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立法府の不作為 [評論]



このブログでは、不定期ですが、何度も、NHK問題を取り上げています。
NHKは、数々の問題を抱えていますが、国民の財布に影響するという点で、受信料の問題が最大の問題だと思います。
私は、NHK受信料を支払っていません。NHKから見れば、又、受信料を支払っている人達から見れば、私は、非国民であり、訴えられても仕方ない極悪人なのかもしれません。いや、ただの、「面倒くさい奴」なのかもしれません。
では、受信料を支払っている人は、NHK放送が視聴出来て、NHKのおかげで豊かな生活が出来て、満足だと思っているのでしょうか。
NHKの放送は、皆さんの生活を支えていますか。
そんな人は1人もいない、とは言いません。でも、とても、少ないと思います。

では、NHK受信料を支払っている皆さんにとって、NHK受信料なんて、はした金に過ぎないのでしょうか。
そういう人もいるでしょうが、多くの日本人は、そうではないと思います。
それなのに、何故、NHK受信料を支払っているのですか。
「そりゃあ、法律で決められているからだ」と言うでしょう。
ほんと、皆さんは「いい人」です。
では、お聞きします。
放送法では、「NHKに受信料を支払いなさい」と書かれているのですか。
いいえ、「契約を結びなさい」と書かれています。
しかし、実際に、NHK受信料を支払っている皆さんは、NHKが用意した「日本放送協会放送受信規約」という書類にサインすることで、契約したことになっているのです。
では、あの書類には、何が書かれているのでしょう。精読された方がいるのでしょうか。誰も、読んでいないと思います。文字も小さいです。私も精読したことがありません。でも、拾い読みをしただけですが、NHKの都合だけが書かれている書類のように見えます。
では、NHKの都合だけが書かれているあの書面が契約書なのでしょうか。
違うと思います。
契約書とは、お互いの言い分を話し合い、合意し、書面でそれを証明するために作られたものです。相手の言い分だけが書かれた書面は、契約書ではありません。例えば、アパートを借りる時に「賃貸契約書」という書類にサインしますが、もしも、店頭では5万円と言っていたのに、契約書は7万円になっていたら、サインしませんよね。逆に、4万円に書き換えてくださいと依頼したら、大家さんはサインしません。これが、契約です。
契約相手であるNHKの要求だけが書かれている書類に、「法律で決まっているのだから」という理由でサインを強要するのは、詐欺だと思います。法律には「契約をしなさい」と書かれているだけで、「NHKの書類に、無条件でサインしなさい」とは書かれていません。
庶民にとって、契約という概念は一般的ではありません。私達は、個人として、日常で、契約書の文面を考えることはありません。私達の日常生活の中に、契約という概念はほぼありません。民法には「契約の自由」という概念が謳われていますが、ほとんどの人が民法のお世話になることは、ゼロではないとしても、限りなくゼロに近い環境で生活しています。
そんな社会で、「日本放送協会放送受信規約」という「ボンヤリとした」契約書紛いの書類にサインを強要され、皆さんはNHK受信料を支払っているのです。
ただ、社会が「なあ、なあ」「まあ、まあ」で成り立っていますので、皆さんには、違和感はないのかもしれません。「契約」という言葉も、「公共」という言葉も、「法律」という言葉でさえ、定義する必要があると思います。
多くの方が、もやもや感を持っていると思います。私達の無知に付け込んだ悪徳商法だと言っても過言ではないと思いますが、違うのでしょうか。
私には、「おれおれ」も「還付金」も「NHK規約」も詐欺にしか見えません。

皆さんは、必死に稼いだカネで、物やサービスを買います。
それは、カネに代わる価値があるからです。
では、大切なカネを使って、NHKを受信できるサービスを買って、皆さんは、どんな価値を得ているのでしょう。NHKでしか放送しない相撲中継を視聴出来て満足しているという方もいるでしょうし、大河ドラマが好きで、満足している人もいるでしょう。ところが、NHK受信料を支払っていながら、何の利益も受けていない人達が大勢います。ですから、多くの方が、NHK受信料に疑問を持っています。これが現実です。特に、苦しい家計が悩みの種になっている人達にとっては、NHK受信料は重圧です。NHKに受信料を支払わなくてもいいのなら、もう少し子供の食費を増やせるのにと感じている人もいるでしょう。
貧困家庭の収入の何倍もの収入を得ているNHK職員の高額な給料を貧乏人が支える必要は、どこにあるのでしょう。
これは、もう、不条理の世界だと思います。
その原因は、放送法の「契約をしなければならない」という一文です。
施行当時は、それなりに意味のあった法律かもしれませんが、今では悪法だと思います。
本来であれば、国民生活を守るためには、不条理を解消するのが、国の仕事です。
これほど貧困者を作っているのに、その不条理を糺そうとしない立法府に責任はないのでしょうか。これは、立法府の不作為で、時間の経過が、放送法を悪法に変えてしまった結果だと思います。
放送法が制定されたのは1950年です。大昔のことです。
当時は、敗戦の痛手から立ち直るために、国も国民も、必死になっていた時代です。
経済の再生は、最重要の課題でした。
世界でも、ラジオの時代からテレビの時代へと移行する時期でした。
ですから、テレビの普及のために、放送法に、あの一文を書いたことは、間違いではなかったと思います。経済復興のためには、テレビも冷蔵庫も車もクーラーも必要でした。
では、21世紀の今、テレビの普及は、日本経済の起爆剤になるのでしょうか。
そういう時代ではありません。
時代に合わせた国家運営が必要とされている時に、過去の法律を放置するのは、立法府の不作為でしかありません。特に、これほど貧困層の家庭が増えている今、放送法は、既に、悪法と言っても過言ではないと思います。
私も、生活保護費より低い年金で生活している高齢者です。NHK受信料を支払う余力はありません。しかし、今年から、NHK受信料を支払っていない者は、割増金まで支払う義務を負わされてしまいました。悪法に成り下がった放送法の上に、更なる悪法を作ってしまったのです。これは、国民生活を無視した「悪政」そのものです。
でも、日本社会は、「なあ、なあ」「まあ、まあ」で動いています。
ほんとに、日本国民の皆さんは、「いい人」ばかりです。
私は、「いい人」を演じることが苦手なので、NHK受信料は支払いません。
訴えられたら、戦うしかありません。
この年齢で裁判に耐えられるのかどうかはわかりませんが、戦うという選択肢しかないようです。

では、NHKという存在そのものを消し去ればいいのでしょうか。NHKをぶっ壊せば、いいのでしょうか。NHKを否定すれば、それで済むのでしょうか。
それは、違うと思います。
NHKには、この70年間で得たノーハウがあります。設備もあります。優秀な人材もいます。これは、日本の財産です。いや、国民の受信料で成り立ってきたのですから、これ等は国民の財産です。潰すのも、捨てるのも、惜しいと思います。
国民の拠出した受信料で、これほどの貴重な財産を築き上げたのです。国民生活を守るために使うことのほうが、本来の使い方だと思います。
出資者である国民の「生活を守る」ために、何が出来るのか。
今は、情報の時代です。情報発信が大きな力を持ちます。
発信力を持っているNHKは、その大きな力になれます。
NHKだけではありませんが、既存のメディアは、そのことに気付いていません。
ほんとに、惜しいと思います。宝の持ち腐れです。
朝日や毎日や赤旗のように、政権批判をしろ、と言っているのではありません。
相手を、いや、敵を貶めるための発信力は、希望を生みません。
しかし、もしも、万に一つ、奇跡的に、NHKが、この国の衰退の原因の原因の原因に気付き、その対処法が「言葉の定義」だと言うことを見つけたら、NHKには、やれることが山のようにあります。
今、この国を救えるのは、国民しかいません。しかし、国民の皆さんは、今でも、自分達が「下々」だと思い込んでいて、その使命に気付いていません。それを、放送を通じて、イベントを通じて、国民の皆さんに知ってもらうノーハウをNHKは持っています。全国に拠点を持ち、イベントで集客する技術も持ち、それを知らせる電波も持っています。
「国とは、国民とは、民主主義とは」という言葉を、その定義を、責務と目的を、国民運動にまで高める力を持っています。
NHKは、公共放送を自認しているのですから、本物の公共放送になる必要があります。国民の生活のために、この国を救うことは、公共を担うNHKの仕事です。
私達は、自分の生活を守るために、この国を救わなければなりません。
NHKは、その先頭に立つことができます。
民放とは違い、スポンサー企業に忖度する必要はありません。国民からもらったカネで、国民の利益を追求するのです。そこには、何も違和感はないと思います。
では、そんなことが、現実にできるのか、と言うと、出来ません。
NHKが、そんなNHKになったら、政府は放送法を改定します。放送法から「契約しなければならない」という文言を消せば、NHKの利権は消えます。
国民のためには放送法の改定はしませんが、政権の利益のためなら、政権は、躊躇なく放送法を改定します。
放送法が改定されたら、誰も、受信料は払いません。
でも、もしかすると、国民がNHKを支持するかもしれません。
どんな結果になるのかは、誰にもわかりません。
でも、ほんの少しですが、希望はあると思います。

今のNHKは、「カネの亡者」です。
既得権益を守るために全力投球をしています。そこには、品位の欠片も見えません。
「亡者」という言葉を辞書で引くと、「金銭など、物質的な物事にとりつかれている者」と書かれています。今のNHKは、まさに、カネに憑りつかれている亡者です。本来であれば、NHKは公共の利益に資する活動を行う組織だと思いますが、やっていることは、「カネ、カネ、カネ」です。
テレビを保持している人だけではなく、スマホを持っている人からも、ネットを利用する人からも、カーナビからも、受信料を取ろうとしています。
カネのために、国民を裁判で訴え、総務省に働きかけて割増金制度を実現させています。
自分達が、誰のために、何のために、放送事業を運営しているのかを忘れています。
いつの間にか、日本の大通りに認知されてしまった「自分さえよければ」という道を、大威張りで闊歩しています。
どうして、皆さんは、見て見ぬふりをするのですか。「俺には関係ねぇ」のでしょうか。
皆さんは、自分で自分の首を絞めていることに気付いていますか。
たかが、NHK問題ですが、これも、一事が万事の一事です。
そして、NHK職員は、私の年収の10倍以上の年収を得ています。
皆さんは、NHK職員並みの収入を得ているのですか。
そうじゃありませんよね。
そんな人は、一握りしかいないと思います。
どうして、皆さんが「ふむ、ふむ」「なあ、なあ」「まあ、まあ」と言っているのか、私には理解できません。
皆さんは、私のような人間を「非国民」だと言うかもしれません。
確かに、「いい人」でも、「非国民」でも、例外なく地獄へ堕ちるのですから、「いい人」を演じていたほうが楽だと考えていても不思議ではありません。
でも、筋の通らないNHK受信料という不条理を、見て見ぬふりをするのは、政府がやっている不条理も認めるということであり、不条理を放置することは、皆さんの生活を破壊することに繋がっています。皆さんは、自業自得をやっているのです。どうか、そのことに気付いてください。


2023-07-05



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