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竜馬も苦笑い [評論]



大阪維新の会の維新八策なるものが発表されました。
私は、大変、がっかりしています。
これでは、既存政党と大差ありません。
先ず、哲学と思想を感じさせてくれません。現状把握と青写真も見えません。
時代認識に基づいた骨太の策ではなく、現状に擦り寄った小手先の策に過ぎません。
地方政党の発想であっても、国政を変えることが基本になります。
国の仕組みは、中央から地方へ移せば変わるのではありません。国の仕組みを変えることにより中央から地方へと移行する部分もありますが、それは全体の中のワンピースです。
また、憲法を変える必要があることは多くの方が考えていますが、実現可能な方法論がありません。どうやって抵抗を排除するのか、その骨格が見えないのです。
既存政党から、安堵の声が出ています。「維新の会は、長くもたないだろう」とホッとした感想です。私も、同感です。
また、これで、日本の政治は振り出しに戻ってしまいました。
期待が大きかった分、落胆も大きいです。
発表する前に、「待て」と声をかける人はいなかったのでしょうか。
この八策を見た周囲の人には、本当にこれで日本の未来が見えたのでしょうか。
そうではないと思います。
マニフェストを作るという意識が強く、志に欠けていることに気付かなかったとすれば、それは本末転倒であり、既存政党と同じです。
中途半端な志と、生煮えの覚悟が文字になっただけのように見えてしまいます。
維新八策で日本が変われると思っていることと、維新八策が実現可能だと思っていることの両面で、維新の会はそのスタートからコケてしまいました。八策から哲学と思想を浮かび上がらせることが出来ないのであれば、前文をつけなくてはなりません。あるべき日本の未来図を国民に提示し、現状の延長線上には日本の未来がないことを示し、変革をするための策をわかり易く、しかもどのように繋がるのかを見せなければなりません。
そういう意味では、維新八策は完全に宙に浮いています。そのために説得力がありません。言葉の羅列では人の心に届かないのです。坂本竜馬の真似をするという発想が、最初の敗因かもしれません。自分の言葉で、自分のスタイルで、他の誰のでもない自分のオリジナルな発想で語らなければ、道は開けません。そのことは、簡単なことではありません。でも、それが無ければ改革にはならないのです。とても、国の仕組みを変えることなど出来ないと思います。
中央政界も中央官庁も胸をなで下ろしたことでしょう。
国民にとっては、また不利な状況に追い込まれることになりました。
過去の橋下氏の発言を聞いていた限りでは、そこそこの現状認識が出来ていると思っていたのですが、どうしてしまったのでしょう。これで、国の仕組みが変わると思ったのでしょうか。
とんでもありません。
官僚政治は、そんなヤワなものではありません。
どの策も中途半端。何がしたいのかも不明。
きっと、元祖船中八策を作った坂本竜馬も苦笑いしていることでしょう。
竜馬が生きた時代の人にとって、竜馬の船中八策は鮮烈なものだったと想像します。きっと、絶句した人が多かったと思います。国の仕組みを変えるということは、こういうことだったのかと思った筈です。
地方主権になれば、全てがうまくいくと考えているようでは、仕組みは変わらないのです。中央のシロアリが地方のシロアリに場所を移すだけのことです。
橋下氏では無理だった、ということなのでしょうか。
革命に一番近い場所にいるのが橋下氏だと思いますが、その力不足を中央政界に見透かされるようでは実現の可能性は低いと思われます。
これが、今の日本の限界なのかもしれません。
大変、残念です。
もともと、ここまで大きくなった崩壊への流れを変えることは無理なのですから、橋下氏だけに責任がある訳ではありませんが、それでも、残念です。
何度も、橋下応援歌を書いて、皆さんの貴重な時間を浪費させたことを謝ります。
申し訳ありませんでした。


2012-02-15



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