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破滅の時を待つだけ [評論]



給料は上がらない。その上、手取りは減り、物価は上がる。
当然。
「生活、苦しい、ですよね」
「とりあえず、貧しい人を、救いましょうよ」
この意見に反対するのは、難しいです。
先月の参議院選挙でも、「ばら撒き」公約の乱発状態でした。もっとも、野党が「ばら撒き」公約を叫んでも実現の可能性はありませんので、国民に無視されました。スキャンダル好きで、「ばら撒き」しか思いつかない野党には困ったものです。
では。
「切り捨てて、いいのですか」
自民党でさえ、さすがに、自己責任だとは、口にできません。
前にも後ろにも進めません。立ち往生です。
では、苦しい生活は、いつまで、続くのでしょう。
誰も、その答を持っていません。
と言うことは、永遠に、「ばら撒き」を叫ぶしかありません。
野党の「ばら撒き」公約に、何か、意味があるのでしょうか。
それよりも、「ばら撒き」は永続可能なのでしょうか。
「とりあえず」ですから、そんなことは、誰も言いません。
「先送り」をすれば、いつか、きっと、神風が吹くに違いなない。
誰もが、心のどこかで、そう思っています。
ほんとに、そうなのでしょうか。
日本の議論は、この堂々巡りをやっているだけです。
これって、もう、「ドツボ」に片足を入れているということなのではありませんか。いや、両足、いやいや、胸元まで、糞尿に浸かっているのかもしれません。とりあえず、呼吸困難にはなっていないから、「なあ、なあ」「まあ、まあ」で済ませていますが、それも、時間の問題だと思います。

選挙という関門のある民主国家では、世論には勝てません。
その世論は、ある日、突然、好転するのでしょうか。
そうは、ならないと思います。
だって、現に、生活は苦しいのですから。
そして、苦しい生活は、何となく、ずるずると、続きますので好転はしません。
このままだと、厄介なことに、皆さんの生活は、もっと、苦しくなります。
でも、多くの皆さんが、将来のことを考えても仕方ないと思っています。
どこにも、出口がない。
早々と、貧困生活を余儀なくされている皆さん。
「なんで、私が」と思っているのではないでしょうか。
運、不運は、均等とは限りません。時間差があります。
もう少し待ってください。時間が経過すれば、誰もが不運に遭遇します。
たまたま、皆さんには、早めの不運がやってきただけです。
今、余裕のある生活をしている人も。
「まあ、まあ」な生活をしている人も。
既に、生活が苦しい人も。
例外なく、貧しい生活をしなければならなくなります。
国力衰退は、じわじわと、ずるずると、でも、着実に進行する潮流のようなものです。
大きな流れですから、時間差が生じるのは仕方のないことなのです。

給与所得は減る一方です。中には、賃金の安い女性のバートが増えているから、一人当たりの賃金が低く見えるのだ、と言う人もいます。
そうではありません。どこの国でも、女性は立派な労働力です。
確かに、どこの国でも、女性の賃金が男性の賃金よりも高いということはありません。
でも、日本の男女格差は、歴史と伝統に培われ、世界に誇れるほど最悪な水準です。その男女格差是正に挑戦するだけで、女性の支持を得られるのに、野党は何もしません。
この国は、女性から搾取しています。
もちろん、政府にも企業にも、女性を搾取しているなんて意識はありません。
「いじめ」も、皆でやれば、怖くはありません。
でも、実際には、女性は「いじめ」に逢っています。
日本企業のメインテーマは、人件費の削減です。
多くの企業が、いや、大半の企業が、守りに入っています。
水は、高い所から低い所へ流れるものです。
男性の正社員に支払う給与より、女性のパートに支払う給与は低くて済みます。
100%代替が出来ないとしても、そこそこ、業務が前に進むのであれば。
安い賃金の女性のパートで、何とかなるのであれば。
男性の正社員は必要ありません。
「とりあえず」現状維持ができれば、それでいいのです。
これでは、給料は上がりません。
企業だけではなく、国も、社会保険料国民負担を増やし、税額控除項目を減らしています。
つまり、手取りも減っているのです。
企業も国も、寄って多寡って国民を食い物にしているのです。
特に、女性が「いじめ」られています。
今、専業主婦をやっている人は、何人いるのでしょう。
今や、女性は、欠くことのできない労働力です。
そんな女性に。
生活費を稼げ。
子供を産め。
家事もしろ。
という暗黙の圧力をかけているのが、日本社会です。
ほんと、女性の皆さんは、よく、我慢しています。
まだ、表面化していませんが、女性の不満は高まっています。
人口の半分は、女性なのです。
「何とかしろ」と言う声は、聞こえてきませんが、「何とかしろ」と思っています。
でも、何ともなりません。
なぜなら、国力衰退というトレンドがあるからです。
日本という国も、社会も、家族も、壊れ始めています。
いつの時代でも、崩壊する時に、最初に現れる現象が経済現象です。
カネさえあれば、他に何もいらない、とは言いません。
でも、カネがなければ、どうしようもありません。
なぜなら、人間は食べていかなくてはならないからです。
カネは、食い物であり、生存そのものに影響するのです。
つまり、国力の衰退、国民の貧困化は、絶対にやってはいけないことなのです。
しかし、その議論が、全く、進みません。
政治家も、官僚も、学者も、企業経営者も、一般国民も、根っ子を見ようとしていません。
この世は、天の采配で動いているのではありません。人間が動かすのです。
必要なのは、誰が、何をするのかの、責務の明確化です。
そんな議論はされていません。
議論がなければ、方向性は生まれません。
政治家、官僚、学者、企業経営者を一堂に集めてみてください。何人いますか。
圧倒的に多いのは、一般国民です。しかも、貧しいのは、貧困当事者は、国民です。
一般国民が、議論しなければ、解決策は生まれないと思います。
しかし、ここが問題です。
「誰も、対応策を提示できていない」なんて、偉そうなことを言っている私ですが、国民の皆さんが議論を始めるためには何が必要なのか、について、私は対応策を持っていません。
つまり、私を含めて、誰一人、対応策を持っていないのです。
ですから、国家崩壊は避けられません。
皆で、赤信号に飛び込むしかないのです。
運がよければ、助かる人もいると思います。
ただ、生き残るよりも、死んだ方がましかもしれません。
生き残るということは、苦痛が継続するということです。
所謂、生き地獄の中で、生きていくのです。
私は、国家崩壊の犠牲者として、あの世に行きたいです。
多分、国家崩壊の犠牲になる前に、寿命であの世に行けると思っているから、こんな能天気なことを言っているのだと思います。申し訳ありません。

私達は、大きな変化に対しては、対処しょうとします。
それが、本能ですから。
しかし、小さな変化は、対処しません。
「まあ、何とかなるだろう」と思ってしまいます。
衰退という現象は、この小さな変化の集大成です。
しかし、「塵も積もれば山になる」のです。これ、自然の摂理です。
ほんとに、自然の摂理って、怖いな、と思います。
自然の摂理はこれだけではありません。「物事には、表もあれば裏もある」もそうです。
日本が誇る「和の精神」にも両面があります。
「和の精神」が前向きに働いていれば、大きな力になります。
しかし、後ろ向きに働いた時は、誰にも止めることができません。
それが、今、この国で起きていることです。
どうすればいいのでしょう。
お手上げです。
国民の皆さんは、例外なく、「俺ではない誰かが、何とかするだろう」と思っています。
もちろん、総理大臣も、そう考えています。
では、一体、誰が、どうやって、「何とかする」のでしょう。
「八百万の神」ですか。「神風」ですか。
誰もが、他人事です。
かつての日本人が、明治維新という軍事クーデターをやったことが不思議です。
西欧かぶれをした若者が先頭に立ったから、出来たのかもしれません。
彼等は、思慮分別の塊ではありませんでした。
今の、「いい人」ばかりの、思慮分別のある皆さんには、出来ないと思います。
「若気の至り」「暴走」「無茶苦茶」は、起きようがない社会になっているようです。
今の私達にとっては、「波乱」こそが悪なのです。
「いい人」は、「波乱」を一番嫌います。
全部、「なあ、なあ」「まあ、まあ」で収めてしまえば、「波乱」は起きません。
「いい人」は、たとえ、生活が苦しくても、「波乱」を嫌います。
これは、もう、信仰です。
工場には必ず「安全第一」という看板があります。
国中に、街中に、道路上に、「安全第一」という標語が書かれているみたいです。
厄介なことに、何もしないことが「安全」につながると思い込んでいます。
そうではありません。
どんな社会でも、必ず、危険はあるのです。
危険を除去しなければ、「安全」は確保できません。
「いい人」は、「俺は、悪いことはしていない」と信じています。
でも、それは、皆さんが「自分の責務」を知らないだけです。
皆さんには、「子供達の未来を守る」という目的とその目的を達成する責務があるのです。
時として、自分の「安全」を犠牲にしても、動かなければならない時があります。
この国が衰退しているのは、総理大臣だけが悪いのではありません。
一番悪いのは、「安全第一」という言葉を勘違いしている国民の皆さんです。
何もしないことが安全なのではありません。
無能な総理大臣に国家運営を委託している皆さんに責任があるのです。
皆さん、自分で自分の首を絞めていることに気付いていません。
でも、目的もなく、責務も明確でないこの国では、誰も、そのことに気付きません。
これでは、どうすることも出来ません。
ただ、ただ、破滅の時を待つだけです。


2022-08-02



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