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東電の逆襲 [日記]



5/19に東京電力が17枚の写真を公表しました。津波の写真です。
今頃、何、これは、と誰もが思いました。
実は、いよいよ、東京電力の逆襲が始まったのです。
窮鼠猫を噛むというか、覚悟を示したというか、脅しをかけたというか、本気で戦うつもりはないでしょうが、「やるぞ」という意志は表明したことになります。
今の政府の発言であれば、根こそぎ持っていかれるという危惧があるのでしょう。資産も給料も年金もボロボロにされそうだし、送電網も危険に晒されているのですから、法廷闘争も辞さないという脅しです。
「我々は国の基準に従って、設備を作ったのだから、我々に瑕疵はない。賠償は国の責任で行うべきである」という意味です。
多分、この写真を機に政府は弱腰に転換することでしょう。電力という武器を持った東京電力の方が強いでしょうし、何よりも、官僚との距離が政治家より遥かに近いからです。
官房長官が社債に言及したことが、この逆襲の引き金になったのかもしれません。
政府の発言は矛盾だらけですから、経済界では「こいつら、何するか、わからん」という意見が多いと推察します。株主を庇護しておいて、社債に言及するのはルール違反だと、銀行協会の会長が不快感を表明しました。東電は経済界も味方につけました。
東電救済スキームの法案提出が遅れることも原因の一つでしょう。法案さえ通してくれれば、後は官僚がどうにでも料理できるからです。
東京電力の賠償責任に上限はないと官房長官が言っています。菅さんの東電に対する怒りの感情が、そのまま枝野発言に反映しているのかもしれません。でも、枝野さん。あなたはこの国がどのように統治されているのか、本当のところがわかっていません。自民党政権であれば、文句は言わない替わりに利権の分配を要求したでしょう。
本当は、国営化がまともな処理だったのでしょう。それができなかったのだから、この先は官僚と東京電力に押し切られることになると思います。
なぜなら、東京電力より国に多くの責任があったことは事実ですから。

ダイヤモンド・オンラインに東電救済スキームの資料が掲載されています。東電も銀行も痛まないように作成された資料は官僚の力作です。いや、完成の域に達した、名人芸ともいえるマジックかもしれません。国民負担だけで何とか乗り切ろうとしていたのに、枝野さんが勝手な事を発言して波紋を広げてしまいました。
民主党の政権運営はボロボロですが、そこが唯一民主党政権の良さではないでしょうか。自民党政権時代では、このスキームも国民の目に触れることなく法案として成立していたと思われます。ただ、メディアが官僚サイドについていますから、この希少なアドバンテージを活かすことができません。大変残念です。
官僚が枝野対策に困っているのがわかります。菅政権が続くのなら、枝野更迭を進言するかもしれません。菅さんと海江田さんは官僚の支配下に入っていますが、何故か枝野さんだけが強気なのです。
官僚達は「官僚を舐めたらあかんで」とは言いませんが、思っているでしょう。
本当の権力者が誰なのか、民主党政権にもわからせねばならないと思ってる筈です。
だって、実際に動かしているのは官僚達ですから、政治家の声は犬の遠吠えと同じようなものなのです。菅さんが送電分離のことや、太陽光のことを言い始めていますが、これも同じ事です。「やれるものなら、やってみろ」と思っているでしょう。
東京電力の弱体化は、官僚の望むことではありません。何といっても巨額の利権ですから。
あの17枚の写真は、たかが写真、されど写真という意味だと思います。


2011-5-22



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