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戦争が始まりました [評論]



私は、これまで、何度となく、「地球上から戦争はなくならない」と書いてきました。
そのことを、プーチンが証明してくれました。
もちろん、プーチンに感謝しているわけではありません。
今日も、あらためて、「自分の国は自分で守る」という鉄則について書きます。

2022年2月24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻しました。
まだ、1週間も過ぎていませんので、今後の展開はわかりませんが、ウクライナが、いつまで抵抗できるのかが焦点になりそうです。
開戦前、アメリカ政府が、「明日にも軍事侵攻が始まる」と言い続けていましたが、多くの方が、ロシアは軍事侵攻をしないだろうと予測していました。私も、そう思っていました。それは、プーチンが、軍の移動をさせただけで多くの政治的利益を得ていたからです。政治ゲームでは、プーチンが勝者だったのです。
プーチンは、軍事侵攻の理由として「ウクライナのナチス化とジェノサイド」を挙げています。これは、戦争を仕掛ける側にとっては、合理性に欠ける陳腐な理由でも、理由になるという証です。
プーチンの本音は、私なんかにはわからないと思いますが、核兵器を武器にして、時代を変える覇者になろうとしているのかもしれません。
アメリカもNATOも、ウクライナに派兵するつもりはないようですが、「あの時、ロシア軍を止めておかなければならなかった」という結果になるかもしれません。
バイデンは「第三次世界大戦を始めるわけにはいかない」という理由で、軍事的な選択を排除したと言っていましたが、そのことが、第三次世界大戦の導火線に火をつける結果を生む可能性もあります。人間の思考よりも、時の勢いのほうが、はるかに強大です。
専門家の話を聞けば聞くほど、プーチンの勝利は約束されているようです。専制主義国家と民主主義国家の闘いが始まっていると言われていますし、今回の騒動もその一局面だとすると、これは、外交交渉で折り合えるような代物ではありません。自然な帰結として、時の流れは、既に、第三次世界大戦へと向かっています。
多分、これは、ウクライナだけの問題ではないと思います。
今回の戦争は、既存の世界秩序が壊れていくプロセスの1つだと思います。今は、専制主義国家が「押せ、押せ」ですが、追い詰められれば、民主主義国家もケツを捲る時が来ます。必然的に第三次世界大戦が起きるということだと思います。

軍事侵攻は、戦争です。
20世紀前半を思い出すような古典的な展開でしたが、これは、バーチャルの世界の話ではなく、現実です。ミサイルや砲弾や銃弾で、生身の人間が殺されるのです。
この文章を書いている時点では、ウクライナの首都キエフは陥落していませんが、時間の問題だと言われています。
キエフが陥落し、現政権がロシアの支配下に入れば、戦闘は終わるかもしれません。
ウクライナの大統領は、まだ、キエフにいるようですが、キエフを脱出し、他の地域から指揮をとった場合は、戦闘は続きます。
ウクライナ国民にとっては、ゼレンスキー大統領が処分され、戦闘が終われば、目の前の命の危険からは開放されます。もちろん、ロシアの施政下に入れば、これまでのような自由はありませんが、とりあえず、命は助かります。
ウクライナは、なぜ、こんな状況を迎えたのでしょう。
過去の経緯、プーチンの怨念が直接的な原因だと思いますが、ウクライナの国家運営の失敗が最大の原因だと思います。歴代の大統領が、現職のゼレンスキー大統領が、リーダーの器ではなかったということかもしれません。国家運営は、個人の力量でどうにかなるものではありませんが、それでも、個人の力量が低ければ、失敗の確率は高くなります。日本のリーダーの力量不足には定評がありますので、他国のことを四の五の言えませんが、もしも、プーチンがウクライナの大統領だったら、こんな結果にはなっていなかったのではないかと思います。
アメリカの弱体化とバイデンの力量不足も原因の一つです。
欧州も一枚岩ではなく、自国優先に終始しました。欧州各国の指導者の力量も低く、プーチンのほうが、何枚も役者が上だったことも原因です。国のリーダーは、神のような才能を持つ必要はありません。敵対国のリーダーよりも、一枚か二枚上であればいいのです。
ここで、ロシアとウクライナの軍事力を見てみましょう。
大雑把に言って、10対1の差があります。
それ以外にも、ロシアには過去の遺産があります。ウクライナは、ソ連から独立した時に核兵器を廃棄しましたが、ロシアは温存しました。ロシアは今でも核軍事大国です。武器市場でも確固たる地位を維持しています。
ですから、戦えば、ウクライナがロシアに勝つ確率は、ほぼゼロです。
ウクライナのゼレンスキー大統領も国民も、「まさか、ほんとに、ロシアが攻めてくる」なんてことは、考えてもいなかったと思います。
ゼレンスキー大統領は、政治ゲームをやっているつもりだったと思います。
ウクライナも、日本と同じで、人間社会の鉄則を忘れていた国の一つだと思います。
その鉄則とは、これまで何度も書きましたが、「自分の国は自分で守る」という鉄則です。
過去も、現在も、未来も、この鉄則は変わりません。
ロシア国民もウクライナ国民も戦争なんて望んでいません。
それでも、戦争は起きるのです。
いや、今、それが現実になっているのです。
たとえ、「戦争反対、平和、平和」と叫んでいても、戦争は無くなりません。
なぜ、そんな当たり前なことを、忘れてしまうのでしょう。
歴史を見れば、現実を見れば、一目瞭然なのに、つい、忘れてしまいます。
世界で一番この鉄則を忘れている日本の国民である私が言うのは間違いなのかもしれませんが、今回の戦争は、ウクライナの自業自得だと言うしかありません。
確かに、ロシアとウクライナでは国力の差がありますから、ウクライナがロシア並みの軍事力を持つことはできません。しかし、実際に役に立つかどうかはわかりませんが、保険はかけておく必要があったと思います。政治ゲームをするのではなく、ウクライナは早い時期にNATOに加盟しておくべきでした。クリミヤ紛争があった時が、その時だったと思います。クリミヤとロシアに支配されている地域を捨ててでも、一刻も早くNATOの一員になっておくべきだったと思います。
では、NATOの一員になれば、絶対に安全か、と言うと、それはわかりません。
ウクライナの近隣国であるポーランド、スロベニア、ハンガリー、ルーマニア等はNATO
に加盟していますが、NATO軍が本気で守ってくれるかどうかはわかりません。
なぜなら、プーチンが、核で脅しているからです。プーチンなら核の使用もあり得るかもしれません。ベルリンに、パリに、核攻撃をすると言われたら、ドイツやフランスはどうするのでしょう。NATOのリーダーであるアメリカは、どうするでしょう。
実際に、プーチンは、「自分には核を使う覚悟がある」と公言しています。「たとえ、核戦争で世界が滅びても、ロシアが存在しない世界なんて、ロシアには必要ない」と言っています。仮に、NATO軍がロシア領に迫ってくれば、軍事的に追い詰められれば、プーチンは核を使うかもしれません。いや、そこまで追い詰められなくても、使うかもしれません。それは、戦術核という考えが進んでいるからです。核兵器は、もう、最終兵器ではないのです。それでも、核兵器は核兵器です。その破壊力と環境汚染は無視できません。しかし、現実として、世界的に核兵器に対するハードルは下がっています。最初に、プーチンが使ったとしても不思議ではありません。
ウクライナに侵攻したことで、言葉ではなく行動で証明したことで、プーチンの発言には重みが生まれました。プーチンの言葉は、言葉だけではない可能性が生まれたのです。
ウクライナがNATOに加盟していたら、絶対に安全だということではありません。保険というものは、そういうものです。ただ、無いよりはあったほうがいいです。
ゼレンスキー大統領は「我々は孤立無援で、防戦している。共に戦ってくれる国はいない」と言っています。招集された予備役のウクライナ人が、取材に対し「どうして、世界は助けてくれないのだ」と言ったそうです。個人の喧嘩であれば、助けてくれる人はいるかもしれませんが、国同士の喧嘩を助けてくれる国はありません。なぜなら、自国民の命を捨てでも、他国の国民を救う理由がないからです。それが、現実です。だから、今でも、「自分の国は自分で守る」という鉄則が存在しているのです。
まさに、現実に直面すれば、嘆くことしかできません。
責任は、想像力が足りなかったウクライナ政府にあるのです。
NATOは、同盟国ではないウクライナ領内に部隊を送れません。
いや、それは、建前です。ロシアとNATOが全面戦争を始めれば、NATO主要国も無事では済みませんから、ウクライナには派兵したくありません。
ですから、NATOは、ウクライナを助けるつもりは、さらさら、ないと思います。
米ソ冷戦終結後に、新規に加盟した国々を守るかどうかもわかりません。
いや、フランスがドイツを守るのかと問われれば、答はないと思います。
誰でも、自分が一番可愛いのです。
EU域内は国境がないはずでしたが、コロナで国境を復活させました。それが悪いことだとは思いません。当たり前のことだと思います。NATOに過剰な期待をするのは、間違いだと思います。フランスやドイツが助けてくれるなんて思わないほうが正しいです。
アメリカも欧州の主要国も、今回の戦争で、軍事的対応をするとは一言も言いません。経済制裁と口先介入だけです。
それでも、もしも、ウクライナがNATO加盟国であったなら、プーチンは軍事侵攻を躊躇したかもしれません。
これは、ウクライナ政権が、大統領が、国家運営に失敗したということです。
ロシアとウクライナは地続きです。
例えば、東京に住んでいる皆さん、多摩川を渡れば、中国福建省だとしたら、どうしますか。ロシアとウクライナは、そういう場所にあるのです。
そんな場所で安心しているほうが変です。
ゼレンスキー大統領は、やるべきことをしなかったのです。
日常に埋没していれば、先送りで何とかなると思ってしまうのです。

日本国民の皆さん。
遠く離れたウクライナでの出来事ですが、皆さんには関係ないことなのでしょうか。
そうではない、と思います。
どんな状況になっても、どんな国でも、鉄則は鉄則です。
「自分の国は自分で守る」のです。
ウクライナ [→] 日本、 ロシア [→] 中国、に置き換えてみてください。
同じことが起きても不思議ではありません。
悪逆非道という点では、習近平もプーチンに負けていません。
プーチンや習近平や金正恩のような人間は、いつの時代にもいます。この先も、必ず、権力を握る才能を持った悪逆非道な人間は出現します。それが人間社会の現実です。
ですから、何度も書きますが、地球上から戦争が無くなることはありません。
日本政府の対応を見ていると、今回の戦争は、遠いウクライナで起きている他人事と捉えているようにしか見えません。私には、日本政府がウクライナの大統領と同じような対応をしているように見えます。時代は変わりつつあるのです。今こそ、自分事として捉えなければ、日本はウクライナと同じ自業自得と呼ばれるような結果を覚悟しなければなりません。
政府は、総理大臣は、日本の国民に向けて国民意識を変えるような発信をするべきだと思います。ウクライナのように、敵が攻めてきてから、「市民の皆さん。銃を取って、徹底抗戦してください」とお願いしていたのでは、強力なロシア軍は止められません。ロシア軍は戦車軍団です。小銃を市民に配っても役には立ちません。市民の犠牲が増えるだけです。相手は戦車なのですから、市民に配るのは対戦車ロケットでなければなりません。素人では使いこなせないかもしれませんが、数を撃てば精度は上がります。ウクライナ軍がいない場所でもロケットが飛んでくるようになれば、戦車は動けなくなります。ドイツが、対戦車ロケットを支援すると表明しましたが、欧州各国は、1000丁ではなく、競争して数十万丁のロケットをウクライナに送るべきだと思います。
戦争になる前の国家運営は失敗でしたが、戦争状態になったのですから、「派兵できないのであれば、100万丁のロケット砲を送ってくれ」と言わねばなりません。市民に小銃を渡しているようでは、国家運営に失敗しているとしか言いようがありません。どんな国でも、国の責務は「国民生活を守る」ことです。国民生活の基本は、国民の生命です。自国民に銃を渡して「死んでくれ」と言うのは政府の仕事ではありません。
ウクライナ政府は、最低、最悪の政府だと思います。
今のままだと、日本も同じ道を辿ることになります。


2022-03-01



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