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おしん [日記]



ニューズウィーク紙のコラムの抜粋を紹介します。
筆者はクォン・ヨンソクという方です。
1970年、ソウル生まれと書かれていましたので韓国人だと思います。現在は一橋大学の准教授をしておられるようなので、今は日本在住だと思いますが、海峡を一つ越えただけで国際感覚で日本を見ることが出来るという証明かもしれません。
海外の目がいつも正しいとは限りませんが、私達は自分の姿を見つめる材料にしなければならないのではないかと思います。文面は3.11同時災害のことを書いていますが、日本の基本的な問題点を見事に指摘していると感じました。文中の下線は私がつけました。

コラムの表題は 「 それでもお上に従順な日本の「おしん」たち 」 というものです。

 統治者にとって日本ほどのパラダイスはないだろう。未曾有の大震災に見舞われても被災者は先の見えない避難所生活に耐え、子供たちはけなげな笑顔を忘れない。水が売り切れたスーパーの棚を見ても、なぜ海外から早急に輸入しないのだと政府に不満の声が上がることもなく、代わりに人々は買い占めや風評被害、国外や西日本への「逃亡者」を糾弾する。

 原発事故の深刻さを海外メディアに指摘され、お上と東京電力に情報公開や迅速な対応を求めながらも、彼らを信じて「耐えるしかない」と自分に言い聞かせる。

 しかし、ドラマ『おしん』さながらの忍耐力を世界から称賛されてきた日本人の我慢も限界を迎え、不安と怒りが徐々に臨界点に達しようとしている。情報の透明性をより強く求めるようになり、放射能に関する国の基準にも異議を唱えるようになった。これはむしろ、ようやく日本人が震災のショックから少し立ち直り、正気を取り戻している証拠だと私は感じている。

 極端な言い方をすれば、原発事故後の日本政府はまるで、かつては裕福だったが今は崩壊しかけた家に住む一家の家長のようだった。周囲(外国)からは、あなたの家(日本)には深刻な問題がある、このままでは事態はさらに悪化するので早急に子供たち(国民)を避難させ、支援を求めるなどの手段を講じなさいと勧告される

 だが「うちの子は大丈夫です」「うちの方針がありますので」「うちの伝統と技術は素晴らしい」と言い張っては、汚染物を黙って垂れ流している感じだった。国民や周辺国の住民の安全より、官僚や東電のメンツのほうが大事なのだろうか。


2011-6-19



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