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悪口雑言 [評論]



何度か読まれた方ならご存じだと思いますが、このブログは「暗い話」専門です。金太郎あめのように、どこを切っても暗い話ばかりです。
そして、残念なことに、今日も選挙関連の暗い話です。

自民党の安部氏をはじめ、ほぼ全政党が、デフレは諸悪の根源かのように言っています。多くの経済学者やコメンテーターも、同じ事を言います。では、どうやってデフレを脱却するのかというと、実体のある経済政策はではなく、金融政策です。国家運営の責任を有している政治家ではなく、日銀に頼っているだけです。
金融政策でデフレを克服しさえすれば、日本経済は成長軌道に乗ると言わんばかりです。
本当に、そうなのでしょうか。
私には、苦し紛れの言い訳にしか聞こえません。
この国では、いろいろなものが疲弊しました。経済もその一つです。その結果が、デフレという現象なのではないのですか。もし、そうであるならば、紙幣を刷りまくって結果としてのデフレをインフレにすれば、経済の疲弊が再生するという論理になります。
原因に手を付けずに、結果を変質させたとしても、その本体は変われないのではないか、と思う方が無理のない考え方にみえますが、違うのでしょうか。
経済が縮小するよりは成長する方が選択肢は増えますので、有難い事だと思います。しかし、先進国の経済成長時代は終わったと何度も書きました。先進国には、もうその選択肢はないのです。そこを出発点にせざるを得ない時代だと思うのです。
成長戦略がないから経済成長ができない。だから、その結果を書き変えて経済成長に結び付けたいという論理には、騙しの構造があるように見えます。或いは、昔の高度経済成長の時代が忘れられなくて、「夢よ再び」という夢を見ているだけなのかもしれません。結果を書き変えて経済成長したかのように見せるのは、騙しにすぎないのではありませんか。
一般論では、原因があって、結果があるのです。
例えば、私は勉強に不熱心だったから、偏差値が低く、60以下です。この場合、勉強をしなかったことが原因であり、結果として偏差値が低くなったのです。その偏差値60に着目し、金をふんだんに使って偏差値を80に書き変えることに成功したとします。私はどんな大学にでも入学できるのでしょうか。これって、騙しでしょう。こんなことをすれば、誰もが暴挙にすぎないと考えます。一般論では、そうなっています。国の経済運営は別なのですか。国家運営は別だと強弁する人もいますが、背中に「欲」という荷物を背負っているように見えてしまうのですが、違うのでしょうか。
デフレ克服という言葉が一人歩きを始めたために、どんな手段を使ってでもデフレ克服をしようという風潮が生まれました。金融政策で、無茶をやってでもデフレさえ克服できれば明るい未来があるという錯覚に陥っているだけなのではありませんか。
夢を持つことは大切な事です。でも、そのためには、たとえ苦しくても、努力という過程が必要になると思います。努力をせずに結果を書き変えることは、騙しに過ぎません。
結果を書き変えることで、現実から逃避している姿勢は、国として末期症状です。
これほど、騙しと嘘と隠蔽が平然と行われている時代は、近年では珍しいと思います。昔、第二次大戦の終盤で、大本営発表という嘘の戦果が発表されていた時代があったと聞いていますが、今はあの時代に似ているように見えます。大本営発表が敗戦へと繋がったことを考えると、今は、やはり末期症状なのでしょう。
嘘つき野田は、解散時に消費増税ではなくTPPを争点にすると言っていました。しかし、今は、前に進むのか後退するのかが争点だと言っています。ひどすぎませんか。あるテレビのコメンテーターが「野田総理は、消費税増税法案が成立したら、国民に信を問う、と言って解散した筈。なぜ、消費税を争点にしないのか不思議です」と言っていました。前に進むのか後退するのかという意味で言えば、民主党は前に進んでいたのではなく、横道に逸れていただけです。あの野田という人物は、どれだけ嘘を並べれば気が済むのでしょうか。これまでも、多くの総理大臣が、多くの嘘を語ってきましたが、野田は歴代総理の中では突出して嘘の多い総理大臣でした。品が下がりますが、どうしても野田には敬称を付ける気がしません。あれは、総理大臣としてではなく、政治家としてでもなく、人間として失格だと思います。
ま、私を含めて国民の出来が悪いのですから、政治家だけを責めるのは卑怯だと思いますが、それにしてもひどすぎます。
さらに、各党の選挙公約から、まだ成長戦略の文字が消えませんし、実体のない騙し文句のような経済成長や国民所得の増大という美辞麗句が並べられています。それは、まだ、どの党も現実を受け入れていないということなのです。現実を受け入れれば、選挙が不利になるから受け入れられないのです。実現しなくても夢を語る方が選挙に有利だと思っているのです。夢だけではお腹はふくれません。毎日の生活のために、どれだけ多くの人達が夢を諦めたことでしょう。それが、現実なのです。選挙では夢を語ってもいいのだという暗黙の了解がありましたが、そうではない時代もあることに、政治家が気付こうとしません。まだ、国民を騙せると思っているのです。この国には、山口県民ではない国民もいるはずですが、少数派には力がありませんので、このような詐欺的手法も正解なのかもしれません。山口県民なら一緒に夢を見てくれます。いい人達ばかりですから。
どの党も同じ事を公約しているということは、皆で嘘をつけば嘘にはならないという日本的コンセンサスが成り立っているということです。騙す相手は山口県民ですから、それでも正解なのでしょうが、それでいいのでしょうか。
ですから、選挙公約を見る限り、どの党が政権をとっても、経済運営に関しては、何も変わることはありません。このままですと、4年後の選挙公約でも、同じ事を公約するしかありません。それは、何十年も続くことを意味します。政治家自身が、自分達は無能だと宣言しているのですから、手の打ちようはありません。経済運営に失敗すれば、国は潰れるのです。夢や嘘を食べて生きていくことなどできないのです。
もう、誰も根っ子を見ようとしなくなりました。
今では、辻褄合わせが当たり前になっているのです。
そうやって、この国は、もう20年間も国家運営に失敗しているのです。
システム不全で不毛になったこの土地で、何を育てるつもりなのでしょう。
これが、崩壊の前兆でなくて、何なのでしょうか。
ただ。
まだ選挙は終わっていませんので、微かな希望は残っています。
たとえば。
自民党40%減、民主党80%減、それ以外の政党が大躍進になれば、日本国民にはまだ正しい選択をする力が残っているということです。何かが変わる期待だけは残ります。
そうなれば、私も山口県民に対する悪口雑言を謝罪しなければなりません。
また、そうなれば、あくまでも希望的観測ですが、既成政党は政界再編に追い込まれることになりますし、政治家はこれ以上国民を騙すことができないと知ることとなり、本当の争点を表に出さざるをえなくなります。
国民が選挙権という権利を行使し、責任を果たせば、首の皮一枚ですが、まだ未来につながる可能性はあります。可能性にすぎませんが、大切な事です。
この国の将来は、山口県の皆さんの両肩にかかっているのです。
山口県民が目を覚ましてくれることを、切に願います。
勿論、私は、こんなこと、無理だと思っています。
でも、自分の不明を詫びる事態になることは、大歓迎です。

少しだけ、話題が変わります。勿論、「自分さえよければ」という点では同じ中身です。
関西のローカル番組ですから、ご覧になっていない方も多いと思いますが、「アンカー」という報道番組があります。青山繁治さんという危機管理アドバイザーを知っている方もおられると思いますが、先日の番組で拉致事件について語っていました。
野田は、拉致被害者家族の横田夫妻の了解もとらずに、北朝鮮と談合して、横田夫妻を北朝鮮に行かせる話し合いをしていたそうです。勿論、選挙のためです。これは、新聞での報道もあったと思います。横田夫妻は、政府に対して「北朝鮮の謀略に乗るつもりはない」と北朝鮮行きを断ったそうです。さらに、野田は北朝鮮のスパイ組織と外務省を通さずに接触し、12月15日に重大発表をする計画を進めていたそうです。12月15日は総選挙の前日です。11月25日、大阪で開かれた拉致被害者を救う集会の席上で青山氏が野田の動きを発表しましたので、野田の予定は変わり、12月5日に外務省局長級会談になったそうです。ですから、12月5日以降に何らかの発表が出てくる可能性があります。今まで、何ら成果を上げていない拉致事件で、解散を宣言し、選挙戦に入るこの時期に、なぜ、こんな陰謀を計画したのでしょう。民主党の大敗は約束されていますので、何とか点数が稼ぎたかった。つまり「自分さえよければ」という考えだったのです。12月16日の投票日までに、無理してでも発表しようとすれば、それが第一目標になりますので、発表される内容は相手に譲歩しなければなりません。それは、北朝鮮にとって有利な拉致事件の解決になります。そのことは、なかったことにされる拉致被害者が生まれるということになります。選挙を少しでも有利にするために、日本国民を北朝鮮に売り飛ばすということです。私は、野田が総理になった時に、野田政権は亡国内閣になると言いました。国民を自分の利益のために売り飛ばす政権は、文字通り亡国政権です。国とはなにか、国民とはなにかという基本理念すら持ち合わせていない男が一国の総理大臣になってしまったのです。実に恐ろしい事です。
仮に、拉致被害者を500人だとすると、500人の国民を売り飛ばすことのできる政府は、5,000人でも50,000人でも500,000人でも5,000,000人でも売り飛ばすということです。
それが、今の「お上」です。国民の全財産をハイパーインフレという手法を使って、奪い取るくらい簡単にできる事です。
今日、冒頭で「この国では、いろいろなものが疲弊しました」と書きました。一番疲弊したもの、それは人間なのかもしれません。野田に限らず、人間の劣化は目に余るものがあります。随分前に、石田の視点は人間の「欲」に着目することだと書きました。日本崩壊の原動力は「自分さえよければ」という強欲だと書きました。野田は、その代表選手なのかもしれません。
特に今は、選挙前ということで、欲がむき出しになっています。国民のことを考えてくれている政治家などいるようには見えません。悲しい事です。
自分の欲のためなら「何でもあり」です。国の指導者が率先して「自分さえよければ」をやっている。そんな国が存続できるとは思えません。なかでも恐ろしいのは、私達国民の「しきい値」が下がってしまう事です。「何でもあり」が当たり前になってくると、以前は納得できなかったことでも「まっ、いいか」になってしまいます。これって、人の心が壊れていっているということではないでしょうか。対応できない弱者はどんどん切り捨てられていきます。それが、今の日本社会です。
人間が劣化しているのですから、どう転んでも、この国は崩壊するしかないのです。


2012-11-29



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