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国民だって何もしていない [評論]



先月も数人の方の記事を参照してもらいましたが、この国の現状と将来を心配し、警鐘を鳴らす方が増えていると感じています。
ただ、どなたの記事も、警鐘ですから、実際の対策は程遠いのが現状です。
もちろん、現状認識と警鐘は、どんな時代でも必要です。
しかし。
実際に対策を実施するのは政治の仕事ですが、政治は動こうとしません。
政治を動かすために必要なのは、国民の意識と行動ですが、国民も動きません。
警鐘ばかりが鳴るだけで、何かが変わるという空気は感じません。
「おい、こんなに危機的状態なのだぞ、何とかしろ」という文章と、常識的で表面的な対応策の提案に終始していて、これでは「嘆き節」です。
数少ない警鐘者の腰を折るようなことを言っているのかもしれませんが、気が付いている方には、現状と未来の不安を打破する提案が求められています。
いや、提案だけでは足りません。行動メカニズムの解明が必要です。
結果を出すためには、行動が必要なのです。
国民の皆さんが、どうすれば、動いてくれるのか、そのメカニズムを見つけなければ、山ほどの警鐘を鳴らしたとしても、どんな対策を提示しても、何の効果もありません。
「嘆き節」で終わってしまいます。
私も、警鐘と提案を書いていますが、「嘆き節」に過ぎません。
「俺は警鐘を鳴らしたからな」「俺は提案をしたからな」では、何の役にも立たないのです。
私は、この10年間。
現状を認識しよう。
将来を予測しよう。
対策を考えよう。
それが出来たら完成だと思っていました。
違いました。
行動メカニズムを見つけなければ、全てが無駄になるのです。
何もしなかったことと同じなのです。
その事に気付いて愕然としました。
でも、それが現実なのです。
私は、まだ、行動メカニズムを見つけることができていません。
この先、見つけることができるのかどうか、わかりません。多分、無理です。
当面は、現状認識と将来予測と対策立案という自慰行為を続けるしかないようです。
ま、「何もしないよりは」と自分を慰めながら、やるしかありません。
ですから、このブログを読んでくださる皆さんは、冷ややかな目で見ていただけばいいと思います。実現する目途がないのですから、屁のツッパリにもならない戯言だと思ってくださっていいのです。
ただ、壊れることに変わりはありませんので、自己防衛手段は、考えてください。
間違いなく、この国はドツボにはまります。

今日も、警鐘を鳴らしている方の文章を抜粋転記したいと思います。
植田統さんという方の文章です。
全文を読みたい方は、JBpressのサイトで読んでください。
植田さんも書いていますが、自己防衛手段は、海外移住しかありません。既に、海外移住をした方は先見の明があったということですが、まだ、間に合います。豊富な資産をお持ちの方は、是非、検討してみてください。ただ、私のような貧乏人には、選択肢はありません。貧乏人には、自己防衛手段は、ないのです。世界一の最貧国になって、のたうち回るしかありません。ま、自分が選んだ道ですから、仕方ありません。

植田統さんの記事。
日本の将来はお先真っ暗だ。人口は減る、国内総生産(GDP)は成長しない、国内市場は縮小する、財政赤字は膨らみ続ける、給与は上がらない。その一方で、デフレが続いたおかげで物の値段は安く、国民の生活は安定している。
 でも、それは「今のところは」という但し書き付きの状態だ。なにせ財政は破綻しかかり、それに対して政治家は何のアクションも起こそうとしないどころか、さらに財政を悪化させようとしているからだ。
 そんな状況を見て、海外のグローバル企業は日本を見捨て始めた。日本企業も生産拠点を海外に移転し、日本で稼いだ巨額の資金を海外企業の買収に投資し始めた。
 個人レベルでも、優秀な人材は日本企業を見捨て外資系に転職し、若くてアグレッシブな起業家はシリコンバレーや深圳に活路を求め、資産家は海外株への投資を本格化させ始めた。
 こうした現実を直視し、それを止める魅力的な方策を今のうちに打ち出さないと、日本国自体が空洞化し見捨てられていく。それなのに、岸田総理にとてもその覚悟があるとは思えない。
国内全法人ベースの海外生産比率(海外の現地法人の売上高を海外に出ていない企業を含めた国内の売上高と現地法人売上高の合計で割ったもの)は、2010年度には18.1%であったものが、2018年度には25.1%へと伸びた。
 海外進出企業ベースの海外生産比率(海外の現地法人の売上高を海外進出している企業の国内売上高と現地法人売上高の合計で割ったもの)はさらに大きく、2010年度に31.9%であったものが、2018年度には38.2%だ。最も海外生産が進んでいる輸送機械では、国内全法人ベースの海外生産比率が46.9%にも達しているのである。
 日本企業の海外M&Aについては、2010年に300億ドル(約3兆円)だったが、2018年には1680億ドル(約17兆円)にまで伸びている。ちなみに、日本企業の設備投資金額は49兆円だから、いかに大きな金額が海外M&Aにつぎ込まれているかがわかる。
 これに対し、日本企業同士のM&Aは900億ドル(約9兆円)程度、海外企業による日本企業のM&Aは100億ドル(約1兆円)にも満たない。日本企業の多くが、海外市場に活路を求め、海外企業は日本市場を見捨てている。
本屋に行って株式投資の本を見れば、米国株投資が全盛であり、日本株より米国株に投資をした方が得だと思う投資家が急激に増えていることがわかる。政府が設立しようとしている大学向けの10兆円ファンドも、海外投資をして運用利回りを上げることが前提だ。 
 なぜ日本企業も日本人個人も日本脱出を試みるのか。その原因は明らかだ。
 毎年40~50万人の人口が減る人口減少社会となって、国内市場が縮小していく。しかも、高齢化が進んでいくから購買力も低下していく。この結果、日本企業の国内売上は低迷する。だから、海外市場出ていくしかなくなる。でも、海外市場でも、動きの早い欧米企業や中国企業との競争には勝てない。
こうした状況を打開するには、ビジネスモデルを変革し、自ら新たな技術、新たな市場を開拓しなければならない。だが、会社の経営陣は頭の固い年寄りばかりで、ITもグローバルもわからず、若手の出してくる革新的な提案を受けいれない。いつまでも様子見が続き、それが競争力の低下に拍車をかけている。新しい技術や市場というものがわからないので、リスクを取って決断する勇気がないのだ。
過去30年競争に負け続けた日本企業に勤めるビジネスパーソンは、戦意を喪失している。自分の懐具合を見れば、給与も増えていない。もはや韓国にも給与で抜かれてしまったというニュースに愕然とする。日本国を見れば借金だらけ。年金財政、健保財政も悪化し、自分の将来への不安が募る。
 今のうちにもう少し稼いでおきたいと思うが、他の日本企業へ転職しても給与は上がらない。そこで、外資系企業への転職を考えてみたものの、英語ができず国際性もないので、とてもやっていける自信がない。ましてや、海外へ行って働くという勇気もない。つまり、八方ふさがりという現実に慄然としている状況だ。
その時に、個人レベルでできることと言えば、自分の資産の国際化しかない。そこで、思いついたのが米国株投資だ。
 一般のビジネスパーソンレベルだとこれ以外にできることはないが、超のつくお金持ちは、相続税のないシンガポールに全財産を持って移住する人もたくさんいる。
日本国、日本人の根本的な考え方、マインドセットを変えていかなければ、何も変わらない。時間のかかる作業であるからこそ、早急に変革に取り組み始めることが必要だ。


この方は、日本人の「考え方」を変えなければならないということに気付いています。
その通りだと思います。結果を変えるのではなく、「考え方」を変える必要があります。このことに気付いている方は、ほんとに、少ないです。私が提唱している「曖昧文化」を「定義する文化」に変えることも、「考え方」を変えることです。
ただ、それを実現する方法がないのです。
これまでも、じわじわ、ずるずると衰えてきたこの国は、この先も、粛々と、衰え続けます。つまり、この国は、ご指摘の通り「お先真っ暗」なのです。
国民の皆さんは、「いい人」で「大人しい人」で「奥ゆかしい人」ばかりですが、この「お先真っ暗」は感じ取っています。だから、不安なのです。
しかし、行動はしません。
それは、「いい人」を演じることをやめた時に、何が起きるのか不安だからです。
2000年も演じ続けてきたのですから、そう簡単にはやめることができません。
でも、今起きていることは、日本史上、初めての試練です。
「何とかなる」ような代物ではありません。
皆さんが感じている不安を不安のままにしておけば、ドツボにはまるのです。それも、半端なドツボではなく、世界一の貧困国になるのです。北朝鮮の国民でも、真っ青になるくらいの貧困国になるのです。
国民が「何とかする」しか方法はありません。
そんなことは、政治の現実を見れば歴然としています。「お上」に期待をしていても、何も実現しません。
国民の皆さんは、今、判断を求められているのです。
ドツボにはまるかどうかの判断です。
今のところ、皆さんは、ドツボを選択しています。
「俺は、そんな選択していない」と言うでしょう。
いや、いや、私は、皆さんが積極的に選択しているとは言っていません。
「何もしない」という選択も、立派な選択なのです。
それは、ずるずる、じわじわ、粛々、という壊れ方を見ればわかっていただけますよね。
皆さんは、「何か、しましたか」
いいえ、何もしていません。
「俺には関係ねぇ」と言っているだけです。
これこそ、究極の自己責任だと思います。
皆さんが選んだ道ですから、私に四の五の言う権利はありません。
「どうぞ、ご自由に」としか言えません。
今は、まさに、正念場です。「背に腹は代えられない」状況にあります。
「いい人」を演じ続けることをやめるよう、提案したいです。
最貧国になってから、「俺達には生きる権利がある」なんて言ってみても、何の役にも立ちません。「どうぞ、勝手に、生き残ってください」と言われるだけです。
今なら、まだ、国民が一丸となれば、もしかすると、生き残る道があるかもしれません。
挑戦する価値はあると思います。
それでも、国民の皆さんは、きっと、「何もしない」のだと思います。
ですから、皆さんが責任を取るのです。
これ、当たり前のことです。
どうして、このことに気付かないのか、私には理解できません。
諄いようですが、誰のせいでもありません。国民の皆さんが選んだことです。


2022-01-02



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