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お金がありません [評論]



生活保護法の改正(?)が閣議決定されて、法案として提出されるようです。以前にも書きましたが、生活保護受給者が200万人以上という現実は、何を意味するのでしょうか。私には、国家運営の失敗としか思えないのですが、違うのでしょうか。
国家運営を間違った人達が、生活保護を申請する国民をまるで罵倒するがごとき法案を作るのは、なぜなのでしょう。生活保護を受けなければ生きていけない人を、できるだけ作らない国にすることが、為政者の仕事なのではありませんか。受給者数の記録更新は、為政者の皆さんが責任を果たさなかった結果なのではありませんか。国民に対してだけは、何でも自己責任で済ませるのであれば、国家など必要ありませんし、国民は納税する必要もありません。お殿様と貧農の構図があるのは、なぜなのでしょう。なぜ、黙っているのですか。これって、弱い者いじめですよね。子供達に「いじめはやめましょう」と言っているのは、どこの大人達でしたっけ。
一方、生活保護バッシングのキャンペーンに踊らされて、付和雷同する国民の頭の中は、どうなっているのでしょう。この国では、誰でも生活保護を申請しなければならない境遇になりえるのです。明日は我が身です。権力者に同調して、生活保護受給者をバッシングする国民の無神経が、私には理解できません。この国には正真正銘の馬鹿しかいないのですか。私の目には、何かがズレているようにしか見えません。権力者も国民も、我を失っているとしか見えませんが、これも、終末期の現象なのかもしれません。
ほんとに、悲しいことです。
生活保護費を不正受給している人が一人もいないなどと、誰も思っていません。どこにでも、不正を働く人はいるものです。正論を言いだせばきりがありません。正論であれば、巨額不正の温床にいる人達が、生活保護の不正を糾弾するのは筋が違うことになります。それは、殺人者が万引き犯を犯罪人だと罵倒することと一緒です。先ず、政界から不正を排除し、官僚組織で不正を撲滅してから、生活保護受給者の不正を排除するのが筋だと思います。発言権のない生活保護受給者には、何をやっても許される国なんて、まともな国とは思えません。
法案の内容については、多くの方が書いておられるので、それを読んでいただければわかると思いますが、ここでは、そのトレンドに注目してみます。
先ず、なぜ法案改正(?)の必要があるのか、その原因を見てみましょう。
お金がありません。
この一言に尽きると思います。
もう少し、厳密な言い方をすれば、「下々」に施すお金はありません、ということです。
もちろん、これは「お上」が贅沢をするお金を守るためです。
では、「下々」って、誰?
それは、あなたや私のことです。そして、99%の国民のことです。
私は、まだ、何とか生活保護費には頼っていませんが、そのような状態にならないという自信はありません。
そうなった時、生活保護は貰えそうにもありませんから、私に残されている選択肢は、犯罪か自殺か餓死のどれかだと思います。
では、法案改正(?)の目的は、何なのでしょう。
生活保護費として支出される国家予算の金額は、借金の利払いに比べたら、大きな金額ではありません。全廃はできませんから、生活保護行政の締め付けをして節約できる金額はそれほど大きいものではないのです。ただし、それが社会保障費全体の締め付けのプロローグに過ぎないとすれば、意味を持ってきます。
自民党の憲法草案のことを書きましたが、そこにも、家族が書かれています。
権力者達の考え方は、国にはもう「下々」に施すお金がないから、自分達で何とかやってよ、というものです。家族(3親等以内の家族)を扶養するのも見捨てるのも、あなた達の自由です。日本は法治国家ですから、法律は守ってください。そのための法律は、これからどんどん作りますから、というものです。そのことは、いずれ憲法にも明記します、と自民党は言っています。その第一弾が、生活保護法の改正(?)です。国民のほとんどが生活保護には縁のない人です。ですから、生活保護の行政が変更になっても関心はありません。それでも、これで、国は実績作りができます。それを基に、社会福祉は自助と共助を主流にして、公助をレアケースにすれば、自分達の取り分を減らさなくても済みます。憲法改正が出来るかどうかは別にして、その草案の中に「家族」という言葉が埋め込まれている状況には不気味さを感じます。憲法以外の法案では国民投票はありません。彼等は、どんな法律でも作れるのです。生活保護法の改正(?)も、その一例に過ぎません。
今や、社会保障費は国家予算の中の放蕩息子のように言われ、悪の権化になりつつあります。生活保護受給者のバッシングに始まるプロジェクトは全国規模で展開され、生活保護受給者は極悪人のように思われ、自助と共助を主流にするレールは敷かれました。年金・医療・介護への応用では威力を発揮するでしょう。それが目的です。お年寄りの皆さん、そしてその内にお年寄りになる皆さん、これは、あなたの問題なのです。
トレンドという言葉は傾向という意味です。上昇トレンドは、それを打ち消す何らかの条件により変化しますが、その条件が出てくるまでは、その傾向が続きます。
もう、消費税が10%で打ち止めだと思っている人は少なくなったのではないかと思いますが、消費税だけではなく、税金や保険料や光熱費は増加トレンドに乗りました。
国の借金は増え続けています。当然、金利負担も増えます。しかも、長期金利が上昇すれば、さらに金利負担が増えます。坂道の雪達磨にたとえれば、よくわかると思います。これも、増加トレンドです。
それらに反して、社会保障費は減少トレンドを求められています。
それぞれのトレンドを打ち消す条件は、今のところ見つかりませんので、このまま続くことになります。
この状況を見る限り、この国は国家運営に失敗していることが明白だと思います。
将来予測をすることなく、税金を使いまくっていたのですから、仕方ありません。
その結果に対して、「下々」を最初の犠牲者に選ぶのは、封建社会での権力者の常道です。
国民が最初の犠牲者になるのですから、この国が、国民主権国家などではないことは、次第に明らかになります。この国では、国は国民のためにあるのではありません。
ここで、私達が忘れがちなことを思い出してください。権力者達の生活を支えているお金は、どこから出されているのでしょうか。税金ですよね。「下々」と蔑まれている私達の税金で彼等は生活しているのです。非正規社員が勤労者の1/3を越え、非正規社員の年収は200万円です。ところが、税金で生活している人は、一般公務員でさえ650万円の生活ができます。政治家にも献金という建前で、それ以上のお金が入ってきます。政党助成金という追い銭も税金から出されています。これって、どうみても、変じゃないですか。いつの間にか、階級制度に戻って行っています。それでも、国民はへらへら笑うのですか。これって、ほんとに他人事なのでしょうか。これでも、まだ、偽の民主主義を信じ、封建制度に甘んじるのですか。なぜ、暴動を起こさないのですか。私達「下々」は施しを受ける立場なのでしょうか。やはり、どこか、変ですよね。
これは、壊れていく国の崩壊現象です。国民は、どの段階で気付くのでしょう。最後まで気付かないのでしょうか。あっ、すみません。気付いても、もう手遅れだということを忘れていました。願わくば、穏やかに死んでいけることを祈ります。
この国の崩壊は、石田の予測では13年後ですが、予測が外れて崩壊が早くなった時には、どうか許して下さい。


2013-05-27



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