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戦略ミス [日記]



民主党代表選挙に一言。
視野狭窄と自己保身と自己利益の実現を目論む財務官僚の手先となった菅総理が、総理大臣にふさわしくない事は言うまでもありませんが、選挙巧者と言われていた小沢さんでも戦略ミスを犯せば代表選挙に勝てても将来の展望は開けません。ダメダメ候補の一騎打ちとなったことは国民にとって大変不幸な結果となりました。
菅さんは政治家として最低の人間ですが、小沢さんにはチャンスがありました。ところが、ここ数回の公開討論で小沢さんは自分からチャンスを逃してしまいました。明らかに戦略ミスです。小沢さんでも平常心が保てないほど動揺することがあるのか、それとも、それほど大した政治家ではなかったのか。小沢さんは昔から国の仕組みを変えなければならないと言っていました。日本の問題点を把握している数少ない政治家だと思っていたのですが、今の発言を聞いていると私の勘違いだったのかもしれません。国の仕組みを変える以外に日本が再生する道はありませんが、これは歴史的大事業です。大勢の人の血が流れることになるのは避けられません。
「ご批判は甘んじて受けます。しかし、今、国家運営を間違えば、日本は危機的状態になり、修復ができなくなります。今、求められているのは、強いリーダーシップです。もう、浅知恵では立ちゆかない所へ追いつめられているのです。今までのように、お上のための政治ではなく、国民一人一人のための政治が必要なのです。政治や行政をぶっ壊してでも国の仕組みを変えなければなりません。そのためには、強い信念と、強いリーダーシップが必要とされているのです。私が立候補したのは、そのためです。私は国のために捨て石になります。私には、その覚悟があります」
私が小沢さんの選挙参謀なら、このような原稿を書きます。たとえ、嘘でも、そう言わなければなりません。
反論や弁解は一切しません。どちらが、強いリーダーシップを発揮するか、その一点に絞って戦います。小沢さんは悪人顔なんですから、多くを語らずに、愚直に一点突破しなければいけません。そうすれば、菅さんは自滅すると思います。
今のままでは、崩壊への一里塚が、また近づきます。

代表選挙後に一言。
今日現在では、情勢は五分五分だと言われています。私は小沢さんが優勢だと思っていますが違うのかもしれません。そこで、選挙後のシナリオを考えてみます。
菅さんが勝利した時。
民主党は分裂します。小沢さんが自由党を再結成して、自民党、公明党と連立政権を作ります。小沢自由党に政権の可能性があれば、多くの民主党議員が自由党に参加することになるでしょう。民主党は衆議院でも参議院でも過半数に満たなくなります。官僚代理人の菅さんが総理大臣をしなくて済みますから、いいことだと思いたいのですが、相手が自民党ですから、国民にとっては辛い結果となります。
小沢さんが勝利した時。
民主党はしばらく分裂しません。菅さん、前原さん、野田さんは独立しても野党になるだけです。そんな勇気は無いと思います。反小沢派が民主党を離脱したとしても、小沢さんには大連立というウルトラCがありますので、怖くはありません。当面、小沢さんは公明党と連立を組み、ねじれを解消し、法案を成立させます。
ただし、少し時間はかかりますが、反小沢派と自民党が連携する政界再編が始まります。或いは、微かな可能性ですが、解散総選挙もあります。なぜ、微かな可能性なのかと言うと、選挙区の調整が短時間では難しいからです。国会議員にとっては選挙区の調整が最大の関心事ですから、簡単に妥協はできません。政治家は自分の都合だけで数合わせに奔走しているのです。菅さんも小沢さんも、同じ穴の貉だということです。

国会議員は誰一人として日本国のことを考えていないのですから、自分の利益のためだけに行動します。何でも有りだと思わなくてはなりません。為政者が「自分さえよければ」を競い合って、そこから何が生まれてくるというのです。
どちらにしても、民主党は漂流を始めます。いえ、もう既に漂流している訳ですから、残った食料と水の奪い合いが始まる、いわゆる餓鬼道が定着すると言った方が適切かもしれません。でも、餓鬼道はいずれ破綻します。
菅さんと小沢さんの話は、相手を非難する発言ばかりです。国家国民のことは、自分に利益があると思う時だけ利用しているにすぎません。
凋落し始めたオバマ大統領ですが、無名だったオバマを大統領にした戦略はネガティブキャンペーンを最小限にして、「チェンジ」と叫んだから勝てたのです。選挙とはそういうものです。余談ですが、なぜオバマ大統領はアメリカ国民の信頼を失ったのか。イラクやアフガニスタン、イスラエルや中国の問題が原因ではありません。もちろん、医療改革の問題でもありません。経済政策の失敗が唯一の原因です。どんな国でも経済問題が最大の課題なのです。経済政策に失敗すれば、どんな政権でも窮地に陥るのです。去年の日本の政権交代も、基本的には経済問題だと言えます。デフレを克服できなかった自民党が政権を失ったということなのです。
総理大臣を選ぶ民主党代表選挙だというのに経済政策の競い合いではない現状を見ると、民主党政権が続く条件は限りなくゼロに近づいています。それなのに、国民に選択肢が無いだけで続く政権は、末期症状だと思います。自分に向かって「ご愁傷さま」と言うしかない国民は哀れと言うしかありません。「ジコチュウ」菅さんの顔を見てると、ムカムカしてくるのは、私だけですか。閉塞感だけが増幅する日本という国に未来があるとは思えません。

先日、南極マラソンツアーの話を聞きました。参加費用は450万円だそうです。年収100万や200万で苦しむ若者がいる国で、マラソンに参加するだけで450万です。これは、構造的な歪みなのです。そんな国で、たとえ年収100万の若者に月々2万円の補助を税金から出しても何の解決にもなりません。経済構造を変えて、働く若者が自分の生活を築くことを可能にすることが本物の経済政策なのです。それができない政府なら、皆で「ドツボ」にはまるしかありません。総理候補の二人の話を聞いていて、国民は希望を持つ事ができる、と言える人はいるのでしょうか。
モザンビークで7人の死者が出たという記事を見ました。小麦の値上がりで、主食のパンが30%値上げになったそうです。その詳細はわかりませんが、こういう記事が増えていく世界。日本は大丈夫だと誰が保証するのです。誰一人として保証してくれる人はいません。日本では、皆で危険な話題を避ける事が暗黙の了解なのです。政治家や官僚が国を滅ぼす訳ではありません。政治家も官僚も国民も、皆で一致協力して崩壊に向かっているのです。確かに、日本人は悲劇のヒロインが好きですけど、これはフィクションではありませんので、どうかと思いますよ。
小説の世界ですが、犯罪捜査で刑事達は予見に囚われるなと言いながら、自分の中ではシナリオを考えますよね。実際に捜査に当たっている刑事がそんなことはしない、と言い切れるのでしょうか。刑事も人間ですから、きっとシナリオを想定していると思います。捜査の結果で判明するあらゆる事実が合致するシナリオ。それが事件解決に向かうシナリオなのです。日本崩壊という終着点を想定したシナリオを描いてみると、日々起きている様々なことがシナリオを補強する材料になっている。これは、ホンボシなのではないでしょうか。未来の事など誰にもわかりませんが、それでもシナリオは着々と進行していく。これって、怖い事だと思います。


2010-9-4





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