SSブログ

ペコペコ集団 [評論]



7月に行われた群馬県知事選挙の投票率が、29.65%で、過去最低になったという記事がありました。
知事選挙の投票率を見ると、元々、群馬県の投票率は47ある都道府県の中で、41位で、決して高くはありません。前回は、36.6%だったようです。ただ、今回の29.65%は46位になりますので、群馬県としては問題があるのでしょう。
全国1位は秋田県で、67.4%。最下位の47位は埼玉県で、24.9%です。
投票率の全国平均は、47.7%ですし、最下位の埼玉県よりは上ですから、29.65%という数字が特別な数字ではないようです。
群馬県民の皆さんも、「まあ、こんなもんだろう」と思ったのではないでしょうか。
東京都周辺の地域が低投票率になっているのは、「俺には関係ねぇ」意識が強いことによるのではないかと思います。埼玉47位、茨城46位、千葉45位、栃木44位、群馬41位と最下位争いをしているのは東京を取り巻く県ばかりです。
ただ、私が一番驚いたのは、全国1位が秋田県だったことです。
以前、NHK受信契約件数を調べた時も、全国1位は、秋田県でした。
多分、これ以外にも、秋田県は優秀な数字を一杯持っているものと思います。
まさに、「お上」にとって、優等生、昔流に言えば学校に従順な「級長」さんです。「お上」から見れば、「下々」にも優劣があるということのようです。
これは、階級制度に縛られている秋田県を褒めているわけではなく、無関心な群馬県を非難しているのでもありません。
「土下座」することに抵抗感のない秋田県も、「俺には関係ねぇ」と言う無責任な群馬県も、他の都道府県の皆さんも、民主主義を意識していない、いや、「知らない」ということだと思います。以前にも書きましたが、「1億2000万人総無知」状態なのだと思います。
この国には、「民主主義とは」という定義がないのですから、当たり前と言えば当たり前のことです。
知事選挙の投票率で、1位の67.4%と47位の24.9%には、2.7倍の差があります。これは、統一国家というよりも、昔の幕藩体制での数字のように見えてしまいます。その土地その土地の風土で投票率に大きな差が出ている国を、近代国家と呼んでいいのかと思います。
これは、言葉の定義がされていないこと、「あるべき姿」が見えていないこと、つまり、国の統治システムが近代化されず、封建制度が継続されていることを示しています。
本来の「あるべき姿」が国民には見えていないのです。
21世紀になっても、未だに、この国は封建制度です。
それは、国民の皆さんが、意識を変えないからだと思います。
皆さんは、今でも、「下々」です。
「下々」が貧困に苦しむのは、封建制度下では珍しいことではありません。
国民の皆さんは、貧困を自己責任だと容認しています。ほんとに、「いい人」です。
もちろん、「悪い人」を推奨しているのではありません。
でも、度を越えた「いい人」は、皆さんを苦しめることになります。
「いい人」をやめて、「強欲」になれと言っているのでもありません。
ただ、間違いなく、限度があると思います。皆さん、「いい人」をやり過ぎです。
確かに、その匙加減は難しいと思いますが、原則を見つければ、それなりに限度は見えてくると思います。
英雄と言われるような個人がいても、国は豊かにはなりません。
国民の皆さんの総合力が国の豊かさを決めます。
国民の皆さんが目的を持ち、責務を知り、責務を果たすことで、国は豊かになります。
確かに、国民の皆さんは「いい人」です。でも、「いい人」だけでは、国は豊かになりません。ですから、貧困に苦しむ人が増えているのです。この先は、もっと、貧乏人が増えます。「いい人」を演じていれば、結果オーライになるわけではないのです。どうか、そのことに気付いてください。

国民の皆さんをボロクソに言っていますが、では、国民が頼りなくても国がしっかりしているかと言うと、永田町ではスキャンダル探しとガキの喧嘩が横行しています。与党と野党は、伝統的にガキの喧嘩をする仲ですが、最近は、野党同士のガキの喧嘩が盛んになっています。いつものことですが、民主主義の定義もせずに、「民主主義の破壊だ」と言う野党もいます。どの政党も、国民に向き合うのではなく、政党間の権力争いに熱中しています。彼等は、自分の選挙のことしか見えていません。国民不在の政治活動こそ「民主主義の破壊だ」と思いますが、そのことに気付くこともありません。確かに、日本は、民主国家ではありませんので、こんなものでもいいのでしょう。
どっちもどっち、です。
ただ、木原事件では、その扱いが変わっています。
スキャンダルが大好きな野党の皆さんも、流石に、下半身のスキャンダルには飛びつかないようです。ま、確かに、警察の捜査が絡んでいると、手が出せないのかもしれません。
でも、妻には殺人に関与した疑惑があり、愛人との間には認知問題があり、妻と愛人は友人であり、まさに、ドラマ並みのドロドロです。ただ、木原議員は政権の中枢人物であり、岸田政権と呼ぶよりも木原政権と呼ぶ人もいるほどの大物ですから、テレビのワイドショーも、喧嘩が売れないようです。政党も警察上層部もテレビも、忖度合戦をやっています。「まあ、まあ」が飛び交っているものと思います。国会議員は、マジで「お殿様」なのかもしれません。ドラマで「お前なんて、クビにするのは簡単なんだぞ」と政治家が警察官に脅しをかける場面がありますが、実際にあるリアルな話のようで、驚きました。
こんな国が繁栄するとは思えません。
国力衰退は、必然だったと思います。
ま、皆さんは、皆で仲良くドツボに落ちるなら仕方ないと思っているようですから、何を言っても無駄なのでしょう。
それでも、子供達の未来を考えると、何とかして抵抗したいと思います。

群馬県知事選挙で当選したのは、現職の山本一太氏です。
この記事には票数も出ていました。
棄権           111万3210票
山本一太氏         36万3559票
石田清人氏         7万7198票
清水澄氏          1万8534票
白票など無効票         9809票
これ、カネをかけて選挙する意味があるのでしょうか。石田氏と清水氏が立候補辞退をすれば済む話なのではないでしょうか。7万票とか1万票に意味があるようには見えません。
山本知事は、投票率の低下について「本当に深刻だ。知事としても政治家としても県政にもっと興味を持ってもらい、投票率増加のため何をすべきか真剣に考えないといけない」と述べたそうです。
では、山本知事は、何をするのでしょう。
広報活動の予算を増やすくらいしかないと思います。
知事は、県民が県政に興味を持っていないことが低投票率の原因だと思っているようですが、何故、県民は県政に興味を持っていないのでしょう。
原因の原因は、何なのでしょう。
県政が、県民にとって自分事ではないから、興味を持てないのです。
群馬県民の7割の人が、県政は自分事ではなく、「俺には関係ねぇ」と思っているのです。でも、これは、県民が間違っているのではありません。実際に、県政なんて他人事でしかないのです。私には、秋田県の数字のほうが異常に見えます。
国の権限が強いので、地方自治体にできることには限度があります。その上、地方行政に寄生している利益集団は国に寄生する集団とも利益を供用しています。馴れ合い、「なあ、なあ」「まあ、まあ」で行政は動かされています。
国政も地方行政も、政治家と利益団体のために動いているのであり、国民生活のために仕事をしているのではありません。
国民の「俺には関係ねぇ」は、間違っていないのです。
国民は、政治が自分達の生活のために動いていないことを、直感で知っています。
県が、広報活動に予算を投じても、投票率には影響しません。
今は、国の責務も地方自治体の責務も、闇の中です。
ま、確かに、「俺には関係ねぇ」と逃げている国民も、責務を果たしていないのですから、大口は叩けません。
皆で、責務を果たさずに、皆で、ドツボに入りましょう。というのが日本社会です。
皆で、「なあ、なあ」「まあ、まあ」をしているのが、日本社会です。
だから、日本の国力は衰退しているのです。
もしも、こんな国が繁栄するのであれば、それこそ、奇跡です。
逆に、日本の戦後復興は奇跡ではありません。あれは、多くの国民の努力の結果です。当然の結果なのだと思います。

知事で有名なのは、東京の小池さんと大阪の吉村さんですが、どんどん、横柄になっているように見えます。
小池さんも吉村さんも人間ですから仕方ありません。
知事の周辺にいるのは、「ペコペコ」集団です。
つい、勘違いをしたとしても、仕方ありません。
「ペコペコ」集団の人を非難しているのではありません。
利益のためなら、誰でも「ペコペコ」します。
これ、当たり前のことです。
私が地方自治体の寄生虫であれば、「ペコペコ」なんて朝飯前です。「土下座」だってします。無理難題だって、全部受け入れます。都民も府民も県民も、私には関係ありません。税を出すのは国民ですが、税を使うのは国と地方自治体です。私は徴税権を持っていませんので、私が知事に「ペコペコ」することに、何の不思議もありません。国民に「ペコペコ」したって、1円にもならないからです。
日本の統治システムで最も重視されているのが「和」です。
利益を皆で分かち合うことが重要なのです。もちろん、国民・県民もプレイヤーですから、それなりの利益は配分されます。
でも、これって、「和」って、そんなに素晴らしいことなのでしょうか。
国民・県民の皆さんが生活が苦しいと感じているのは、なぜなのでしょう。
政治・行政は、国民生活のために存在するのではないでしょうか。
政治が、分け前を決めることは、正しいことなのでしょうか。
「和」を錦の御旗に掲げて、政治と「ペコペコ」集団が利益配分をしている現状を民主主義と言っていいのでしょうか。私には専制主義に見えてなりません。
この国が衰退している最大の原因は、国民の皆さんの意識だと思います。
国民の皆さんの意識が変わらなければ、この国は、潰れる運命にあります。
国民の皆さんの自業自得です。
確かに、政治家にも「ペコペコ」集団にも問題はあります。
しかし、国民の意識が変われば、政治家も「ペコペコ」集団も変わります。
国民の皆さんが、政治家や「ペコペコ」集団に「好き勝手」をさせているのです。
だって、政治家も「ペコペコ」集団も人間です。「欲」が優先するのは仕方ありません。
国民の皆さんの意識を変えれば済むことなんですが、その方法がありません。
私も、その方法を見つけていません。
ですから、このまま、ずるずると、朽ちていくことになります。
困ったことです。


2023-08-03



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。