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蛸の足



政治家には財政健全派と財政無頓着派(世間では積極財政派と呼ばれています)が存在すると言われています。
今の総理大臣は、財政健全派だと言われています。
ほんとに、そうなのでしょうか。
私には、岸田さんが、健全な財政を念頭に置いて政治をしているようには見えませんが、他の政治家よりは、財務省に気を使っているという意味なのかもしれません。いや、岸田さんは、財務省だけではなく、誰にでも気を使いますので、財政健全派というネーミングは間違っているのではないかと思っています。「まあ、まあ、そこを何とか、よしなに、よしなに」と笑顔を振りまくのは上手なようです。
補助金と給付金の大盤振る舞いをする総理大臣が、財政の健全を重視しているようには、とても、思えないのです。
臨時国会前に打ち出した、岸田政権の経済対策4本柱というものがあります。
1.物価高対応や賃上げへの取り組み
2.円安を生かした地域の「稼ぐ力」の回復・強化
3.「新しい資本主義」の加速
4.国民の安全・安心の確保
です。
1の物価高対応や賃上げへの取り組みについて見てみましょう。
既に決定されている低所得者への5万円給付があります。これ、給付金です。
ガソリン価格高騰対策では、元売り会社に対して補助金を出しました。
電気代高騰対策として、1世帯当たり2000円相当分の補助金に準ずる手法(手法が違うだけ)を考えて電力会社に出すようです。
賃上げに協力してくれた中小企業に対しては補助金を出すようです。
給付金と補助金てんこ盛りです。
2はインバウンド収入を当てにしているようですが、3と4は、中身が見えません。
では、給付金と補助金で、日本経済は、何とかなるものなのでしょうか。
無理だと思います。
財政が悪化するだけに終わると思います。
つまり、岸田さんは財政健全派の政治家ではないということです。
政府と自民党は、給付金と補助金だけでは、体裁が悪いと考えたのか、使い古された構造改革という言葉も追加しました。この構造改革という言葉を、これまで何度聞いたのか覚えていませんが、何かが変わりましたか。多少の変化はあったのかもしれませんが、それで、国力衰退のトレンドは変わりましたか。いいえ、何も変わっていません。
それでも、また、構造改革です。
芸がないと言うか、能がないと言うか、スローガンや耳障りのいい言葉を並べておけばいいと考えているのかもしれません。
それとも、政府内部では、弥縫策のことを構造改革と呼んでいるのでしょうか。
言葉の定義がありませんので、解釈は自由ですが、国民の皆さんは、これでいいのですか。
何か、チョロチョロと策を出しておけば、とりあえず、先送りできるなんて時代は終わっています。この国は、もう、ドン詰まりの所へ来ているのです。
構造改革という言葉の定義を棚上げにしたとしても、日本の現状は、「改革」程度でどうにかなるものではありません。
今、この国に必要なのは、革命です。
もちろん、武力革命のことではありません。文化を変える革命が必要なのです。
その事を理解している方が、この国には、一人もいないように見えます。

今の国家運営では、何も解決しません。
そもそも、岸田さんに期待するのが間違っていると思います。
これは、岸田さん個人の問題ではなく、政治の問題でもないと思います。
必要なのは、ルールだと思います。
この世には、スーパーマンはいませんし、スーパーパワーもありません。
社会を維持するためには、全ての人に果たさねばならない責務があることを認識することでしか、社会は豊かにはならないのだと思います。もちろん、その責務の重さには軽重があります。しかし、重責を負っている人が一人だけで何かが出来るわけではありません。
これまでは、賃金は「労働の対価」だと言われてきましたが、賃金は「責務の対価」だと考えれば、理解していただけるかもしれません。収入が多くなれば、それだけ責務も重くなると考えてください。もちろん、収入の少ない人にも責務はあります。
国民生活を守るためには、責務の明確化は不可欠なものですが、責務が明らかになっていても、責務は果たさなければ、意味を持ちません。多くの方が責務を果たすために必要になるのが「目的」です。目的がなく、責務だけがあるのであれば、頑張る意味がありません。いや、頑張れません。
例えば、企業の社長の目的は、当たり前のことですが、利益を出し、会社を存続させることです。しかし、国民の一人としての「目的」が「子供達の未来を守る」ことだとすると、今とは違う働き方があるのではないかと思います。当然、高給取りの社長の責務は、社員の責務よりも重いと思います。会社の存続だけが目的であれば、あるいは、自分が社長をしている間だけ存続できればいいと考えていたら、「子供達の未来を守る」ことはできません。国力衰退を放置したままで、「子供達の未来を守る」ことなんて不可能です。
この国には、国民共通の「目的」がないのです。
目的がないから、「なあ、なあ」「まあ、まあ」になってしまうのです。
ここで言うルールとは、「目的」と「責務」のことです。
政治は、ルールを時代に合わせ、そのルールが効率よく動くようにすることが仕事です。「なあ、なあ」「まあ、まあ」というルールでは、もう、時代に適応できません。
給付金でも補助金でも、「貰えるものは、貰っておこう」と考えるのが普通です。給付金反対という世論は生まれません。今回の5万円給付について、「低所得者だけなの」と不満を持つ人はいますが、全国民10万円なら、誰も文句は言いません。
賃金上昇を誘導する補助金も、企業にすれば、補助金を出してくれるなら、「貰っておこうじゃないか」と知恵を絞ることになります。
石油元売り会社も電力会社も、補助金は、先ず、自社の経営を改善することを優先すると思います。国民は、電気やガソリンを使わなければ経済活動も生活も出来ません。国民に「値上げしたら使わない」という選択肢はないのです。消費者にカネを出してもらうか、政府にカネを出してもらうかの二者択一なのですから、どちらでもいいのです。
中には、不正を働いてでも補助金を詐取する人だって大勢います。
人は、給付金や補助金では、誰も、前向きな行動に移ろうとはしません。
皆で、棚から牡丹餅が落ちてくるのを待っているだけに見えます。
これで経済が活性化するのでしょうか。
棚を見上げて、牡丹餅を待っている状態でも経済効果があるのでしょうか。
ありません。
国民が「やる気」になってくれる仕組みが必要なのです。棚の下で牡丹餅を待っている人達が、今以上の富を生み出してくれることはないと思います。
「蛸は自分の足を食べて生き延びるらしい」という冗談があります。それは、蛸には8本もの足があるから、という2足歩行の人間の勝手な解釈に過ぎません。蛸が、自分の足を食べることなんてありませんし、6本食べてしまって、足が2本あれば生きていけるなんて、人間の勝手な妄想に過ぎません。
では、日本人は皆で、誰のものでもない税金を、借金を、食べていれば、生き延びることができるのでしょうか。
蛸は自分の足を食べませんが、人間は自分の税金を食べています。
富を生み出すこともなく、税金を食べていれば、行き詰まることは明らかです。
これは、自殺行為です。

「コロナなんだから」「物価高なんだから」という言い訳を手に入れた政府は、給付金と補助金の大盤振る舞いをやっています。国民から大歓迎されそうなものですが、何故か、政権支持率が下がっています。給付金と補助金がなければ、支持率は0%になっているということなのでしょうか。いやいや、日本人は「いい人」ばかりですから、「まあ、まあ、岸田さんだって頑張っているんだよ」と考えてくれる人だって大勢います。
ただ、この財源は、全て、借金です。
財政赤字や借金に慣れてしまったこの国では、「借金して、なんで、悪いの」というニューノーマルが闊歩する社会になってしまい、危機感を持つ方は、まるで、異端児みたいな目で見られます。
では、何度も聞きますが、どうして、皆さんは、そんなに不安なんですか。
経済破綻、金融破綻、財政破綻という波に押し流された時になって気付いても、後の祭りなんです。そのことを、皆さんの本能は知っているのです。
今でも、「借金では、日本財政は破綻しない」と言い張る方が、それなりにいます。そう主張する方の中には、「極論ですが、税金でさえ不要です。全て、借金で賄っても財政破綻は起きません」と言っています。言うのは勝手です。もちろん、「借金で、財政破綻は起きる」という私の主張も同じで、私の勝手な言い分です。では、結果が出た時、どちらのほうがダメージは大きいのでしょう。借金容認派の皆さんは、財政破綻が現実になった時、どう対処するのでしょう。言うのは勝手ですから、皆さん、「知らんぷり」すると思います。もちろん、逆の場合、私も「知らんぷり」をします。何を選択するのかは皆さんが決めます。
財政が破綻する時、破綻するのは財政だけではありません。金融破綻、経済破綻が同時発生するのです。金融が破綻すれば、銀行が倒産します。当然、皆さんの預金は紙屑になります。経済が破綻すれば、多くの企業が倒産します。それは、多くの皆さんが収入を失うということです。そんな国の貨幣は、誰も相手にしてくれません。日本の貨幣の価値がなくなれば、エネルギーも食糧も輸入できなくなり、皆さんの生活が成り立たなくなります。
電気もガスも水道もなくなり、1億2000万人分の食糧もありません。多くの国民が、薪で火を起こし、野生の植物を集めてきて、柔らかくして、食糧にしなければなりません。中には、釣りが上手な人がいて、贅沢な生活を可能にするかもしれません。
1億2000万人の人が、薪を使えば、日本の山は丸裸になります。災害も頻発します。
栄養不良で病気になる方が増え、日本人の寿命は、織田信長の時代のように「人生50年」になるかもしれません。
「かくかくしかじかの理由で、財政破綻なんて、起きやしない」と言っている方の「かくかくしかじか」が成り立たないことなんて、いくらでもあります。「かくかくしかじか」が破綻した時のダメージが大きすぎます。
私から見ると、財政破綻否定論者の皆さんは、結果的に、国民生活を破綻させる極悪人にしか見えません。ただ、極悪人も悪人も小悪人も、普通の人に見えますので、見分けがつきにくいものです。しかし、このような極悪人が存在しているために、悪人や小悪人が大手を振って歩いています。それが、自民党であり、岸田さんです。
もちろん、国民の皆さんが、それを認めているのですから、私が「あれ、これ」言っても何の役にも立ちません。
ただし、責任を取らされるのは国民の皆さんだということを知っているのでしょうか。
とても疑問です。
「あちゃー」と言っても、後の祭りなんです。
知らないとは思いますが、皆さんには、皆さんの生活を守る責務があります。
ほんとに、「無知」は怖いと思います。
確かに、皆さんは「いい人」です。掛け値なしに「いい人」だと思います。きっと、岸田さんも「いい人」なんだと思います。
でも、「いい人」であっても、地獄へ堕ちる時は堕ちるのです。
皆さんは、自分で、自分の生活を守らなければなりません。
真面目に働いていれば、「いい人」でいれば、大人の対応をしていれば、自分の生活が守れると思っているのかもしれませんが、それは、違います。
この世には、潮流という厄介なものが存在しています。
潮流に逆らえる人はいません。「いい人」も「悪い人」も押し流されてしまうのです。
つまり、悪しき潮流を作らないことが、自分の生活を守るということなのです。
何となく気付いてはいると思いますが、既に、悪しき潮流は生まれています。
それが、国力衰退という潮流です。
皆さんは、余りにも、無知です。
現実を知ってください。
悪しき潮流を作らないためには、何をすればいいのか、を考えてください。
国力衰退という現実を知り、その原因を究明し、対応することが「生活を守る」という言葉の意味です。真面目に働き、ひたすら「いい人」を演じていても、「俺には関係ねぇ」と言っていても、地獄へは堕ちます。
もちろん、原因を究明しただけでは、何も変わりません。原因には、その原因があり、原因の原因には、原因の原因の原因があるのです。根っ子にある原因の原因の原因を究明して、更に、行動しなければ、何も変わりません。実に厄介ですが、他に方法がありません。
国は、その国の国民次第で、どうにでもなるという摂理も存在していることに気付いて欲しいと思います。今、皆さんが信じている常識は、2000年の時間をかけて、「お上」が作り上げた常識にすぎません。1万年前の常識のほうが、現実に合うと思います。「自分の生活は、自分の国は、自分で守る」ものなのです。皆さんは、無能ではなく、無力でもありません。皆さんは、無知なだけです。無知は、現実を知れば済むことです。不安を感じているということは、「ヤバイ」ということなのです。


2022-11-06



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