大国 [評論]



2023年も前半を終わろうとしていますが、世界の不穏な動きは衰えません。
国際関係の不安定化の最大の要因は、日米欧先進国の衰退によるものであり、それを代表する米中関係の不安定化ですが、それが世界規模で拡散しているように見えます。
その不穏な空気醸成の先頭を走っているのがプーチンですが、追い詰められたプーチンが、更なる不穏を作り出す環境も見えてきています。
一時期、北朝鮮の核ミサイル問題が大きな国際問題でしたが、今では、北朝鮮問題は、その比重を大きく下げています。核ミサイル開発が進んでいるにも拘わらず、です。これは、それだけ、世界に不安材料が増えてきたということだと思います。
アフリカ大陸の各国の政情不安は、昨日今日の問題ではありませんが、収まる気配がありません。
中近東は、静かに見えますが、波乱のマグマが溜まり続けているように見えます。
フランスのマクロンが、経済的な利益のために、中国にゴマ摺り外交を始めました。
中国の習近平は、スパイ法を強化しています。習近平の判断で、海外企業の社員を全員逮捕することも可能になりました。台湾有事の時の準備だと言われています。
インドは、漁夫の利を手放しません。アメリカが、モディ首相を国賓として招待すると言っていますが、インドは変わりません。

そんな世界情勢の中、日本は、ほんとに、平和です。
内閣支持率が上昇し、50%を超えた、という調査もあります。
国民の皆さんは、何を見ているのでしょう。
皆さんにも、何となく、六公四民という地獄の入り口は見えていると思います。
そして、皆さんが漠然と心配している六公四民は、必ず、現実になります。
それは、防衛費と少子化対策費の増加は一時的な費用ではないからです。恒久的な費用には、恒久的な財源が必要です。今、財源をかき集めているのは、得意とする、先送りをしているだけです。この先、恒久財源は必ず必要になります。それは、六公四民は避けられないということです。その、六公四民というレールを敷いたのが、岸田さんです。その岸田政権を、皆さんは支持しているのです。それは、六公四民を受け入れるということですが、そのことは承知しているのでしょうか。皆さんは、自分の墓を掘っているのですよ。
国をあるレールの上に乗せるのは簡単なことではありません。これまで、日本が得意としてきたのは、先ず、既成事実を作って、後は、なし崩しで、いつの間にかレールの上に乗ってしまっているというやり方です。これが、「なあ、なあ」「まあ、まあ」の国の利点なのかもしれません。岸田さんは、歴史的な偉業を達成するつもりなのでしょうが、結果的に六公四民の国を作ってしまいます。総理大臣の成果と国民生活を比べた時、岸田さんにとってどちらが重要かと言われたら、間違いなく、総理大臣の成果だと思います。
皆さんは、そんな器の小さな人に、この国を任せているのです。
「じゃあ、誰に託せばいいのだ。誰もいないじゃないか」と言うかもしれません。
これまでは、与えられた選択肢の「どちらが、ましか」で、何とかなってきたかもしれません。しかし、もう、過去の延長線上に日本の未来はありません。だったら、皆さんには、自分で、新しい選択肢を作るという方法しかないと思います。
主権者である国民は、誰かが餌を与えてくれるのを待つポチではありません。皆さんが、自ら、餌を作るしかないのです。岸田が駄目なら、国民生活を守ってくれるリーダーを皆さんが、新しく、作るしかないのです。
皆さんの中には、六公四民なんて、「俺には関係ねぇ」と思っている人もいるでしょう。
六公四民に関係しない国民なんて、一人もいません。日本に住んでいる限り、逃げ切ることはできません。例えば、消費税が増税され、いや、必ず増税になりますが、「俺には関係ねぇ」から払わないと言って、通りますか。「俺には関係ねぇ」と言う人には、スーパーが増税分を値引きしてくれますか。あり得ません。それでも、強引に商品を持って帰れば、あなたは窃盗罪で逮捕されます。「俺には関係ねぇ」と言えるのは、山奥で自給自足の生活をしている人だけです。
責任を取るのは、国民の皆さんです。「どこかの誰かが、うまいこと、やってくれる」なんて都合のいいことは起きません。責任を取らされる皆さんが、自分で、自分を、守るしかないのです。
六公四民の先にあるのは、七公三民です。七公三民の国とは、大量の餓死者が出ている北朝鮮と同じような国になるという意味です。七公三民が笑い話では済まなくなるかもしれないのに、ほんと、不思議な国民です。私には、理解できません。

民主主義には、欠点も弱点も弊害もあると言われています。
特に、似非民主主義の国では、それが致命傷になる可能性があります。
岸田さんのような「小人」をリーダーにしてしまうことは、大きな弊害、いや、致命的な欠点になるのだと思います。
岸田さんは悪人ではありません。いや、標準よりも上の善人なのだと思います。
岸田さんは、防衛費の倍増も、異次元の少子化対策も、誰も出来なかった「いい事」をやっていると、本人は、酔いしれているかもしれません。
しかし、岸田さんは、国は「国民生活を守る」ために存在しているという簡単な道理がわかっていません。いや、岸田さんだけではありませんが。
防衛費の倍増も、異次元の少子化対策も必要ですが、それは、先ず、国民を豊かにしてからやることです。
年々、国民を貧しくさせておいて、正しいことのためであれば、年貢を重くすることが正しいと勘違いしているのが岸田さんです。
たとえ、目的が正しくても、そのやり方を間違えてしまえば、それは、悪政になります。
岸田さんは、その道理がわかっていません。
これでは、国を守るという崇高な目的のためであれば、国民を貧困のどん底に閉じ込めていてもいいと考えている金正恩と同じです。
何よりも不幸なのは、国民が未だに「下々」のままで、どんなに最悪な「お上」であっても、我慢してしまうことです。「いい人」を演じることも大好きです。岸田政権を支持しているということは、そういうことです。
国民にも、岸田さんが、「いい事」をしているように見えているのだと思います。
それは、国民も、岸田さんと同じで、道理がわかっていないからです。
繁栄への相乗効果もあれば、衰退への相乗効果もあるのです。自分が最悪であることに気付いていない総理大臣と国民の組み合わせは、足し算ではなく、最悪の二乗になります。
ところが、最悪の組み合わせであることに、誰も気付いていません。
最悪の結果が出るのは、時間の問題だと思います。
これまで、日本の歯車は、空回りをしてきましたが、これからは、噛み合わせが狂い、暴走することになりそうです。

私には、今の国会が、江戸末期の江戸城老中の間に見えてしまいます。
その象徴的な出来事を見て見ましょう。やってきたのは、ペリーではなく、TIME誌です。
岸田総理がTIME誌のインタビューで何を語ったのかは別にして、TIME誌は宣伝文句として、「数十年続けてきた平和主義を放棄し、真の軍事大国になる」ことが日本の選択である、という見出しを発表しました。
岸田さんが言った言葉ではなく、インタビュー内容を要約し、現実の日本の政策を勘案し、岸田さんが言いたいことを短い言葉で表し、宣伝文句としたのでしょう。
その宣伝文句に吃驚した日本政府は、TIME誌に抗議しました。内閣府と外務省は、蜂の巣をつついたような大騒ぎになっていたと推察します。
その結果、TIME誌の宣伝文句が変更になりました。
現在の宣伝文句は、「首相は平和主義だった日本に、国際舞台でより積極的な役割を与えようとしている」に変更されたそうです。
日本が得意とする玉虫色の曖昧表現を採用しろと迫ったのでしょう。
では、TIME誌が間違ったのでしょうか。
TIME誌の本文を読んだ人の中には、「間違っていないんじゃない」という人もいます。
では、日本は、政府が主張する、国際舞台でより積極的な役割を果たすために、実際に、何をしているのでしょう。
防衛費を倍増しています。これ、現実です。
今、日本の軍事力ランキングは世界第8位です。
世界第8位の国が、防衛費を倍増するのです。
TIME誌が「真の軍事大国になる」と宣伝したのも、不思議ではありません。
確かに、TIME誌の言葉は挑戦的な言葉ですが、間違っているわけではありません。
ただ、日本の防衛費を倍増したくらいでは軍事大国にはなれません。そんなことは、TIME誌もわかっているでしょうが、TIME誌は、雑誌を売ることが仕事です。そのために、刺激的な言葉を使うのは雑誌社としては普通のことだと思います。
G7の議長国になり、TIME誌の表紙を飾るのです。
岸田さんは、舞い上がってしまったのではないでしょうか。
他の国のリーダーと違って、ほんとに、幼くて、可愛らしい、リーダーです。
岸田さんの本来の使命は、防衛費の増額でも、少子化対策費の捻出でもなく、ましてや、六公四民の国にすることでもありません。
岸田さんがやらねばならないのは、国力衰退を止め、豊かな国を作るために、新しい資本主義などと言う戯言ではなく、政治家や官僚の目を醒まさせ、国民の目を醒まさせ、自らの力で生き抜く国を作ることです。国民の意識が国の未来を決めるのです。そのためには、言葉の定義をすることから始める必要があります。ここまで追い詰められると、「なあ、なあ」「まあ、まあ」では国民を守ることは出来ません。

ただ、岸田さんとTIME誌のゴタゴタ劇は、些細なことに過ぎません。
それでも、折角ですから、日本が「真の軍事大国」になれるのか、いや、「国際舞台でより積極的な役割」を果たせるのかを見てみましょう。
どちらも、無理です。
その理由は簡単なものです。
衰退国家には、軍事大国になることも、国際的な役割を果たすこともできません。
経済力の裏打ちがなければ、どちらも、実現しないのです。
先程書きましたが、直面しているのは防衛費や少子化対策費の増額だけではありません。
総理大臣が、外遊して、カネをばら撒いていますが、あれは、岸田さん個人のカネですか。そうではありません。あれは、皆さんが納めた税金です。
防衛費も、少子化対策費も、他国への資金援助も、全て、皆さんの税金で賄われるのです。
では、皆さんは、まだまだ、余裕で、増税に耐えられるのですか。
とても、無理ですよね。
皆さんの収入が増え、自然増収があるのであれば、増税することなく、何とかなります。以前の日本は、そういう国でした。それは、国力が増大していたからです。
しかし、衰退国家には、それが出来ません。皆さんの収入は、減っているのです。
日本の衰退は、明らかに、末期症状です。
衰退国家のリーダーである岸田総理は、現状認識もなく、防衛費の増額や国際貢献の話を海外の雑誌社に、得意気に語っているのです。国民生活なんて念頭にありません。
皆さんは、そんなリーダーでいいのですか。
もちろん、岸田さん以外の人がやっても、同じです。
それは、誰もが「なあ、なあ」「まあ、まあ」でやっているからです。
問題は、岸田さんではなく、「なあ、なあ」「まあ、まあ」なんです。
このままでは、七公三民だって、夢ではありません。
このままだと、皆さんの生活は、それほど遠くない未来に、破壊されます。
ここまで追い詰められると、そのことに気付くしかないと思います。
ただ、日本の致命傷は総理大臣ではありません。
日本以外の国は、国民に活気があります。少々、リーダーの質が悪くても、逞しく稼いでくれます。日本の場合は、最後の砦である国民の皆さんが「俺には関係ねぇ」と言っているのです。リーダーの資質の良し悪しが、そのまま、国の良し悪しになってしまうのです。
ですから、この国は、必ず、潰れます。
その結果が出た後では、どうすることも出来ません。
どうか、気付いてください。
国民の皆さんは、正真正銘、最後の砦なのです。
そのことに、今、気付くしか、ないと思います。
皆さんが「いい人」を演じていれば、自分で自分の首を絞めることになります。
多分、まっ先に地獄へ行くのは「いい人」の皆さんだと思います。


2023-06-03



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